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日米転生   作者: 照山
日米転生 earth
299/527

earth-18 防空能力の要 2

「敵ミサイル撃墜まで残り5秒!4、3、2、1、0!」


カウントダウンが0秒と同時に上海市に接近していたデングリーヅ連邦のミサイルは市の上空で台湾軍のPAC-3によって撃墜された。撃墜には成功したものの細かい破片などが市街地に落下したため不要不急な外出はしないよう警告した。


その後、上海市での迎撃から数分後には香港・西安・武漢に大陸間ミサイルが4発降り注いだ。現地の台湾軍も驚異を排除するためPAC-3、ハイマースを用いて迎撃を開始した。このハイマースは台湾軍が日米消失前に給与されたものであり、今後自国生産可能にしていく方針である。


「敵ミサイル弾着まで残り40秒!PAC-3発射準備!」


香港市では11:00、西安市では11:10、武漢市には11:25に飛来する。


「隊長!時間がありません!急いでください!」


「了解!すぐ行く!(この攻撃・・・我が国以外でも行っているに違いない。心配ではあるが今は目の前のミサイルを片付けよう・・・)」


連隊長は考え事を一時止め、指揮場へと戻り他地域と通信を取り被害状況・迎撃作戦進捗状況などを共有しあった。また、デングリーヅ連邦が発射したミサイルのうち1発が変則的な軌道をする大陸間ミサイルが発射されたため台湾軍のPAC-3での迎撃が難しくなることがあり、警戒が必要である。


台湾各都市に対する大陸間ミサイルを全発迎撃後、被害状況の確認を行った。


「極東方面台湾方面軍総司令部へ。こちら台湾軍香港地方司令部。件の敵発射ミサイルの全発迎撃が完了した。直接的な被害は確認されていないが爆発後の細かい破片が市街地へ落下により軽傷者が多数。以上です」


『地球連合極東方面台湾方面軍総司令部より台湾軍香港地方司令部へ。被害状況の状況報告を受け取った。医療師団を派遣し軽傷者の救護を開始せよ』


「了解!」


司令部との通信終了後、台湾軍は武漢・西安・香港・上海の4都市に医療師団を派遣した。台湾軍医療師団は最新鋭の医療機器が配備されており、救急車には搬送中に攻撃を受けた場合に防衛・反撃できるように機関銃を装備している。医療師団の設置は第三次世界大戦終了後に地球連合安保会議で決定しており、日本も医療師団の設立を準備していたところで消失したのである。



迎撃終了から2時間後の13:16、イスラエルにデングリーヅ連邦の大陸間ミサイルが接近したことを受けてイスラエル軍はテルアビブ・ベイルートからアイアンドームを発射して迎撃を開始した。また、欧州方面軍も可能な限りの大陸間ミサイルを撃ち落とすことに成功したが変則的な軌道のあるミサイルがまだ確認されていないことに疑念を抱いた。


「(変則的軌道を持つミサイルが放たれたと聞いたがどこを飛んでいる?他の国でもまだ確認はされてはいないがもうすでに洋上に落ちたとか・・・まだロンドンには来ていない。まさか!?)」


地球連合本部長のパイロンは一つの可能性を考慮した。それは本部へのミサイル攻撃である。本部にはPAC-3とハイマース、スターストリークLMLが配備されているため余程のことがない限りは安全ではあるがまだ変則軌道のミサイルが来ていないということから本部への接近も考えられる。


「本部長、どうなさいましたか?」


「本部内にいる全ての職員を外かシェルターに避難させろ。また、本部防空連隊に出動を命じろ!早く!」


「わ・・・分かりました!」


パイロンは本部周辺空域を防衛する防空連隊に任務開始の命令を下した。この防空連隊は150名からなる多国籍部隊であり精鋭が揃っている。また、パイロンは本部内にいる全ての職員をシェルターに避難させようとしている。連合本部の地下に設置されている超巨大シェルターには大量の備蓄が置かれているため1ヶ月以上は生活することが可能であり、住宅街に被害があった場合と受け入れ可能であれば民間人もシェルターで生活することが出来るのである。


『こちら連合空軍防空連隊第1中隊、レーダにて英独海峡より敵ミサイル1発を確認!15分後に本部へ到達します!』



「分かった。(やはりか・・・職員を地下に待避させておいて正解だった)第1中隊、聞こえるか」


パイロンの予想は的中していた。しかし、まだ15分もあるため迎撃する準備の余裕が生まれる。


『聞こえます!何でしょうか!』


「迎撃不可能であれば速やかにその場から撤退せよ。少しでも多くの人間が助かるためにも」


『了解!』


そして16:08、大陸間ミサイルは地球連合本部のあるイギリス・ロンドン上空へ到達した。ロンドン市内ではミサイル接近に伴う避難勧告が出されており市内は閑散としていた。ミサイル接近のため防空連隊が迎撃弾を発射した。発射された迎撃弾は迫るミサイルに接近するが赤い点滅と同時に軌道を変えて急降下を開始した。


「なっ!防空連隊、大丈夫か!」


『大丈夫です!目標への再発射開始!』


しかし、それでも動きを自在に操られている大陸間ミサイルに一ミリも命中する気配がしなかった。パイロンはこれ以上の迎撃作戦継続は隊員らの安全にも危険が及ぶため撤退することになった。


「防空連隊全部隊へ!速やかにその場から離れろ!」


『了解!』


10秒後、ロンドン市内は壊滅的被害を浴びた。変則的な軌道と驚異的な破壊力を持った大陸間ミサイルがイギリス・ロンドンに着弾した。この着弾により連合本部を中心に建物の崩壊、火災が発生するなど地獄と化した。撤退を試みた防空連隊は熱風と衝撃波、崩壊したビルの下敷きとなり全滅した。


しかし、シェルターに避難したことにより何とか本部としての機能を役割を果たすことは出来るもののしばらくは外部へ出ることは不可能であるためこの場で過ごさなければならない。すると、シェルターの扉を思いっきり叩かれた。


「(誰だ・・・こんな時に・・・)何者だ!」


「我々はデングリーヅ連邦軍。この地は我々が貰い受けた。貴様らは速やかにその扉を空け投降せよ!」


敵であった。追い詰められた状況かつろくな武器も無いため覚悟を決めた表情で扉を150人の職員は外へと出た。扉を空けるとデングリーヅ連邦軍の兵士に誘導された。


「敵軍の本部長を得ることが出来るとは・・・ツいてるな!」


目の前の兵士はニヤリと不気味な笑みを受けべて本部職員の背筋を冷やした。

次回もよろしくお願いします

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