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日米転生   作者: 照山
第9章 新戦争編
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9-47 八丈島解放 4

6月11日 2時27分


八丈島解放作戦が始まってから1日が経過した。水陸機動団は上陸以降順調に作戦が進行している。第1第2大隊は上陸地点の神湊港付近から東光丸殉難者慰霊之碑周辺を敵のゲリラ部隊や歩兵戦闘部隊と交戦した。


「まもなくa地点に到達、一旦休憩!」


「了解」


第1第2大隊はここまで来るのに70人を超える死者を出した。ボルドー軍は茂みや草影に潜む作戦でゲリラを実行し、第1第2大隊を惑わした。しかし、潜伏地点がばれてしまい全滅する部隊もあったためこのゲリラ作戦には無理があったと敵部隊長は考えていた。


また、この八丈島には4つの生活区域が存在する。自衛隊は八丈島灯台・末吉灯台・みはらしの湯がある区域をa地点とし、三原川が流れている区域をb地点とし、唐滝川のある区域をc地点とし、八丈島空港などがある区域をd地点と設定した。第1第2大隊はa地点の手前まで接近した。


「良いか全員、日の出と共にa地点に侵入し、潜伏する敵戦闘員を殲滅または捕虜にし、捕らえられている民間人や自衛官・米兵を救出せよ」


「了解!」


移動や戦闘で疲れたのか仮眠を取る隊員や戦闘糧食を食う隊員もちらほらいた。


「隊長、前方に発光物あり!」


「総員警戒!」


戦闘糧食を食べている隊員も仮眠を取っている隊員も装甲車に乗っている隊員も全員武器を構えていつでも射撃できる体制に入った。発光物はライトのようだ。


「止まれ!その場に止まり、武器を持っているのなら地面に置け!」


「私たちは何にも持っていません!ただ外の空気を吸いに来ただけです」


深夜であるため相手の顔面を正確に見ることは出来ないが敵ではないことが分かった。しかし、こんな時間に何でこんなところに来ているのだろうか。神宮寺は問う。


「武器を持っていないのは分かりましたがなぜこのような人気(ひとけ)のないところにあなたは来たのですか?それと名前も教えていただけますか?」


「私の名前は矢牧朝陽です。この島に40年以上住んでいます」


どうやらボルドー軍人では無く日本人のようだ。名前を聞いた後、神宮寺は武器を構えた隊員に武器を下ろせと命令した。矢牧は神宮寺の質問の続きを答えた。


「先程私はボルドー軍の警備の目を盗んで抜け出してきました。昨日の朝ぐらいに自衛隊が上陸したと聞いてもしかしたらと思ってここに来てみたらって言うわけです」


「なるほど・・・他の人も捕らえられている訳ですね?」


「はい。案内しましょうか?」


「是非お願いします」


その後、日の出と同時に矢牧は第1第2大隊に捕虜の居場所を案内してもらった。戦闘に発展するかもしれないため射撃体制を取った。


「敵兵発見!排除せよ!」


第1第2大隊は消防団の宿舎や民間食堂の周辺を警戒していたボルドー兵士を攻撃した。それ気づいたのかボルドー兵は第1第2大隊隊員に向けて発砲した。手榴弾や小銃を用いて第1第2大隊を攻撃した。この攻撃で15人の自衛官が負傷した。


「衛生!こっちだ!」


衛生担当の自衛官が手当てしている間に捕らえられている捕虜がいる施設を解放した。攻撃してきたボルドー兵130名は80名が投降、50名が射殺された。


「敵占領a地区解放を完了!繰り返す!a地区解放完了!これより捕虜を解放する!」


『了解!』


第1第2大隊はa地区を解放した。捕虜として捕まっていた民間人30名、自衛官50名、米兵9名を解放することに成功した。また、ボルドー軍が持ってきていた装甲車や小銃などを回収した。しかし、15人負傷のうち6人が死亡した。この6人の殉職隊員のうち2人がボルドー軍の射撃によって心臓付近に近いところに打たれて殉職した隊員である。


「総員!殉職者に黙祷を捧げよ!」


第1第2大隊は1分間の黙祷を捧げた。黙祷終了後、第1第2大隊はb地区解放に向けて移動を開始した。



一方その頃、永郷展望台を目指していた第3第4大隊はボルドー軍との交戦が1時間に一回もあった。そのため彼らには疲労の2文字しか頭の中で浮かんでくる。


「隊長!ゲリラが多すぎます!航空支援を要請した方が良いんじゃないですか?」


「バカ!今何時だと思ってる!朝の3時だぞ?航空支援なんて暗くて出来やしないだろうよ」


「やってみないと分からないじゃないですか!やってみましょうよ」


「仕方ない・・・」


第3第4大隊の宇野大隊長は第3海上師団に航空支援を要請した。


「こちら八丈島解放中の水陸機動団第3第4大隊。第18戦闘航空隊の夜間航空支援を要請する」


『こちら第3海上師団所属第18戦闘航空隊。夜間航空支援要請を受け取った。3時間以内に航空支援を開始する』


可能であったが真っ暗だと暗視探索装置を使わなければならないため明るくなってくるちょっと手前ぐらいの5時か6時くらいに上空から支援できると連絡が入った。


「いった通りじゃないですか~!やはり試すことは大事ですよね!」


「まあな」


その後、永郷展望台から4km手間付近にて次々と現れてくるボルドー軍に対処していた。宇野は次々と湧いて出てくるボルドー軍に嫌気が差し、抵抗するものは射殺せよと命令した。その結果120人のうち90人が射殺され死亡し、30人が捕虜となってしまった。


すると、通信が入った。宇野が確認すると第18戦闘航空隊からであった。


『まもなく航空支援を開始する!爆撃に伴い速やかにその場から避難せよ』


「了解。航空支援感謝する!」


第18戦闘航空隊は通信終了後、ボルドー軍がゲリラとして潜伏しているだろうと予測する地点に爆弾を投下した。対地爆弾であるため威力は相当なものである。


『航空支援終了。これより帰投する』


航空支援によって森の中に潜んでいたボルドー兵およそ600人の死体が転がっていた。爆撃の途中で聞こえてきた悲鳴の在りかはこれで分かった。


「現時刻朝7時47分、制圧中間ポイントを制圧!」


「よし!ゲリラも大分減ってきたし次なる制圧目標を目指すぞ!」


「おう!」


中間ポイントを制圧後、八丈神社周辺地域の解放を行うため第3第4大隊は前進した。ここまで各部隊は順調に計画通りに進んでいる。戦闘部隊も重要だが食料などの補給をする部隊も必要である。全員一丸となって作戦を進めていく。

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