9-80 決戦 2
8月2日2:00、ボルドー軍と同盟軍との総力戦が開始された。初日はアスキー指導は交戦国の都市に対してミサイル発射を決断し5千発のミサイルが発射された。夜間奇襲を仕掛ける両者の行く末はどうなるのか注目である。
ボルドー軍 ミサイル軍総司令部
アスキー指導はミサイル軍の統率を行う総司令部に向かい各基地の部隊に対して命令を下した。
「ボルドー国の最高指導者として今後の我が国の繁栄のため稼働中の全てのミサイル発射基地へ発射命令を行う。我が国のミサイルを用いて敵国を捻り潰せ!」
『了解であります!ボルドー国の繁栄のために!』
アスキー指導の命令により5千発のミサイルが放たれた。放たれたミサイルの発射数は1万発であるため発射後の明るさは尋常じゃない明るさであったため同盟海軍艦隊からも目視することが出来た。目視していた同盟海軍艦隊は残りの迎撃弾の残弾が足りなくなってしまうため攻撃することはしなかった。
「(始まったっていう気がするな・・・頼む・・・全部撃ち落としてくれ・・・!)」
護衛艦「ふくりゅう」から目視でミサイルの行方を追っていた大竹司令は同盟国すべてのミサイル迎撃を祈った。また、大竹司令は今のミサイル発射で作戦を変更し夜間奇襲は行う時間を8月3日の1:00に変更となった。理由としては整備や燃料補給、負傷兵の手当てと搬送などを行うのに時間を要するため焦らしていくスタンスを取った。
「「ふくりゅう」司令より全艦へ。ミサイルの事は今は忘れよ。今は目の間の敵艦に集中せよ。また、攻撃時間を8月3日深夜1時とし、一時プジョー島に帰還する」
『了解。全艦、対空・対潜警戒を厳となせ』
その後、同盟海軍艦隊は少なくなってしまった迎撃ミサイルの補充と艦の修繕や燃料補給などを行うためプジョー島の基地に帰還した。帰還後、大竹司令は19時に再出撃を行い敵艦隊を駆逐することを決定した。また、大竹は休めるうちに休みを取れと各隊員らに命じた。しかし、休もうにも発射された1万発のミサイルの行方が気になってしまってしょうがなかった。
日本国 静岡県静岡市
「おい!あの光は一体なんだ!ミサイルか!」
「みんな逃げろ!逃げろ!」
8月2日2:00にボルドー国から発射された5千発のミサイルのうち600発が日本周辺に飛来した。早朝ランニング中に急に空が明るくなったため空を見上げると8本の光の矢に身の危険を感じたがもう遅かった。また、ミサイルのスピードが高速であったためJアラート・国民保護情報の発信が遅れた。
2日5:40、静岡県静岡市にボルドー国が発射したミサイルが8発着弾した。伊豆駐屯地や浜松駐屯地、沼津駐屯地に配備されていたPAC3やPAC4による迎撃が開始されたが3発を撃ち落とすことができず静岡市、熱海市、御前崎市に着弾した。
それから1時間後の6:40。東京23区、八王子市、千葉県銚子市、成田市、木更津市、千葉市、神奈川県横浜市、厚木市、横須賀市、鎌倉市、埼玉県さいたま市、大宮市、上尾市、秩父などにミサイルが何十発も命中した。被害としては以前のボルドー空軍爆撃機特攻の威力はないがミサイルであることには変わらないためある程度の被害は出る。
最初のミサイルが発射され、静岡に着弾してから8:00。大島総理は首相官邸地下の緊急対策室に向かい被害状況やリアルタイムの情報を入手する。
「被害状況は!ミサイルの数は!すぐに把握しろ!」
「総理!国際同盟軍プジョー島からの報告によりますとボルドー国から1万発のミサイルが発射されたという報告がありました!」
「5千発!?それが我が国に向かっていると?!」
「違います!米国やグレーシス共和国にも向かっています!」
「了解!全国の基地に配備されているPAC3,PAC4を運用する部隊に対して緊急行動を命令せよ!」
しかし、PAC3,PAC4ではボルドー国のミサイルを撃墜することは可能ではあるが失敗する可能性もあるのである。生半可な気持ちでやることは現場部隊・指揮官にとって失敗は許されない。
「総理!山形県山形市、新潟県佐渡市、上越市、富山県富山市、黒部市、石川県金沢市、輪島市、能登市、福井県福井市、鯖江市にミサイル攻撃を確認!PAC3,PAC4に迎撃で日本海上で40発を撃墜できましたが10地点に2発ずつの計20発が落下しました!」
「何とか出来ないのか!」
「5千発もミサイルを発射された以上我々は迎撃に努めるしかありません!」
「了解。国民の命を守るため我々もやれることは全てやる」
その後、京都府京都市、奈良県奈良市、三重県伊賀市、津市、志摩市、伊勢市、和歌山県和歌山市、滋賀県大津市、長岡市、兵庫県西宮市、神戸市、大阪府堺市、岸和田市、大阪市などにもミサイルが命中し火災や建物の崩壊が発生する被害が発生した。
「接近中のミサイルは残り何発だ!」
「確認中です!もう少しお待ちください!」
9:00の時点で日本全国30の都市でミサイル攻撃を受けた。発射されたミサイルはアメリカやグレーシス共和国などの全ての同盟国加盟国に対して放たれたためかなりの被害が出ることが予想される。日本国内ではもうすでに400人が負傷し、1200人が死亡する被害が出てしまっている。大島総理にとってこの1ヶ月は彼の【決断】が求められる。




