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日米転生   作者: 照山
第9章 新戦争編
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9-84 決戦 6

同日、ボルドー軍による3日ぶりの軍事行動が確認された。特殊作戦軍の初動任務終了後に約7000発のミサイルが発射されたという情報が入った。そのためバンジ共和国のリムー基地から40機の同盟軍と共和国空軍の戦闘機が離陸し、警戒活動とミサイルの撃墜任務に取りかかる。


「目標捕捉。これより敵ミサイルの撃墜を試みる」


『了解。しかし、発射出来る迎撃ミサイルは弾の温存のため2発までとする』


発射可能ミサイルが2発である理由はバンジ共和国は1ヶ月前に成立した独立国家であるためまだ軍事力の整備が追い付いていないことと空軍戦力の拡大中であることが理由である。そのためミサイルの節約が求められているのである。しかし、それでは7000発のミサイルを迎撃することが出来ないため撃ち落とせる範囲で撃墜させる。


「本機より発射の迎撃ミサイル、敵発射ミサイルに命中!」


「こちらも敵ミサイル迎撃に成功!上限の2発を発射したため基地へ帰投する!」


「了解。全方向に警戒し帰投せよ」


全発の迎撃に成功することは出来なかったが100発のミサイルを撃ち落とすことに成功した。また、発射された7000発のミサイルの内、15発がバンジ共和国に飛来した。15発のミサイルの飛来により共和国沿岸都市のバンクーに6発のミサイルが着弾し壊滅的な被害を被った。また、首都バンジにも5発のミサイル、残りの4発のミサイルがリムー基地に着弾し第1・第4滑走路が使用不可能となり13機の戦闘機が被弾した。


「消火活動開始!速やかに鎮火しろ!」


「被害状況報告!」


「了解です!今掴めている範囲ですと40人が死亡、130人が重軽傷との情報が入りました」


「分かった。引き続き警戒にあたれ」


リムー基地に13:00に離陸から1時間後の14時にミサイル攻撃があった。また、16時には死者は130人に上昇し最終的に300人以上の共和国民が死亡、570人が負傷する被害を被った。


この攻撃を受けてバンジ共和国のリュー代表は怒りの声明文を発表し厳しい軍事的制裁を加えることを宣言した。会見にて彼はこう発現した。


「愚かなる我々の故郷・ボルドー国はもはや故郷ではない。我々は非人道に反するボルドー国の行動を正すためボルドー国を火の海にすることをここに宣言する!」


この発言により国際同盟は支持の姿勢を示したが同様に自制を求めた。現在ボルドー国の首都には多くの同盟軍が活動しているため注意して行動せよという命令が出された。独立以後、バンジ共和国はあまり動いていなかったがここに来て積極的に動いてきた。共和国の彼らにとってボルドー国に対してどれくらい反感を持っているかが伺える。



8月8日、0:30。日付が変わったこの時間にボルドー国が発射した6900発のミサイルが各国に降り注いだ。日本に700発、アメリカ合衆国には1300発のミサイルが降り注ぎPAC3やPAC4を用いても全弾を撃墜することは不可能であった。


日本国 首相官邸


「総理!速やかに地下へお逃げください!ミサイルが来ます!」


「分かった!すぐに緊急対策室へ!」


首相官邸にミサイルが着弾する可能性が出てきたため大島総理らは核兵器でも破壊することのできない地下の緊急対策室へ避難した。ここは以前にも使用した部屋であるため行くことには慣れている。


「我が国に接近するミサイルはこの700発のミサイルです。すでに100発以上が北海道に落下しましたが97発を太平洋側でイージス艦とPAC3,4による攻撃で防ぐことが出来ましたが3発が旭川に着弾しました。また、東北地方に1:30、関東に2:00、中部地方に2:10、近畿中国地方に3:00、四国九州地方に3:30、奄美・沖縄地方に5:00に着弾する予想となっています」


「迎撃のためのPAC3やPAC4のミサイルの在庫はあるのか?」


「かなりギリギリの状況です。今は何とか耐えれてますがこれがずっと続くとなると厳しい状況です」


「そうか・・・現時点で我々は敵によって破壊されている状況にある。特殊作戦軍からようやく来た情報もあまり手応えを感じられなかったしどうしたものか・・・」


大島総理は考え込んだ。ボルドー国によって自国が無慈悲にも破壊されていっている状況に指をくわえて見ることは不可能であるのは承知の上である。打開策を考えながら指揮を取っているとミサイルの接近警報が鳴り響いた。


《ミサイル接近。ミサイル接近。まもなくミサイルが着弾します》


そして2:16。転移して初めて政府関係施設でもある首相官邸が攻撃を受けた。攻撃を受けたとしても直撃ではなく官邸周辺であった。とはいっても衝撃は凄まじく緊急対策室にも振動が届いた。


「激しいな・・・被害状況は?」


「現時点で死者・行方不明者は確認されていません!」


「そうか・・・避難勧告出しておいて良かったな・・・」


「はい!」


大島総理は8月以降の戦局が激化することを警戒して被害が出そうな地域の住民に対して避難を強制した。そのため今回の攻撃では建物の崩壊のみで済んだ。


「総理、話は変わりますが本日上陸部隊の主力部隊がボルドー国に上陸します」


「了解した。しかし今はミサイル関連の情報を見逃すな」


「分かりました!」


その後、立て続けにミサイルが日本全国各地に飛来し、迎撃を遂行したが撃ち落とすことが出来なかったミサイルは20発に上る。しかしそれ以外は全て撃ち落とせたため第2の山を越えたが第3・第4の山場があると予想されるため引き続き警戒していく。


「23日後、ボルドー国の歴史に幕を閉じれるようにしたいな」


大島総理は各地にて迎撃任務を遂行している迎撃部隊に感謝の文面を送ると共にボルドー国の今後について考えていた。ボルドー国にはもう未来は無いと。

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