earth-21 ウラジオストク海戦 中
同日20:40、ウラジオストク特別基地にデングリーヅ連邦海軍が接近しようとしていた。デングリーヅ連邦側の海上戦力は空母1隻(艦載可能60機)、駆逐艦20隻×4個艦隊の計80隻、支援艦15隻×2個艦隊の計30隻、輸送艦10隻からなる艦隊が特別基地を無力化しようと迫ってきた。
ウラジオストク特別基地への敵艦隊接近を受けて基地に所属する全ての艦隊に出撃待機命令が出された。
「総員、敵艦隊を排除せよ!あらゆる武器を用いて当基地を絶対に防衛せよ!」
「了解!」
《ウラジオストク特別基地 海上検問所》
デングリーヅ連邦海軍艦隊の接近により海上検問所に配備されている基地ミサイル防衛システムが発動し照準を敵艦隊に定めた。
『基地ミサイル防衛システム・ハンターを発動しました。目標を定めてください』
「所長よりハンターへ。目標は前方の駆逐艦隊。可能な限り敵艦隊を排除し当海域の安定を維持せよ」
『了解しました。目標を前方のデングリーヅ連邦海軍艦艇に定めました。これより基地防衛のための敵艦隊への攻撃を開始します」
命令により《ハンター》はデングリーヅ連邦海軍艦隊へ多目的ミサイルを発射した。多目的ミサイルは地球連合加盟国全てに調達されている優れものである。特徴としては地上・航空・海上あらゆる地点から攻撃を加えることが出来るのである。
特別基地の海上検問所には《ハンター》と呼ばれるプログラムが盛り込まれている。このプログラムは昨年から研究・開発されており1月の海戦以降に配備された。
「所長、《ハンター》の起動完了と対艦多目的ミサイルの発射が完了しました。まもなく敵艦隊に着弾します。こちらが映像になります」
所長は部下から周辺海域の映像を見せられた。映像には海上検問所に設置されたカメラからの映像によるものであった。
「敵艦隊への着弾まで残り10秒!9、8、7、6、5、4、3、2、1・・・0!」
カウントダウンと共に多目的ミサイルが着弾した。しかし、発射した50発の多目的ミサイルの内30発が迎撃されたが20発をデングリーヅ艦隊に命中させ10隻を無力化することに成功した。しかし、まだ全艦艇を排除できていないため第2弾の攻撃を開始しようとした。しかし、
「敵艦隊よりミサイル発射を確認!ミサイルの着弾ルートは当検問所です!」
「《ハンター》へ命令する。接近中の敵ミサイルを必要な武器を抽出して排除せよ!」
『了解しました。目標に照準を定めましたので迎撃弾を発射します』
再度はデングリーヅ連邦から放たれたミサイルの迎撃を開始した。敵から発射されたミサイルは約60発。その60発を迎撃するために検問所の発射装置からは70発の迎撃弾が放たれた。
「所長!一部のミサイルが上昇し基地上空に侵入!駆逐艦駐留基地へ向かっています!」
「何!?駆逐艦部隊へ緊急命令!複数のミサイルが当該地域へ接近中!可及的速やかに撃墜せよ!」
『こちら第1地球連合海軍駆逐艦隊。了解。敵ミサイルはすでに捕捉してある。迎撃を開始する』
「了解!」
60発の敵ミサイルを迎撃中の過程で10発のミサイルが軌道を変えて高さ50m級の高い壁を乗り越えて駆逐艦隊が駐留する港へミサイルが向かっていったことにより海上検問所側から迎撃要請を受けて駆逐艦4隻が迎撃体制に入った。
「所長!大変です!」
「今度は何だ!」
「《ハンター》により発射された迎撃ミサイルは40発を迎撃しましたが10発が変則的な軌道を見せ迎撃ミサイルを掻い潜りこちらに向かってきています!」
「《ハンター》へ。すぐに撃ち落とせ!」
『了解しました』
《ハンター》への命令により変則的な軌道を見せるデングリーヅ連邦のミサイルに対して再度発射を試みた。これにより9発のミサイルを何とか撃ち落とすことに成功したことが1発のミサイルが検問所に命中した。所長らがいる検問所本部ではなくゲートに命中したことにより爆発を起こした。直接的な攻撃は受けていないが海上検問所の管制室は激しい衝撃を受けた。
「被害報告!」
「正門ゲートが破損!一時的な船の出入りが不可能になりました!人的被害はありません!」
「了解!」
結果的には死者は出さずに済んだがゲートの開閉が不可能となった。また、基地上空に侵入した敵ミサイルに関しては韓英海軍の駆逐艦により迎撃された。
「所長、空軍部隊の出撃を要請しましょう。海上からの攻撃が不可能であるならば航空しかありません」
「そうだな・・・。ウラジオストク特別基地より元山空軍基地へ、敵艦隊への上空からの攻撃を実施してください」
『元山空軍基地管制塔よりウラジオストク海軍特別基地へ。要請を引き受けた』
「了解。協力感謝します!」
22:40 大韓民国・元山 地球連合空軍元山基地
「これよりウラジオストク周辺に屯する敵艦隊を上空より攻撃を試みる。総員各自出撃準備を整えよ!」
「了解!」
ウラジオストク特別基地から航空要請を受けて地球連合空軍・ユーロファイタータイフーンが30機離陸した。海上からの攻撃が難しくなった以上、航空戦力が頼みである。




