1-5 日米接触 2
10日 グレーシス共和国 デクスター飛行場
結城外交官同様、グレーシス共和国へ輸出に関する交渉を実施するため山本外交官は首都・デクスターへと赴いた。
「お久しぶりです山本さん。とは言っても1週間ぶりですけどね。この度は遠路はるばる日本から来てくださりありがとうございます」
「こちらこそです。今回は航空自衛隊C-2輸送機で参りました。そして隣にいるのが本日同行を希望している新世界大臣の畠山です」
「初めまして。日本国新世界大臣の畠山です。以後お見知りおきを。これからよろしくお願いします」
「初めまして畠山さん。こちらこそよろしくお願いします。」
畠山新世界大臣とジェフリア外相は礼儀正しくお辞儀をして友好的であることをアピールした。
「それにしても日本国の輸送機は大きいですね!我が国にも陸海軍それぞれ輸送機はありますが日本国の輸送機ほど大きくはありません。いつか技術の共有なども可能でしょうか?」
グレーシス共和国の陸海空軍各部隊に輸送機が配備されたはいるが通常の飛行機と同様のスケールである。ジェフリア外相は日を改めて軍事技術共有に関する協議もしていきたいと考えていた。
「もちろんです!自衛隊にも共和国軍のシステムなど学べたら良いと思います。後日その件に関する協議の日程も考慮していく考えであります。それと食料や燃料の輸出に関してまもなく到着する海上自衛隊の輸送船に積み込む予定です。また、両国のことも情報共有したいです。ではそろそろ会議室に行きましょう。あの車に乗っていきます」
「了解しました」
と畠山新世界相はジェフリア外相を乗せ、輸送機に入れていた高機動車に乗って移動した。移動中、市民生活を観察し共和国はどのような国なのかを少しでも研究することが出来た。
共和国首都 外交会議室
第1回目結城との会議同様に山本と畠山新世界相は外交会議室にて会合を実施した。主な内容としては日本とグレーシス共和国との間での今後の協力関係とアメリカとの3ヵ国間での関わりである。
「では第2回会議を始めます。まずまだ話していなかった共和国と日本国の国家情報について共有したいと思います。よろしくお願いします」
畠山新世界相の会合開始の挨拶後に山本外交官が話を始めた。
「ではまず我が国・日本から話させていただきます。我が国は人口約1億2000万人、多くの島々がある国家です。そして政治制度では議院内閣制度としています。また、我が国の治安維持では警察29万人、そして自衛隊を保有しています。現時点での自衛隊は総兵力26万人です。内訳として陸上自衛隊17万人、海上自衛隊約4万人、航空自衛隊約5万人です。以前憲法9条という自衛隊に関する制約がありましたが異世界に転移したことにより日本国に危険が及ばないよう憲法9条の改正にこの10日間で成功しまし、我が国の正式な軍隊となりました。何か質問があればお答えしましょう」
「なるほど・・・これは興味深いですね。では私の方から我が国のことについて。我が共和国は人口2億3000万人を有する国家です。そして我が国の政治制度は内閣制度を取っており国民に主権がある民主主義国家です。その点は日本国と似てますね。そして我が共和国の軍隊は総兵力150万人です。陸軍80万、海軍30万人、空軍35万人、陸海合同軍5万人います。お手元の資料にあるのが我が共和国軍の装備一覧です」
山本と畠山は手元にある【グレーシス共和国軍 装備一覧】と記された資料に目を通した。資料に目を通してみると自衛隊の装備や実力に負けず劣らずであった。グレーシス共和国軍の戦歴を見てみると世界戦争や地方での紛争の解決に介入するなど各地で活躍していた。仮に自衛隊とグレーシス共和国軍が交戦した場合、引き分けになるかどうかである。
「有益な資料を見せていただきありがとうございます。これで両国の国のことは十分把握することができました。今後もお互い協力していきましょう」
「いえいえこちらこそです。とても日本国のことに興味が深くなってきました」
その後二人は笑顔で言い合った。そして次から本題となる
アメリカ合衆国 ホワイトハウス
山本外交官と畠山新世界大臣がグレーシス共和国へ訪問中の10日同日に結城外交官らはアメリカ合衆国に到着しジョーンズ大統領と久しぶりに会いホワイトハウスで会合を行った。
「お久しぶりです大統領。再び会えて嬉しいです。まさか合衆国が転移したとは思いませんでした」
「久しぶりだね結城くん。1年ぶりだね。ハワイ方面から話は聞いてるよ。日本もこの世界に転移してきたんだったね」
結城外交官はジョーンズ大統領と仲が良く、首相や外相がアメリカへ赴く際は付いていっている。たまにゴルフをするときもある。
「はい。そのため異世界を知るために最初にコンタクトを取ったグレーシス共和国と国交と平和友好条約を結びました」
「日本もグレーシスと接触したんだね。我々も共和国と条約を結んでいるため今度日程が合えば3ヵ国で条約を結ぼうじゃないか」
「それは良い案ですね。本国と共和国には伝えておきます」
そして結城外交官は大統領とあった後、アメリカ国防相のレッド=フランクとサムエル=マルティネス外務相とも面会した。その後大島総理にも電話で確認後、日米同盟が再締結された。
一方でグレーシス共和国でも食料や石油の輸出などまだまだやらなければいけないことは多いが異世界に転移してから1ヶ月、日本は問題なく外交を行うことができると思っていたが順調に上手くいくことはデキルノカハ不明であった。
そろそろ共和国と敵対する国家と戦争するかも?これからもよろしくお願いします




