earth-19 新局面
変則的な動きを見せたデングリーヅ連邦の大陸間ミサイルはイギリス首都・ロンドンに着弾した。デングリーヅ連邦はミサイル発射時に一発だけ核兵器並みの能力を持ったミサイルを放ったため首都は壊滅的な被害を受けた。地球連合本部にも被害が及んだためシェルターに全職員が避難していたがデングリーヅ連邦軍が上陸していたことにより身柄を拘束された。
また、被害を受けたロンドンは見るも無惨な姿へと生まれ変わっていた。デングリーヅ連邦軍による上陸によりロンドンは連邦によって占領された。ロンドン占領によりイギリスの首都は北部のグラスゴーに移転したがイギリス本土の被占領も時間の問題である。しかし、ロンドンが占領されているからには強制的な武力奪還しか選択肢はないのである。パイロンは目の前にいる通信中の連邦兵を睨み付けた。
「最高司令部へ伝達。敵軍要人を確保。捕虜の扱いはどうしますか?」
『最高司令部より上陸部隊へ伝達。確保した捕虜は人道的に保護せよ』
「了解」
地球連合本部長のパイロンはデングリーヅ連邦兵に問いた。
「いきなりですまない。君たちの狙いは何なのかね?それと我々はどうなるのかね?教えてくれないか。君たち連邦の目的というものを」
「何だじいさん、今さら命乞いか?まぁ良い。特別に貴様らに教えてやろう。我々の目的を」
パイロンら全職員は現在、銃口を向けられているため身動きが取れない状況になっているため抵抗することができない。しかし、発言は許可されているため彼の返答を待った。
「我々の目的は平和的な領土獲得と転移技術による世界征服だ。これはライジング主席の意向である。我々は争いを望まないが貴様らが抵抗するならば徹底的にやらなければならない。貴様らが負けを認めればこの戦争は終わるのだがな・・・!」
「我々が降伏したらどうなるのでしょうか・・・?」
「本部長!騙されてはいけません!」
「雑音が多いが話を続けよう。君たちが負けを認めたらデングリーヅ連邦の属国とすると決まっている。ありがたく思いたまえ」
パイロンの頭の中には降伏か戦争継続かの二択の選択に迫られた。仮にここで戦争を続けていれば民間人にさらに危険が及ぶ。逆にここで降伏を選んだとしても彼らの奴隷となることだって十分に考えられる。どっちを選ぶかはパイロン本部長の選択に託されている。
「私は・・・あなたちには負けません!今この状況が劣勢であったとしても我々が降伏することは絶対に無いでしょう!」
「本部長!」
「ほぉ面白い選択だ。だが口では何とでも言える。結局のところどちらを選んだとしても貴様らは本国へと連れていく。良いな?拒否するのであればこの場で死んでもらう」
「分かりました・・・」
その後、パイロンら地球連合本部の職員全員がデングリーヅ連邦海軍輸送艦へ乗艦し連邦本土へ向かった。また、荒れ果ててしまったロンドンには連邦軍2万5000人が駐留を行い、軍事要塞化に向けて準備が進められていくことになった。艦内での映像から見せてもらった。
「(連合本部が・・・跡形も無く壊されてしまっている・・・)」
パイロンは屈辱を感じながらもロンドン・台湾本島奪還に意欲を示した。
2月15日 デングリーヅ連邦首都 連邦府
「ライジング主席、2月の戦況報告資料です。どうぞ」
デングリーヅ連邦主席・ライジングは【2月における対地球連合軍戦況報告資料】と題された資料に目を通した。資料には今月発射したミサイルと攻撃による被害を受けた地域の犠牲者数、首都空爆やロンドン占領に関することが詳細に記されていた。
「ふむ・・・読んでみたが今月は双方ともに被害を被っているように思える。だが今のところ我々が一歩上手である。何ていったって敵軍の要人を捕虜として捕らえることに成功したからだ。今彼らはどこを航行中であるのだ?」
「現在、最重要人物である連合本部長のパイロンはまもなく到着するものかと思われます。イギリスから連邦本土は化なりの距離があるため輸送艦を台湾本島まで行かせてそこから輸送機で本国へ連れてくる感じとなっていますので少々お待ちを」
「分かった。それと3月・4月の連邦軍の作戦をまとめて発表していく。3月・4月はこの戦争を終わらせることを目標にしていく。我が国が保有する全ての兵器を用いて敵を圧倒させ降伏させるのだ!それと明日16日はウラジオストクを壊滅させる」
「素晴らしい作戦です!是非この戦争に勝利して次の世界へ参りましょう!」
ライジング主席は残り2か月で地球連合軍を降伏させるよう命令した。デングリーヅ連邦による企みは3月に新たな局面を迎えることになるだろう。また、地球連合軍のウラジオストク特別基地を攻撃する日となっている。連合側にとって今後さらに苦しい展開が続くが乗り越えることが出来るか注目である。
同日 極東方面イギリス地方海軍 ウラジオストク特別基地
デングリーヅ連邦による特別基地に対する攻撃に備えて着々と準備が進められている。海上検問所には対艦ミサイルが設置された他、駆逐艦艇数を増やしたりなど出来る限りのことをした。
「敵がいつ来ても良いように準備を怠るな!来てからでは遅いのだ!」
「了解!」
ウラジオストク特別基地への攻撃に対処するため駆逐艦・補給艦・空母そして空母艦載機の増量などどんどん守りは固められていっている。彼らは果たしてデングリーヅ連邦をどのように圧倒し平和と地域の安定を維持していくかは彼らの力量にかかっている。
少し投稿が遅れましたがよろしくお願いします。




