表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日米転生   作者: 照山
日米転生2024
322/524

24-20 瓦解

「要救助者の捜索を急げ!彼らは我々の捕虜になる者たちだ。また捕虜として保護し、適切な治療を実施せよ!」


『こちら「ジョン・ポール・ジョーンズ」。洋上にて目標航空機のパイロットと思われる人物を確認した。これより救助を行う』


「「エイブラハム・リンカーン」CICより了解。要救助者の容体は?3月の海は寒いだろう」


『要救助者は意識はありますが低体温症の恐れがあります。体温も34℃と低いです!」


「了解。このままでは死に至る可能性がある。応急処置を施し、要救助者の体温を回復するよう努めよ」


その後も4人の目標航空機に搭乗していたパイロットが続々と救助された。しかし、発見が遅れた1名に関しては死亡が確認された。パイロットの救助活動終了後、グリンバース艦長はUH-60に搭乗し、救助されたパイロットと面会するため「ジョン・ポール・ジョーンズ」へ向かった。


到着後、「ジョン・ポール・ジョーンズ」艦長と面会し案内されることになった。


「艦長のウェスタンです!グリンバース艦長、目標航空機から海に放り出されたパイロットはこちらにおります。では参りましょう」


「あぁ。行こう」


案内される道中、艦の乗組員全員に敬礼を受けたため敬礼で返答した。それらをしながら救護室に到着した。


「こちらです」


「失礼する。体調はどうだ」


「あなたは・・・?」


「私はアメリカ海軍第3艦隊「エイブラハム・リンカーン」艦長のグリンバースだ。よろしく頼む。君たちはどこの国・・・いや、組織だ?」


「・・・・」


グリンバースの質問に目標aらのパイロットは黙りこくっていた。しばらくしてグリンバース艦長は口を開いた。


「質問を変えよう。諸君らは『赤の衝動』の構成員で間違いないな?嘘を言っても無駄だぞ?」


「・・・はい・・・」


「(やっと言ったか・・・ここからは慎重に問い詰める必要がある。捕虜である以上、丁重に扱わなければならないな・・・)


グリンバースは『赤の衝動』構成員を名乗る3名に次なる質問を投げかけた。


「私からいくつか質問がある。諸君らの名を答えよ。無理せず、ゆっくり答えよ」


「ジバニオ・ベストレスだ」「ユグーラ・オザーリーだ」「エンバリー・フラックです」


「一つ目の質問に答えてくれて感謝する。(ん?・・・ベストレスと名乗ったが報告のどこかで聞いたことがある名前だな・・・少し探ってみるか・・・?)


グリンバースはベストレスという名前に引っかかるものがあったためジバニオに質問を投げかけた。


「さて、二つ目の質問に入る前にジバニオ君に問いたいことがある」


「な・・・何でしょうか・・・?」


「君はリーガル・ベストレスという者を知っているか?知っていることを全て話してもらおう」


「彼は私の叔父です・・・私の叔父と父は我々の組織のボスです・・・」


グリンバースは『赤の衝動』の鍵となる情報を手に入れた。すぐにでもこの情報を上層部に伝えたいと思った。


「そうか・・・ではなぜ君がこのような所業を?」


「グリンバースさんらもご存知のようにステイグル連合の敗北続くによるゲリラ化で我々はなし崩し的に弱体化してしまい打開策が見つからないことからボスは特攻を強制的に命じた・・・ということになります・・・」


「(なるほど・・・瓦解したか・・・)」


瓦解。簡単にいれば「崩壊」である。ステイグル連合のゲリラ化で崩壊したことにより支援を失った『赤の衝動』も同様の事態に陥ることになったのである。ましてやボスの親戚が捕虜となったということは交渉材料にもなる。非常に重要な「駒」となった。


「質問に答えてくれて感謝するジバニオ君。ゆっくり休みたまえ」


「お気遣い感謝しますグリンバース艦長」


「さて・・・『赤の衝動』は今、どこに拠点を構えているんだ?民間人に手は出していないだろうか?」


「分かりません・・・叔父と父は独裁的な考えを持っているため何をするか分かりません。交戦する際は警戒するようお願いします」


「分かった。『赤の衝動』は今後近いうちに解体される。組織の最後を見届ける覚悟はあるか?」


「あります。どんな結果であろうと私は受け止めます」


「君たちも同じ意見か?」


「はい」


「分かった。質問は以上だ。体力が回復するまで時間がかかるだろう。しばらく休みたまえ」


その後、救護室を後にしたグリンバースは「エイブラハム・リンカーン」へと戻り、司令部に報告を入れた。


「「エイブラハム・リンカーン」艦長・グリンバースより第3艦隊司令部へ。洋上に墜落した目標航空機のパイロットを救助し、応急処置完了後に質問を問いかけたところ『赤の衝動』構成員で間違いなかった。また、新たな有力情報を手に入れた。有力な情報というのは『赤の衝動』の幹部の親戚が捕虜となったということだ。質問したところジバニオ・ベストレスはリーガル・ベストレスと血の繋がりがあることが分かった。詳しく調べる必要があるため国防省にも伝達するよう求める」


『第3艦隊司令部より「エイブラハム・リンカーン」艦長・グリンバースへ。報告を受け取った。速やかに国防総省に伝達する。捕虜に関しては引き続き丁重に扱うように』


「了解。通信終了、オクレ」


通信終了後、グリンバース艦長は新たな命令を下した。


「「エイブラハム・リンカーン」CICより全艦へ達する。これより我々は『赤の衝動』掃討を実行する。実行日は3月10日8:00からとする!」


第3艦隊による『赤の衝動』の殲滅が開始されることになった。3月10日は陸・空軍・海兵遠征軍も行動を開始する。米軍の作戦展開に注目していく必要がある。


次回もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ