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日米転生   作者: 照山
第9章 新戦争編
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9-88 決戦 10

ボルドー国による首都封鎖が行われ、首都内への潜入が不可能になったことにより特殊作戦軍は困惑するかと思われたが違った。それはなぜかというと国際同盟は特殊作戦軍による活動終了後の首都封鎖を予想していたため多少の計画にズレは生じたが同盟が計画していたシナリオは現在滞りなく順調に進んでいる。


首都封鎖から一夜明けた16日15:30


特殊作戦軍による撤退に成功したのは昨日の15日7:00付近。アスキー指導による首都封鎖宣言は10:00。それ以降、ボルドー軍の動きは無かったため国際同盟は首都攻略作戦を立案し、安全保障会議で討論が行われることになった。


「ボルドー国首都への攻略に関して諸君らと意見を交わしたい。我々は現在、圧倒的な質でボルドー国を追い詰めている。彼らの手から白旗が上がるのももうすぐだ。つまり、首都攻略によるアスキー指導の逮捕と身柄の拘束を行い、ボルドー国を降伏させる。何か意見をある者はいるだろうか?」


「日本国の代表として意見がございます。私的にはボルドー国の首都攻略は賛成です。ですが非武装の民間人の対応に関してどのようにお考えでしょうか!」


「首都攻略にて同盟軍には非武装の民間人への攻撃は極力回避するよう呼び掛けています。仮に彼らが国民皆兵と叫んで武器を持った場合、我々は同盟軍兵の安全を守るため、同盟軍の理念と規定に則って武装市民への攻撃を行う予定です」


「ということは武器を持った子供にも銃口を向けるということですか!?」


首都攻略が展開された場合、同盟軍は身体保全のため武装した市民への無力化も実行しなければならない。また、武器を持った子供も排除しなければならない。


「そうなります・・・。ですが我々はここで彼らを食い止めないと最悪なシナリオを迎えることになるでしょう!ここは協力のほどよろしくお願いいたします」


「・・・分かりました。最後までよろしくお願いします」


同盟側が危惧している最悪なシナリオ。それは長期戦が展開し食料供給が逼迫するなど国民生活に影響が出たり、ボルドー国側による形勢逆転があった場合、それを対処しきれず撤退することだってあり得る。


また、結果的にこの会議で日本と同盟側のすれ違いが多少あったが首都攻略を実行することに関しては意見が一致し攻略開始目標日を8日後の8月24日とすることが決定した。意見の対立はあったが会議終了後に日本国の代表は会議長に非礼な態度があったということを謝った。


「問題ありません。逆に熱い討論が出来て我々も光栄です。意見の食い違いは誰だってあります。謝罪する必要はありません」


「了解です」


8月24日から始まる首都攻略作戦は大部隊を動員して行われるに違いない。首都攻略時には首都周辺にはおそらくボルドー軍が絶対防衛を敷いている可能性があるため最後の激戦地になるだろう。



17日1:20 ボルドー国 首都近郊 ミサイル発射基地


「見張り交代だ。お疲れ」


「了解だ。あとは頼んだ。それにしてもこの戦争はいつ終わるんだ?正確な情報も入ってこないし何が正しいのか分からなくなってきたぞ・・・」


「まぁそれもそうだな。だが今そんなこと考えても結果は変わらないさ。俺たちはアスキー最高指導者のために働か・・・おい、上見てみろ・・・!」


「あ?上?・・・逃げろ!!!」


ミサイル発射基地の見張り番交代時に会話を交わしていたとき、1人の見張りが上に何かが飛んでくるのが見えた。飛んでくる何かというのはもはや彼らにとっては分かりきっていた。


「ミサイルだ!敵からのミサイル攻撃だ!すぐに迎撃を!」


「ダメです!迎撃準備が間に合いません!仮に間に合ったとしてもすでにあのミサイルは着弾しているでしょう!ここは逃げましょう!」


「了解だ!すぐ逃げよう!」


しかし、猛スピードで迫り来る同盟軍のミサイルから逃れることは不可能であった。その結果、クラスター爆弾のように激しく爆発を起こし、ミサイル発射基地は更地と化した。また、基地に駐屯、脱出を試みた150人のボルドー兵は全滅した。すぐにミサイルが来たことに気づいた2人の見張りは命からがら避難することに成功した。


「こちらS地区発射基地。敵ミサイルによる攻撃で基地全体が被害を受けた。応答せよ!」


しかし、応答は無く、眼前に見えるのは大量の黒煙と燃え盛る炎であった。10分後に他の基地ではなく国防省から連絡が入った。


『S地区よりこちら国防省ミサイル軍統率部。10分ほど前の夜間における敵ミサイルによる攻撃は首都近郊に存在する70の基地が破壊された。また、首都内にもミサイル攻撃があり、首都防空の要である対空誘導ミサイルの使用不可能により制空権がまもなく崩壊する。諸君らの身の安全を考慮して避難を開始せよ』


「了解・・・。アスキー最高指導とボルドー国の未来に栄光あれ」


通信終了後、愛国心の塊であった2人の見張りは実家へ帰郷することになった。彼らの両親には事情が説明されていた。しかし、味方の死と破壊された基地の映像が脳裏に焼き付き、この2人以外にも戦闘恐怖症を患うものも少なからず確認された。



17日2:00 首都や近郊に設置されていたミサイル発射基地の攻撃を受けてアスキー指導は被害の状況を教えられた。


「首都近郊70の基地で5000人が死亡・・・夜間奇襲は私が最も嫌いな作戦だ。卑劣な行動としか思えない。我々も同様の処置を取り、断固たる姿勢を見せるぞ」


「了解です。すぐに準備を開始します」


それから1時間後の3:00、アスキー指導は国際同盟関連施設と各国の都市へミサイルを発射した。首都攻略開始まで残り1週間となり戦線も最終段階に入るだろう。

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