earth-17 防空能力の要 1
デングリーヅ連邦首都・ハルゲル首都空中戦により地球連合空軍側双方に大きな被害を出したものの、首都機能を一時停止させることに成功した連合空軍は反撃の狼煙が上がるのも時間の問題と予想している。しかし、防空ミサイルによる妨害を受けたため一部作戦に変更に生じたが作戦は結果的には成功したとも言える。だがライジング主席は報復攻撃を実施すると声明を発表しミサイル軍に作戦開始を命令した。
デングリーヅ連邦ミサイル軍司令部
「ジューリス司令!主席より命令です!」
「読み上げよ!」
ジューリスと言われる人物はシャオリー・ジューリス・デングリーヅである。彼は連邦ミサイル軍を指揮しており、迅速な判断が出来る優秀な司令官である。
「読み上げます!『デングリーヅ連邦最高主席及び軍最高司令官のライジングよりミサイル軍へ新たな命令を下す。明日10:00に極東方面、13:00に欧州方面、16:00に南アジア方面の全都市へミサイル攻撃を実施せよ!発射数は制限しない。敵にどれだけダメージを与えることが出来るか否かの勝負である。健闘を祈る』ということです!」
ライジング主席はミサイル軍に対して命令を下した。
「ふむ・・・発射可能数の制限はしないか・・・。全発射は今後の作戦で使用する際に枯渇する可能性がある。私的には各都市に5発ずつ落としたい。諸君、目標攻撃地点はすでに決めてあるかね?」
「もちろんです!こちらの地図に印をつけてあります!」
「どれどれ・・・」
ジューリス司令は副司令から渡された攻撃目標地点の印を確認した。ミサイル軍がこれから攻撃を開始する攻撃目標地点は以下の都市である。
【デングリーヅ連邦ミサイル軍 想定 ミサイル攻撃目標地点】
●極東方面 大韓民国→ソウル・平壌・元山・釜山
中華人民共和国→北京・天津・哈爾浜・青島
フィリピン→マニラ・セブ
台湾→上海・香港・マニラ・西安・武漢
ベトナム→ハノイ・ホーチミン
●南アジア方面 オーストラリア→ブリスベン・シドニー・メルボルン・キャンベラ
インドネシア→ジャカルタ・シンガポール・クアラルンプール
●中東・中央アジア方面 インド→ニューデリー・ムンバイ・バンガロール・ダッカ
パキスタン→イスラマバード・ラホール
イラン→テヘラン・バグダット
サウジアラビア→リヤド・メッカ
イスラエル→テルアビブ・ベイルート
●欧州方面 イギリス→ロンドン・ダブリン・ケンブリッジ・オックスフォード・ウラジオストク
ドイツ→ベルリン・ライプツィヒ・ミュンヘン・ポツダム
フランス→パリ
西欧連邦→ブリュッセル・アムステルダム・ルクセンブルク・コペンハーゲン
イタリア→ローマ・ミラノ・ナポリ・チュニス
ユーゴスラビア連邦→サラエボ
ウクライナ→キーウ・オデーサ・リヴィウ・ミンスク
トルコ→イスタンブール・アンカラ
ギリシャ→アテネ
ロシア共和国→モスクワ特別区・サンクトペテルブルク
北欧連邦→オスロ(ノルウェー地方)・ストックホルム(スウェーデン地方)
ヘルシンキ(フィンランド地方)
●アフリカ方面 南アフリカ共和国→ケープタウン・イーストロンドン
アルジェリア→アルジェ・ラバト
赤道連邦→ンジャメナ
●北米方面 カナダ→オタワ・モントリオール・トロント・バンクーバー
メキシコ→メキシコシティ・パナマ
●中米方面 キューバ→ハバナ
●南米方面 ブラジル→サンパウロ・ブラジリア・リオデジャネイロ
アルゼンチン→サンディエゴ・ロサリオ
ペルー→リマ
以上86都市が攻撃対象となった。ジューリス司令官は86都市に5発ずつの計430発の大陸間ミサイルを発射した。発射完了後、ジューリスはミサイルの行方を追跡すると共に攻撃目標都市の監視カメラをジャックしてミサイルの威力を確かめた。この大陸間ミサイルも自動・手動で操作が可能であり、攻撃目標地点よりも落下地点にズレが生じていたら手動に切り替えて調整していくことが可能である。
また、この大陸間ミサイルの威力は核兵器よりは劣るもののハルゲル空爆時の地球連合空軍側の爆弾やミサイルの威力を簡単に越えているほどである。そのため着弾すれば被害はハルゲル空爆を越える可能性もあるため地球連合空軍の勝算はこれを撃墜することである。
そして翌日、2月9日10:00。最初のミサイルが発射された。
『司令!発射準備完了!』
「了解。これより地球国家の都市に対する報復を実行する。ショーの始まりだ。存分に楽しみたまえ」
不気味な笑みを浮かべながらジューリス司令はミサイル発射の命令を下した。ジューリスが不気味な笑みを浮かべるのは中々無いため司令室員は驚くというより「レア」であると感じている。
同日10:40 台湾・上海
台湾・上海には日米から給与された150のPAC3が配備されている。日米消失以後、自力でPAC3の開発を実施している。デングリーヅ連邦がミサイルを発射したことを受けて上海の台湾軍対空ミサイル連隊は作戦に取りかかった。
「デングリーヅ連邦がミサイルを発射した。発射数は不明だがこちらに向かっている。諸君、国民そして敵からの驚異を払うために戦うぞ!」
『了解!』
現時点では台湾本土はデングリーヅ連邦に占領されてはいるものの士気は低下しておらず逆に祖国奪還を掲げているため士気は最高潮に達している。
「隊長!敵ミサイルを1発を確認!」
「速やかに迎撃せよ。我が国の国民に傷一つも与えるな」
「PAC3発射準備完了!撃てーー!」
10:00にデングリーヅ連邦から発射されたミサイルは韓国・台湾・中国・フィリピンなどに降り注ぐにであった。
次回もよろしくお願いします。




