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日米転生   作者: 照山
第9章 新戦争編
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9-77 国際機関への打撃

7月30日、ボルドー国は指導府への攻撃の報復措置として国際同盟本部へミサイル攻撃を実施した。ボルドー軍がこれから実施する作戦は国際機関への攻撃であるため猛批判を浴びるだろう。しかし、劣勢の状況である以上ボルドー国と軍はあらゆる手段を用いなければ優勢にたつことは不可能である。


ボルドー国 東北部 ジェン第44ミサイル軍基地 第1発射台


ジェン第44ミサイル軍基地の第1発射台では攻撃準備が進められていた。アスキー指導は第44ミサイル軍に攻撃許可を出した。


『ボルドー国指導の名を持って国際同盟本部への攻撃を実施する。国際機関への攻撃は国際法禁止されているが我々にとってそのようなものはただのお飾りとしか認識していない。これより第44ミサイル軍全隊員へ命令を下す!目標を国際同盟本部へと定め攻撃を開始せよ!』


「了解であります!アスキー最高指導者のために精一杯作戦を遂行させていただきます!」


『うむ。君たちは何も心配する必要はあるまい。全ての責任は我々政府が負う。また、国際機関への攻撃で世界各国から猛批判または強力な軍事的制裁が課されるだろう。しかし我々は臆すことなく任務を遂行する。諸君らも目の前の任務に集中せよ』


「はっ!ボルドー国の戦後の更なる繁栄を祈ります!では失礼いたします!」


アスキー指導との通信終了後、やり取りしていた基地司令官のドルト・ハンソンは発射台へ赴き指示を出した。


「総員に告ぐ!アスキー最高指導者様より直々にお言葉をいただいた!最高指導者様に素晴らしい報告が出来るよう各員一層努力せよ!」


「了解!」


「総員!目標を国際同盟に定め瞬間散弾ミサイルを用いて敵施設を破壊する!発射用意!」


「発射用意完了!いつでも行けます!」


「全発射台!射っ!」


「射っーー!」


ハンソン基地司令の命令により第1~第15のミサイル発射台から30発の瞬間散弾ミサイルが発射された。瞬間散弾ミサイルは目標に着弾した際に瞬間的に目標を破壊するミサイルとなっている。万が一国際同盟本部へ着弾すれば完全に崩壊するだろう。


発射後、設置されたモニターには30発のミサイルの位置情報が表示されていた。ジェン第44ミサイル軍基地から国際同盟本部までの距離は地球世界で例えると日本とアメリカとの距離感覚である。国際同盟本部まで到達までに8時間を要するため同盟側に迎撃の準備が整えられる可能性がある。


「司令!本基地より発射のミサイル、順調に敵施設への軌道となっております!」


「到達時刻は?」


「現在7月30日11:00、放たれたミサイルが目標までに到達する予想時刻は本日19:00以降となるでしょう!」


「了解。アスキー指導に良い報告が出来るようにしなければならないからな。失敗は許されない!」


「はっ!もちろんであります!」


ボルドー国から発射された30発のミサイルは放物線を描いて国際同盟本部へと飛行して行った。同盟側は迫り来る驚異(ミサイル)の完全撃破に成功するのか否か、その実力が試される。



30日18:00 ヴェルディ連邦共和国 国際同盟本部 緊急対処室


ボルドー軍から30発のミサイルが発射されたことは把握しているが本部が目標とは予想していなかった。国際同盟にある緊急対処室では本部または支部への攻撃の可能性がある際に使用する部屋であった。


「敵発射のミサイルの位置情報と予想軌道が判明!」


「確認せよ!」


緊急対処室の伊地知哲室長は位置情報調査官のエドガーに確認を求めた。


「これは・・・!報告します!敵発射のミサイルの現在地は本部より20km北東を飛行中!そして予想されるミサイルの軌道がここです・・・」


「何!?到達予想時刻は?」


「1時間後以降かと思われます!」


「了解!本部駐屯の防空部隊に出動命令を!」


ミサイル攻撃が国際同盟本部へ発生するという情報を受けて同盟本部で勤務中の全ての職員が本部外へ避難した。しかし緊急対処室は地下にあるため地中貫通攻撃を受けない限り安全である。


「まさか国際機関を攻撃するとは・・・とうとうやりやがったな・・・」


「司令!ヴェルディ連邦軍より連絡が入りました!【同盟本部の防空のため我が連邦軍の防空軍の出動が決定した。これより厳戒体制に入る】とのことです!」


「了解。防空部隊へ通達。ミサイルの接近及び迎撃に備えよ」


『こちら同盟本部防空隊。所定の位置に到着した。いつでも迎撃は可能である』


そして厳戒体制が敷かれてから1時間後の19:15。30本の光の矢が同盟本部へ突っ込んでいくのが見えた。夜間であるため昼ぐらいの明るさとなった。


「敵ミサイルを確認!迎撃開始!」


「射っ!!」


同盟本部に駐屯していた同盟軍の防空ミサイル部隊から迎撃ミサイルが発射された。発射された30発のミサイルは次々と命中していくが3発のミサイルの迎撃に失敗した。3発のミサイルの迎撃失敗により同盟軍本部東駐屯地、本部最上階、入り口前に着弾し大爆発を引き起こした。その結果、衝撃により同盟本部が傾き、全ての窓が割れてしまった。


本部着弾から10分後、大きな揺れを観測した緊急対処室では被害状況の確認の対応に追われていた。本部の全職員は避難しているため同盟関係者の人的被害は無かったが同盟軍本部の東駐屯地所属隊員全員の死亡が確認された。


「状況報告!30発の敵ミサイルの迎撃作戦にて27発の迎撃に成功!3発のミサイルの迎撃失敗により東駐屯地、入り口前、最上階に着弾し、大規模な火災も発生!現在消火活動中です!」


「了解!東駐屯地の被害報告は!」


「西駐屯地の被害は確認されていませんが東駐屯地からの通信なしにより我々は全滅と考えられます!」


「そうか・・・もうここも使い物にならないかもしれん。上からの命令を待とう」


このようにしてボルドー軍による国際同盟への攻撃は同盟側の失敗に終わり東駐屯地所属隊員800名が死亡した。また、本部が不使用になってしまったため同盟本部長はグレーシス共和国に国際同盟の機能を移転した。また、緊急対処室員全員もグレーシス共和国に移動したがこの攻撃は瞬く間にニュースが拡がり大きな関心を寄せた。


両者が8月1日から始める総攻撃まで残り2日となったがここでボルドー国が劣勢を覆すかのように大きなアクションを起こした。本部機能をグレーシス共和国に移した彼らは31日に決戦前日の最終会合を実施する。

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