1-4 日米接触 1
1月9日に結城外交官を乗せた航空自衛隊のC-1輸送機はレーダーにてハワイを確認した。距離的には転移前と若干近くなっているため燃料には問題ない。レーダーにてハワイを確認後、結城は到着時の準備を整えた。
「レーダーの位置・日本からの距離からするに転移前と距離は変化しているが問題はないだろうな」
結城は日本とハワイとの位置関係から多少のズレはあるが距離と飛行時間、消費燃料に問題はないという結論に至った。決めつけるのは良くないが予想外の事態に備えるのも外交官の役目でもある。すると本国から通信が入ったという報告を結城は受けた
「航空幕僚長から通達。『ハワイのホノルル空港に着陸せよ。』と来ました」
「了解。空港に近づき次第現地管制塔と連絡を取る」
と副機長が報告を確認し、結城に伝えた。
「結城さん!これよりホノルル空港に着陸し、燃料補給を実施します」
「分かりました。周辺を警戒して着陸してください!」
10日午後、結城外交官らを乗せた輸送機はハワイ周辺空域に到着した。周辺空域に入ったためホノルル空港の管制塔とコンタクトを取り、通信を傍受することに成功した。結果、ホノルル空港への着陸許可が出たためC-1輸送機は着陸体制に入った。
『日本国航空自衛隊C-1輸送機へ。こちらホノルル空港管制塔。第1滑走路に着陸せよ』
『了解。我々もこの世界に転移したという報告をするため合衆国本土で会談がしたいため燃料補給に来た。それと本国にも伝達願いたい』
『了解した。本国へ伝達する』
このようにして、航空自衛隊C-1輸送機はハワイ・ホノルル空港に着陸した。着陸後、政府に向けて到着の報告を行い機体の整備と燃料補給が終了するまで暇潰しをすることにした。
アメリカ合衆国 ホワイトハウス
10日午後に航空自衛隊C-1輸送機のハワイ飛来と空港への着陸と合衆国での会談を行いないという報告をハワイ方面から報告を受け取った。これにアメリカ合衆国大統領・サムエル・ジョーンズh驚きの表情を見せた。
「大統領、航空自衛隊がハワイに到着したことという報告を受け、我々は日本国もこの世界に転移してきたことに間違いないと思います。それと結城外交官が大統領に会いたいと」
「そうか。結城くんが来るのか。にしても日本もこの世界に召喚されたのか」
とジョーンズ大統領は日本の転移に多少疑いを抱いたが副大統領からの報告によると本当に転移してきたらしい。
「そうみたいです。我々が2024年1月1日転移した翌年の同日に転移したみたいです。何か関連性があるのでしょうか・・・」
「関連性か・・・うーむ分からん。まずは日本との会談が先だ。彼らの到着はいつぐらいになる?」
「明日の午前中に到着するかと思われます。現在ホノルル空港にいるようです」
「分かった。会議室を開けといてくれ。それと空軍の哨戒機を出すんだ。日本がどの位置にあるか分かるな?」
「はい。ハワイから通達がありましたので位置把握してます」
「分かった。では五時間後に離陸命令を出せ。」
「承知いたしました」
こうしてアメリカも日本が転移したことを知った。そして五時間後、空軍の哨戒機が離陸した。
日本国 首相官邸
「総理、グレーシス共和国から通達です。食料の輸出準備が完了したということ」
「分かった。山本外交官には申し訳ないがもう一度共和国へ行ってくれと伝えてくれ。もうすぐ大使館もできるから。それと畠山新世界相にも同行してもらう」
「分かりました。山本外交官と畠山新世界相に伝えておきます。」
と村上官房長官は急ぎ足で総理部屋から出ていった。グレーシス共和国は食料生産が世界一の国家として知られておりこの国と友好的な関係を
翌日 埼玉県 航空自衛隊入間基地
「今度はC2で行くのか」
「そうみたいですね」
「もうすぐ大使館もできるから少しの辛抱だ」
「お二人方、まもなく出発です。乗ってください。」
「今行きま~す。」と二人は言った
こうして再び共和国へ食料の輸出交渉の件で行くことになった。山本外交官は心底早く大使館ができてほしいと願った。今回は異世界の土地であるため護衛の自衛官10名と高機動車をのせて離陸した。また、アメリカへまもなく到着する結城外交官は再び大統領と会えることを楽しみにしていた。




