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日米転生   作者: 照山
第9章 新戦争編
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9-101 攻防戦 1日目 -空の掌握-

8月24日、国際同盟軍はボルドー国首都への攻略を開始した。同盟軍の首都攻略に対する部隊の動員数は350万人にも及ぶ。350万人の内訳は自衛隊17万人、米軍20万人、グレーシス共和国軍18万人、アズール軍10万人、アコースティ軍7万人、武蔵連邦軍19万人、エルヴィス軍5万人となっており、同盟軍加盟国を足すと254万人が参加する大規模な軍事作戦が展開された。


国際同盟は24日~31日の1週間を首都攻略の期限とし例え延びる可能性がある場合は10日間の延長期間が設けられている。期限がある理由としてはボルドー国との戦争をいち早く終わらせたいのはもちろんのこと、両陣営の捕虜や市民が戦争反対などの暴動などを起こすかもしれないためである。


24日6:00


国際同盟空軍は航空自衛隊F35戦闘機や米空軍のF22戦闘機などを用いて首都の制空権の完全掌握と同時に周辺地域の制圧と拠点構築を開始するため特殊作戦軍も行動を開始した。また、ボルドー国の首都にあるミサイル発射拠点は根こそぎ破壊工作をされているため運用不可能な状況に陥っているためボルドー国側は空軍部隊が最後の希望としている。


「こちら《35-1》。敵首都上空に入った。これより制空権の制圧と敵首都に存在する10の空軍基地を破壊する」


『こちら《35-2》。了解。地上もしくは全方向からの攻撃に警戒せよ』


F35戦闘機の出撃数は40機、F22戦闘機の出撃数は25機となっている。制空権を掌握すればボルドー国の空は同盟側の手中になり、首都攻略中の上空からの爆撃などの攻撃を防ぎ、作戦を優位に展開することが可能である。


また、同盟空軍パイロット同士の呼び名はF35戦闘機の機隊長であれば《35-1(スリーファイブワン)》、F22戦闘機の機隊長であれば《22-1(ツーツーワン)》と表される。また、空軍司令部の呼び方は《S-A》と表されている。


「《22-1》より《S-A》へ。一つ目の敵空軍基地を確認。敵空軍戦闘機の出撃も確認した。これより近接戦闘(ドッグファイト)を実行する」


『《S-A》より全機へ。近接戦闘(ドッグファイト)の開始と敵戦闘機の全機撃墜を許可する』


「了解」


空軍部隊司令の《S-A》は1つ目のボルドー空軍の基地の破壊と所属戦闘機の撃墜を許可した。また、2つ目、3つ目以降の空軍基地が発見され次第早急な破壊を実行するよう求めた。


命令後、65機の同盟空軍戦闘機は日米の戦闘機を駆使してボルドー空軍の1つ目の基地・シュバイへ攻撃を加えた。ボルドー空軍の戦闘機も出撃し、空中戦が展開され2機の戦闘機が撃墜されたものの30機を撃ち落とし、全滅に追い込むことに成功した。また、基地や滑走路もろとも破壊を実行し石材へと変化させた。


「《35-1》より《S-A》及び全機へ。第2の空軍基地マルサの破壊を開始する」


『了解』


その後、夕方18:00までに同盟空軍部隊は首都にあるマルサ空軍基地、グレンデ空軍基地、フォスタ空軍基地、チョー空軍基地、ネーブ空軍基地、アスペク空軍基地、ワース空軍基地、デーン空軍基地、ビンズオ空軍基地に所属する戦闘機と空中戦闘を開始し、一進一退の攻防を続けた結果ボルドー空軍の戦闘機を全機撃墜に成功し、該当基地と司令部、滑走路、整備基地全てを根絶やしにした。


その結果、ボルドー空軍の継続戦闘能力は地の底に落ちた他、残存戦力もほとんど残っていない状態となった。また、この攻撃で7万5000人のボルドー空軍の軍人が死亡した。また、同盟空軍側は15機撃墜という被害を被った。


「《S-A》より全機、敵空軍の基地及び敵戦闘機の排除完了を確認した。24日18:00を以て敵首都の制空権の掌握をした。出撃中の諸君らは速やかに所属基地へ帰投せよ」


このようにして首都に配備されていたボルドー空軍は抵抗むなしく全滅という道を歩んでいった。まだ各地に空軍戦力は残っているが防空能力が手薄になってしまうため基地から放れることは不可能に近い。アスキー指導から命令があれば移動は可能である。


また、攻撃後の基地に明日以降に空挺降下を開始する計画が出されているが地上からの攻撃の可能性も捨てきれないため作戦開始1時間前に現地部隊に作戦実行の有無を伝える。


12時間に及ぶ空軍基地殲滅作戦は同盟空軍側の勝利に終わった。基地帰投後、被害状況の報告と整備員による機体に修理と点検、燃料補給が行われた。また、基地司令の桑原からは次回の出撃日や作戦内容が伝えられた。



制空権掌握作戦終了から2時間後の20:15


同盟陸軍第1陣13万人が首都内部への侵入を開始した。既に首都周辺はG7連合軍によって制圧されており、バリケードを破壊して首都内部へ侵入に成功した。首都内部に入ると武器を持った民間人が銃口を向けてきた。


「アスキー最高指導者とボルドー国の未来のために貴様らはあの世へ行けぇぇぇぇ!」


「それぇぇぇぇ!突撃ぃぃぃぃ!」


八丈島奪還作戦でも似たような現象が起きていた。考えうる限り彼ら彼女らはおそらく国から洗脳薬物が支給されたに違いない。武器を持った市民は狂った発言をしており、同盟軍の自衛官に飛びかかってきた。飛びかかってきた民間人を自衛官は「正当防衛!」と言いながら武装市民の動きを無力化させた。


「こちら《N-1》。発狂している武装市民の無力化した。これより首都各地の政府関連施設・軍事施設の制圧・占領を開始する」


「了解」


東西南北の方面から侵入を開始した同盟軍は東部方面を《E(east)》、西部方面を《W(west)》、北部方面を《N(north)》、南部方面を《S(south)》と統一した呼び名にしている。


しかし、18:30に開始された首都内部の侵入は民間人や出動したボルドー軍との交戦によって妨害を受け日を跨ぐ夜間での市街地戦闘が繰り広げられた。また、首都封鎖を容易に突破できたが首都のボルドー軍兵士は好戦的で休む暇も与えられなかった。夜間での市街地戦であるため敵味方の区別がつきにくく、同士討ちの可能性があるため警戒を怠ることは不可能である。


遂に開始されたボルドー国首都への侵攻作戦は国際同盟軍にとって果たして有利となるのかそれともボルドー軍による反転攻勢によって不利になるのか。この1週間は両者ともに絶対に譲れることは出来ない戦いとなる。

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