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日米転生   作者: 照山
第9章 新戦争編
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9-87 決戦 9

「我々、ボルドー国首都警察です。巡回に参りました」


その一言にアパート内の30名の特殊作戦軍の隊員はバレたらどうしようという冷や汗をかいていた。幸い、リガー特殊作戦軍基地からの司令の通達では見つかった場合の武器の使用が認められている。


また、このような経緯となった理由としては14日に行われた特殊作戦軍によるボルドー軍のミサイル発射基地への破壊工作がバレたことによりボルドー国政府と指導府は首都に厳戒体制を敷き特殊作戦軍の身元などの特定を急いでいたことによる首都警察の巡回である。


「〈武器隠せお前ら、奴等が来たぞ〉」


「〈了解〉」


首都警察が来たことによりドアの前にいる《Y》は部屋の中にいる特殊作戦軍隊員以下29名に武器など国際同盟軍に関する物を全て隠すように言った。全て隠したという手の合図を受け《Y》は扉を開けた。扉を開けると2名の男性と2名の女性のボルドー国首都警察官が立っていた。


「お待たせしてすみません。今回はどう言った理由で?」


「今回我々は工作員の身元を特定するためあらゆる住居内部を調べるためにやって来た。君らはこの大きいアパートに住んでいるようだが隠している物は無いか?」


いきなりの質問で心の中で慌ててしまっていたが挙動不審の素振りを見せると怪しまれるため特殊作戦軍で鍛え抜いた精神力を武器に毅然とした対応を《Y》は見せていくことにした。また、万が一に備えて拳銃を懐に入れている。


「ありません。我々が怪しまれる行動をしたということで間違いないでしょうか?」


「我々は人々を疑いたくないのだがこのような状況である以上、そうせざるを得ない。取り敢えず中を見させてもらうがよろしいだろうか」


「どうぞ」


4名の首都警察官はまず玄関を調べた後に30名の特殊作戦軍で隊員が飯を食ったり作戦報告内容を話し合ったりしている共有スペースをくまなく調べた。


「協力感謝する。怪しい物は無かったか?」


「ありませんでした」


「こっちもありませんでした」


「そうか・・・」


全隊員は通信機器や小銃などを全部隠したことにより首都警察官に怪しまれずに済んだ。しかし、玄関から外へ出ていくまでは気が抜けない状況である。


「どうでしたか?」


「特に怪しい物は無かった。しかし、君たちが怪しい行動をするならば我々は容赦しない。適切な行動を心がけるように」


「はい」


「それでは巡回を終了する。お前ら行くぞ」


「了解っす!」


共有スペースの扉を開ける前に首都警察官はある物を見つけた。彼が見つけたものは小型通信機であった。《Y》は手から汗が大量に出てくるのを感じた。


「これは・・・」


するとタイミングの悪いことに基地から通信が入った。本当にタイミングが悪い。


『基地より《Y》へ。本日の報告を開始せよ』


「(やべ・・・バレてしまう)」


「基地・・・状況報告・・・そうか・・・お前らが!」


バレてしまった。バレた以上はこの場にいる首都警察官を排除しなければならない。


「総員!敵を排除せよ!」


「貴様ら!ぐぁぁ!」


《Y》の命令により首都警察官4名は特殊作戦軍が隠していた拳銃によって身の安全確保のため射殺された。射殺後、4名の首都警察官の死亡を確認後に遺体を安置した。また、敵に位置がバレてしまったためこのアパートを放棄することを決定した。


「こちら《Y》。緊急事態発生。先程の通信により敵に位置情報がバレた可能性がある。大至急避難を開始する」


『了解。先程は申し訳ない。そして避難に関して警戒すべきことがある。大人数で行動せず3~5人の少人数で動くようにせよ。以上だ。安全を祈る』


その後、通信機器を撤収させ全ての私物を片付けて3人10組を作ったあと別々に分かれて動くようにした。怪しまれないよう迷彩服ではなく自分の持っている私服に身を纏い首都脱出を試みた。


「《Y》さん、やはり門番らしき人物が4名立っています。片付けますか?」


「今は周りに誰もいない。敵が来る前に脱出するため速やかに排除せよ」


「了解。行くぞ」


門番らしき人物が4人いるため25式散弾銃を用いた。


「動くな。持っている武器を降ろし両手を頭の後ろに回せ!」


「何だお前ら!その武器を降ろせ!降ろさないと射つぞ!」


脅しにも屈すこともなく1名の特殊作戦軍隊員は25式散弾銃による門番の排除を試みた。これにより4名の門番の死亡を確認後、集合した30名の特殊作戦軍隊員全員が怪我することなく首都からの脱出に成功した。


「《Y》より基地本部および司令へ。敵首都からの脱出に成功。敵による妨害が確認されたため8名の敵が死亡した。これより速やかに基地へ帰投する」


『了解。警戒して帰投せよ』


その後、全方向に散らばりながら当たりを警戒してリガー基地へ戻っていった。道中、ボルドー軍と遭遇し銃撃戦が始まるかと思ったが戦闘にはならず通過していった。そして基地到着後、首都内部の構造と首都警察官の存在、政府に対する国民感情などについての結果報告を実施した。



ボルドー国 指導府


「指導!大変です!」


「どうした!何があった!」


「巡回中の首都警察官が射殺されたという報告が入りました!」


「何!?それは何時くらいだ!」


「今が15日の9:15・・・およそ2時間前の7:00かと!」


アスキー指導は工作員による首都警察官の射殺だと断定した。


「それで敵は!?捕まえたんだろうな!?」


「それが・・・見張りまでをも射殺し脱出したようです」


「くそ!」


アスキー指導は机をドンと叩き怒りの感情を出した。


「いかがなさいますか指導、我々としては敵基地を速やかに見つけ出さなければ同じ轍を踏んでしまうかもしれません」


「分かっている。これより首都封鎖を実行する。食料などの輸出入については引き続き実行するがそれ以外の首都への立ち入りを禁止する!」


「りょ・・了解しました!」


その後、ボルドー首都では封鎖宣言が発令され貿易関連以外の一般人の立ち入りを禁止した。また、アパートではボルドー軍による立ち入り調査が行われた。また、8月も半分が経過しボルドー国には焦りが見え始めていた。

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