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日米転生   作者: 照山
第9章 新戦争編
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9-86 決戦 8

8月14日、ボルドー国との総力戦開始から2週間が経過した。5日前の9日に米軍単独による産業都市・ノルジ陥落によってボルドー国の農林水産業は大きなダメージを負った。ここまで劣勢となればアスキー指導は更に軍事的行動のエスカレートが予想される。


10日~13日にかけてボルドー国は各地で小規模な戦闘を繰り返していた。10日には択捉島に奇襲上陸を開始し一時的に択捉島を占領したが補給線を失ったことにより自衛隊によって撃退され島内に上陸した3000人のボルドー兵は集団自決し、わずか8時間で戦闘は終了した。対した自衛隊側の損失は150名が殉職し7両の高機動車が破壊された。


11日はハワイにボルドー空軍の7機の戦闘機と5機の爆撃機が飛来した他、ボルドー空軍輸送機による空挺が行われたが米軍側に攻撃開始時間・攻撃地点・派遣兵士数・何機飛来するかなどのボルドー空軍側の情報を全て掴んでいたため対空ミサイルによる攻撃で12機の戦闘機と爆撃機を撃墜し、10機の輸送機から降下したボルドー兵500人を地上からハエ叩きのように殲滅させたことにより各地で部隊の全滅が起きていた。


昨日の12日には国際同盟安全保障会議による対ボルドー国方針会議が開催され、8月17日にボルドー国に対してワシントン宣言を宣言し、無条件降伏を要求し黙殺の場合然るべき処置を取る方針を示した。また、ワシントン宣言から3日後に首都攻略を実行し1週間以内で攻略完了を目指す方針を示した。それ以外では降伏後のボルドー国の統治方法・アスキー指導を含めたボルドー国政府関係者の処分・軍事施設の接収・インフラ整備・軍の解体と武装解除などについても話し合われた。



14日19:00

そして現在、ボルドー国は3度目のミサイル発射を開始した。しかし、発射装置が正確に起動せず発射までに遅れが生じた。発射開始の約3時間前、指導集会により基地から離れていた隙に何者かが発射基地に侵入していた。


「こちら《ハンターW》。敵発射基地内部に侵入。敵兵は確認されていない」


『《ハンターW》以下10名へ。報告を受け取った。敵は現在集会場でこの国の最高指導者の集会に参加している。敵がいないとはいえ警戒は怠るな』


「了解!」


国際同盟軍の特殊作戦軍によるミサイル発射基地への工作が開始されていた。警備の目を盗んだ完璧な侵入であったため容易く侵入することに成功した。しかし、基地内部は迷路のように複雑であるため入るのは簡単だが出るのは難しい。また、一歩道を間違えて迷ってしまったら複雑である以上、脱出成功の確率は減少する。


「こちら《ハンターW》。敵ミサイル基地の制御システムの破壊に成功。これより基地から脱出する」


『了解。敵基地の構造は極めて複雑だ。迷わず敵に見つからずに脱出せよ。無事を祈る』


特殊作戦軍の工作員はボルドー軍の各地のミサイル発射基地に侵入後、ミサイルの発射プログラムの改竄と制御システムへの侵入とセキュリティの破壊を実行した。任務完了後、103のミサイル発射基地から工作員1000人が任務を無事に完遂した。


「《ハンターW》より軍司令へ。敵発射基地からの脱出に成功。これより基地へ帰投する」


『基地司令より現在活動中の全工作員へ通達。帰投中の敵との接触は極力控えるよ。万が一接敵した場合、自己の防衛のため射撃を許可する』


「了解!」


その後、最大級の警戒をして特殊作戦軍の本拠地が置かれているリガーへと無事帰ることが出来た。しかし、別の地点にて工作員がボルドー兵との交戦により4人が殉職したものの接敵したボルドー兵を排除したという報告があった。


「トラブルはあったが何とか成功して良かったな」


と特殊作戦軍軍司令の浅野は安堵の表情で通信を終了した。


そして今に至る。まだ工作員による破壊工作が行われたということに気づいていないボルドー軍側はミサイル発射が出来ないことに不満を露にした。


「システム回復急げ!どうしてこうなったんだ・・・!」


「発射長!本基地と102の発射基地に何者かが侵入したという情報がありました!同盟軍による破壊工作と見て間違いないでしょう」


「そうか・・・とうとう工作員がお出ましか・・・!総員、敵工作員の根城を特定し速やかに殲滅せよ!」


「了解!」


その後、大慌てで特殊作戦軍の本拠地の特定と殲滅行動を開始した。行動開始後、アスキー指導にも報告を行い、追加の捜索部隊が派遣された。また、アスキー指導は首都内部にも敵が紛れていると予想し、首都の出入りをする者を厳しく警戒した。


出入りが厳しくなったことや首都内部の警戒が強まったことによりコードネーム《Y》を含めた30人の特殊作戦軍隊員は借りたアパートから出られずにいた。


「こちら敵首都内部の《Y》だ。リガー特戦軍基地へ。首都内部の警備強化と出入りの制限により外部へ出られなくなった。応答求む」


『リガー特戦軍基地より《Y》以下全隊員へ。ボルドー国の警戒が強くなったという報告を受け取った。現時点で依頼任務は無いためスパイ容疑としての逮捕を回避するためアパートで待機せよ。2週間以内に救出へ向かう』


「了解。救援感謝する」


通信終了後、《Y》を含めた30名は翌日以降の行動の制限と食料確保等について意見を共有した。救援は再来週とのことであるが来ないよりはありがたい。気長に待つとするにしようと考えたその時、来客を告げる音が鳴った。《Y》は恐る恐るドアの覗き窓に顔を近づける。


「はい!どちら様でしょうか」


「我々、ボルドー国首都警察です。巡回に参りました」


ボルドー軍首都警察という言葉に冷や汗をかいた。我々が敵であるとバレたらタダでは済まないと思う。残り数十日、耐えられるかどうか我々の訓練の成果と実力が試される。

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