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日米転生   作者: 照山
日米転生2024
319/524

24-17 戦況

工業都市・フェイラス占領から数日、米軍は次なる作戦に向けて準備を進めていた。ステイグル連合・フェイラス攻略と同時に行われていた第2軍団第11空挺師団によるスプール共和国副首都・スパンダーへの侵攻作戦が行われ、スプール共和国軍の排除に成功し10時間程度で制圧が完了した。


これらの報告を受けてジョーンズ大統領は2月27日に会合を開き今後の『赤の衝動』・ステイグル連合・スプール共和国に対する方針に関して話し合っていた。


「さて、我々に敵対する勢力は徐々に力を消耗し投降してくる者が増えて来ている。ここで一網打尽にする必要があり、米軍部隊のさらなる派遣が必要となる。また、首都攻略も視野に入れる必要がある。私としては空軍による空爆を推奨するが君たちはどう思う?」


「大統領、フェイラスを制圧できたのですから首都も制圧できるはずです。我が国の安全を脅かす者たちです。じわじわ追い詰めるのも良いかもしれませんが一掃するため、彼らをまとめて一掃するべきだと私は思います。皆さんはどう思いますか?」


マルテ国務長官はジョーンズ大統領以外にも問いかけた。これに対してベッセマー国防長官も意見を呈した。


「国防長官の立場から言わせてもらうと空爆を行った場合、非武装の民間人にまで被弾する可能性があります。空爆を反対している訳では無いことだけはご理解いただきたい所存だ。だが、限定的な空爆を行うべきだと私は思います」


「ベッセマーくん。限定的というのは軍事施設への攻撃のみということか?」


「おっしゃる通りです大統領。戦争において民間人への攻撃は禁止されています。以前のステイグル連合首都にある敵軍基地への空爆による民間人犠牲者が確認されたことで我々に釈明を求められたことから空爆を行う際は目標を敵軍事施設及び政府関連施設・工業施設のみとしましょう」


「なるほど・・・速やかに空軍部隊の追加派遣を実施せよ。他に意見がある者はいるかな?いないようであればベッセマーくん、速やかに空軍部隊の追加派遣を実施せよ。会議は以上だ。諸君らは引き続き彼らの動向に注目せよ」


「了解しました」


会合終了後、ベッセマー国防長官は米空軍に対して第7・第8・第9航空任務軍の編成を命じた。また、ジョーンズ大統領は『赤の衝動』・ステイグル連合・スプール共和国に対して気を緩めずに警戒するよう命じた。これは米本土への攻撃が決して無いわけでは無いことを視野に入れているのである。



3/1 10:00 ステイグル連合副首都・ストラグル


「まずい・・・まずい・・・非常にまずい!」


「落ち着いてくださいリーダー。今イライラしていても何も変わりません!」


ステイグル連合軍のリーダー・ギルグは敗戦報告が重なっていくたびにストレスが非常に溜まっていた。


「重要な工業生産の要であるフェイラスが陥落するとは・・・想定外だった・・・転移国家だから弱いという噂は嘘だったようだ・・・」


「まさかリーダー、敵国のこと何も知らずに攻撃した訳では無いですよね!?」


「そのまさかだ・・・迂闊であった・・・」


ギルグは油断していた。アメリカ転移時に視察やら何やら全て何も行わずに突っ込んだのだ。米軍の戦力すら何も知らずに・・・。これらの油断により現在厳しい戦局に追い込まれている。


「一時は勝てるかと思っていたが・・・やはり戦争は情報が全てだな・・・」


「リーダー。一時休戦を再度申し込みましょう!今なら領土の一部割譲で済むかもしれません!」


「そんなもんで済むならとっくに停戦か降伏を受けて入れているよ。だが何度も言っているが我々は加害者だ。今更我々の話を聞く者はいない。ならば最後の最後まで戦い抜くしか無い。少しでも長く・・・」


すると通信が入った。ギルグらのいる場所は司令部も兼ね備えている。


『こちら副首都防衛隊第1防空小隊!上空に敵航空機が飛来!」


「すぐに撃墜しろ!敵機を一匹たりとも逃すな!」


『了解!」


通信によると米空軍戦闘機10機が飛来したという報告が入り、ギルグは全機の撃墜を命じた。しかし、首都空爆により対空兵器が枯渇している状況にあることから撃墜は非常に困難な状況になっている。


『司令部!敵戦闘機から爆弾投下を確認!非常に大型です!」


「何!?」


その後、副首都に配備されている陸海軍各基地からは悲鳴と共に通信途絶が確認された。爆弾投下確認という報告後には衝撃が響き渡った。


「ここの陥落も時間の問題だ。速やかに仮首都の選定と部隊の撤退を開始させよ!」


「リーダー・・・我が軍の継戦能力はもう1ヶ月保たないでしょう・・・」


「くっ・・・残存戦力は?」


「現時点で陸軍7万人、海軍4万、空軍8000人となっています。ほとんどの基地が破壊されている状況にあります」


「スプール軍の救援は来ることは可能か?」


「不可能です。スプール側も米軍の攻撃に苦しんでいます。副首都まで陥落しているという報告が入っているのですから」


各方面での戦況悪化の報告にギルグはどうしたものかと考え込んでいた。


「撤退だ。ここも間も無く陥落する。これからは首都を持たずゲリラによる徹底抗戦に移行する。我々も戦闘を行うため武器を持つように」


「分かりました・・・。すぐに準備いたします!」


連合軍リーダー・ギルグにより副首都の放棄が宣言された。これ以降、陸海空軍部隊は解散しゲリラによる撤退抗戦、本土決戦に移行された。



これを受けて、当日デクスター基地に配備されている米軍作戦本部にも情報が入って来た。


「デクスター米軍司令部より現地作戦部隊へ。ステイグル連合軍がゲリラ作戦を展開した。これよりゲリラ部隊の掃討も同時に開始する。総員、全力をあげて敵を攻撃せよ」


「スプール共和国攻略隊長より司令部へ。了解」


その後、ステイグル連合軍はゲリラ部隊としてアメリカ兵の往来を待つことになった。ギルグも第1ゲリラ隊長として作戦に参加することになった。これによりステイグル連合は無政府状態となり『赤の衝動』は混乱状態に陥った。


次回もよろしくお願いします

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