24-5 DEFCON -Defense Readiness Condition-
米国によるテロ支援国家特定数日前 1/28 ステイグル連合首都・ステーク 連合軍支援部
「リーダー、グレーシス共和国に味方する者が現れました」
「ほう。その国の名は?我々の邪魔をする輩では無いだろうな?」
「アメリカ合衆国と名乗る国だそうです。この国はグレーシス共和国と1月に友好関係を結んだとの情報が入っています。ですので」
「すぐに排除せよ。我々は『赤の衝動』を操ってグレーシス共和国を崩壊させ、彼の国を掌握するのだ。断じてアメリカという国に邪魔をさせるわけには行かない」
『赤の衝動』を支援するステイグル連合のリーダーであるギルグはアメリカに対して不愉快な感情を露にしていた。ギルグはアメリカによる妨害を回避するため攻撃のための準備を進めるよう命じた。
「2月10日までにアメリカ合衆国への攻撃準備を完了せよ。戦力差などを把握するため相手の武器・軍事力の調査のためスパイを潜り込ませよ」
「了解!」
アメリカ合衆国とグレーシス共和国の関係接近を受けてステイグル連合から120名のスパイがアメリカ本土に送り込まれた。諜報期間は作戦開始日の2月8日までである。
「さぁ、アメリカとやらはいかなる国か我々に示すが良い・・・」
2/5 12:00 アメリカ合衆国 ホワイトハウス
「大統領、我々と共にステイグル連合とスプール共和国への攻撃を開始しましょう」
アメリカ合衆国大統領のジョーンズは苦渋の表情をしていたがジェシー総統らの強い主張に圧されてしまっている。
「そうだな・・・『赤の衝動』は貴国との繁栄の邪魔をする者たちだ。そして、彼らに関わっている国にも同様の措置を取る。今後、我が国の国民にも危害が及ぶ可能性が高いため国防長官にはデフコン1を発令する」
アメリカ合衆国が発令する『デフコン』は5段階存在し【5】が平時における防衛準備体制、【4】が情報収集強化と警戒強化、【3】が通常より高度な防衛準備体制を示し、【2】が最高度の防衛準備体制を示し、【1】が核兵器の使用が認められるほどの防衛準備体制レベルである。
実際に『赤の衝動』による攻撃を受け米軍に被害が出たことや同時多発テロの教訓があったことからデフコン1を発令した。ジョーンズ大頭領は核兵器の使用も辞さない方針を示した。
「分かりました。国民に対してはどのように伝えましょう」
「国民には不要不急の外出を求めると共に、外出先で怪しい人物を見かけたら速やかに通報を願うと伝えてほしい。くれぐれも慎重にな」
「大統領、ご協力感謝します。行動開始日はいつにしましょう?」
「明日8:00だ。航空からの敵拠点破壊と輸送ルートの遮断を実行する」
「分かりました。共に頑張りましょう」
このようにしてアメリカ合衆国とグレーシス共和国は『赤の衝動』・ステイグル連合・スプール共和国に対して国家防衛および国民保護を目的とした自衛権の行使を決定した。
同刻 アメリカ合衆国バージニア州ラングレー 中央情報局(CIA) 対テロセンター
1月29日以降、アメリカ内部で諜報員の活動が活発的になっていることを受けて中央情報局(CIA)は緊急対策会議を開いた。ハイパー局長は淡々と情報報告を行った。
「2月5日現在、我が国内部で諜報活動が活発化しているという情報が入ってきている。何か些細なことでも良いから知っている者はいるか?」
「監視部のヘレスです。本日までに80人以上の諜報員の逮捕が報告されています」
「80人か・・・これは組織的な諜報活動だな・・・我が国の監視体制を舐めているとでもいうのかね?」
「現在逮捕した諜報員に聴衆している状況です。ですが、中々鍵となる情報が掴めていません」
「他にもまだまだ蔓延っている可能性がある。合衆国全体に厳重警備体制を敷くように」
「了解です!」
諜報員の活動が活発的になっている地域はワシントンD.C.・ニューヨーク・マイアミ・ロサンゼルス・シカゴなどである。ハイパー局長は怪しい動きを見せている人物がいれば速やかに通報するようにと市民に呼び掛けるなど監視強化を命令した。
2/5 18:00 ヴェルディ連邦共和国 国際同盟本部
アメリカ合衆国によるグレーシス共和国周辺に対する行動による地域に緊迫化を受けてヴェルディ連邦共和国首都に置かれている国際同盟本部では安全保障会議が開催されていた。アメリカ合衆国はこの世界に転移後にグレーシス共和国から同盟の加盟を勧められるがジョーンズ大統領の意向により加盟することはなかったが準加盟国として会議の出席が認められた。
「これよりグレーシス共和国周辺における地域の緊迫化に関して安全保障会議を開催する。よろしく頼む。さて、いきなり本題に入るが我々はステイグル連合・スプール共和国・グレーシス共和国・アメリカ合衆国に対して武力衝突の回避を求めることを同盟代表として心から願う」
この発言にアメリカ代表のジーゴはすぐに反論した。
「お言葉ですが、我々は国民の自由と生命・財産を行うためにステイグル連合とスプール共和国に強硬的姿勢を見せています。普通の国家であるのであれば当然のことだと考えています。(この同盟は腐っているのか・・・?)
その後も何度も正当な主張を述べたが同盟首長国が良い反応を示すことはなかった。おそらく彼らは内心呆れられているだろうが信頼回復は可能である。今は国民を守る行動をしなければならないのである。
次回もよろしくお願いします




