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日米転生   作者: 照山
第9章 新戦争編
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9-71 来訪者

7月19日、ボルドー国は国際同盟及び全交戦国に対して捕虜交換に関する声明を発表した。ボルドー国の声明に全世界は注目した。


「親愛なる者たちへ我々から発表がある。我々は明日7月20日12:00から全交戦国の捕虜の一部を交換する意思を今示す。現在我が国には10万以上の捕虜が存在する。我々は正義と人道保護の名目のもと国際同盟及び全交戦国に対する声明とする」


アスキー指導はボルドー国が交戦中の国の捕虜に対して捕虜交換を要求する声明を発表した。彼の声明文の中にある人道保護の名目や正義などに言葉に各国首脳は【矛盾】と非難したが国際同盟は声明発表から30分後に緊急総会を開催した。



国際同盟本部 緊急総会


「先ほど30分前に発表されたボルドー国が保護している捕虜の交換に関して我々はボルドー国の要求を受け入れる考えを持っています。反対意見を持つ方はいらっしゃいますか?」


「バンジ共和国のジャオンです。私はボルドー国の発言に違和感を覚えました!」


ボルドー国のアスキー指導の声明内容に疑心暗鬼しているのは正義やら人道保護を主張しているが実際はしていないと断定している。また、バンジ共和国はボルドー国からの独立国であるため独立前に行ってきたあらゆる行為を彼らは知っている。


「詳しく聞かせてください」


「了解です。我が共和国はボルドー国から独立した国であることは承知の上で話をさせていただきます。私はリュー代表はボルドー国の捕虜収容施設にて多くの捕虜に対して人体実験や八丈島で使用された新薬等を強制的に使用させ効果を検証するなど声明とは反する行為をしていました。捕虜交換には賛成ですが我々は彼らを許すことはいたしません!以上です」


ボルドー国は同盟軍捕虜の生命・財産・尊厳が奪われていることが発覚し総会長はさらに詳しく尋ねた。


「人体実験というのはどのようなものなのですか?話せられる範囲でお願いします」


「ボルドー国が行った捕虜に対する人体実験というのは先ほど話した新薬を無理やり飲ませどのような症状が発生するのか等を検証したり・・・すみません思い出すのが怖いほど凄まじい現場でした・・・話せるのはこれくらいです」


「分かりました。気分が悪ければ退室して構いませんよ?」


「いえ大丈夫です。ボルドー国と地理的に近いのは我が国くらいですので責任を果たさなければなりません。続けてください」


ジャオンは自分の目で見たボルドー国軍人が捕虜に対してした行為を思い出し、気分が悪くなったかと思われたが退室しなかった。その後、国際同盟は緊急総会にてボルドー国の捕虜交換要求を受け入れる方針で決定した。また、国際同盟側もボルドー国軍の捕虜を一部を引き渡すことで一致した。


「これにて緊急総会を終了する。我々は引き続きボルドー国に対し厳しい対応をしていくことには変わらない。以上」


このようにして緊急総会は終了した。国際同盟はボルドー国が捕虜を正式に扱えているのか否か疑いを持ちながら捕虜交換日当日となった。また、捕虜交換当日の20日は一日のみ停戦が行われいかなる戦闘を行った場合は当事国が責任を取る。



7月20日 12:00 日本国 成田国際空港


ボルドー国が捕虜の一部を返還することにより日本政府は自衛隊が保護したボルドー兵160名を返還することが決定し、ボルドー空軍輸送機を待った。


「総理、彼らは果たして捕虜を連れて帰させるのでしょうか?ボルドー国のことですのであまり信用していません」


「ボルドー国のやることは何してくるか我々にも見当がつかない。しかし、捕虜が関わってくると人道的保護をしなければならいため彼らはきちんと送ってくるだろう。それにこの警備態勢ならば向こうも何かアクションを起こすことは不可能であろう」


捕虜交換を行うためボルドー空軍の輸送機と護衛戦闘機が飛来するため万が一の状況に備え地上にはPAC3,4、27式迎撃ミサイル、コブラ等が配備され、上空ではF15戦闘機が警戒活動を行い飛行空域設定した他、洋上ではイージス艦が警戒活動を行うなど厳重な警備を敷き、民間人の立ち入りも禁止した。


「総理、ボルドー空軍輸送機が到着したようです」


「分かった。すぐに滑走路へ向かおう」


その後、大島総理は武器を携行した完全武装の陸上自衛官の護衛の元、輸送機が着陸した第1滑走路へ向かった。第1滑走路に着くとボルドー空軍輸送機が3機、護衛戦闘機が18機の計21機のボルドー空軍の航空機が日本の地に降り立った。開戦以後、交戦国の軍人が敵対国に降り立ったのは初である。


輸送機から降りてきたのはなんとアスキー指導であった。アスキー指導の登場によりざわついたが大島総理は握手を一応交わした。


「日本国総理大臣の大島だ。本日は捕虜返還に感謝する。今日は停戦期間中であるが我々は停戦解除後断固たる対応をしていく。その事だけは覚悟しておいてもらいたい」


「ボルドー国最高指導のアスキーだ。私は初めて日本国の地に足を踏み入れたが占領したらとても良い好条件な立地だと理解している。戦後貴国らの運命がどうなるか楽しみだ」


大島総理はアスキー指導の発言に対して物申そうかと思ったがここで怒ってしまえば思う壺である。冷静を装い捕虜返還へと移った。


「これより捕虜交換を開始する。我々は開戦以後獲得してきた200名の日本人捕虜を返還する。衣食住の提供はしたものの行き届かない捕虜もいたため貴国の医療設備で回復させたまえ。では貴国らが獲得した我が国の捕虜を返してもらおう」


アスキー指導は輸送機内から出てきた200名の自衛官の身柄を日本政府に引き渡した。今後捕虜となった自衛官らは自衛隊千葉・中央・大宮・水戸にある自衛隊病院や日本大学病院、東京国際病院に搬送され身体検査等を受ける。


「我々はこれよりボルドー国軍の捕虜を返還する。我が国は貴国と違って最高級の衣食住を提供した。もう一度言う。最高級の衣食住を与えた。ボルドー兵160名を貴国に返還する」


大島総理はアスキー指導に煽るかのように捕虜を返還した。ボルドー兵は一列に並びアスキー指導に敬礼した。やはり洗脳されているように見えたがそれらを確認する余裕は無かった。


「これで両国の捕虜返還を終了する。まだ我が国には何万何十万の日本人捕虜が存在するが丁重に扱う予定である。もう一度言う。その予定である」


このようにして緊張感が漂う捕虜交換が終了した。トラブルの発生は無かったが敵対国の首脳が握手をする姿に日本中は大きな注目を集めた。その後ボルドー空軍の輸送機と護衛戦闘機の21機は成田国際空港を離陸した。


「総理、無事に終わりましたがあれで良かったのですか?もう少し彼らに厳しい言葉を発した方が良かったのではないでしょうか?」


「それをしたいのは山々だが我々が彼らに勝利した日、ボルドー国に赴きいかに愚かな行為をしてきたか分からせたほうが良いかと思ってな」


「なるほど・・・つまり言い方は変かもしれませんが焦らすということでしょうか?」


「そういうことになるな。彼らには我々と国際同盟の底力を思い知らせてやろうではないか。しかしそれまでのプロセスは決して曲げてはならない。今日ボルドー国のアスキー指導と対面できたのはとても有意義であった」


こうして捕虜交換は終了し、捕虜の自衛官と一言言葉を交わし、搬送を見送ったのち首相官邸へ戻り今後の展望を予想した。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 仮にボルドー側の謀略だとした場合、可能性が高いのは……。 洗脳、もしくは生物兵器でしょうか。
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