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日米転生   作者: 照山
第9章 新戦争編
201/526

9-45 八丈島解放 2

第1空挺団 C130輸送機1番機


「まもなく目標空挺降下ポイントに到達する!パラシュートが開くかどうか確認をせよ!これは訓練でも演習でもない。実戦だ。1つのミスでドミノ倒しの如く回りにも迷惑をかけることとなる。各自心してかかれ!」


第1空挺団の降下地点は八丈島北部の遊び平牧野看視舎である。ここに空挺降下を行い、八丈小島展望台とふれあい牧場展望台方面に分かれていくことになっている。


「団長、この作戦は成功しますか?」


枡田二等空尉は上本団長に問いかけた。


「我々にとって作戦成功というのは占領された八丈島の自衛官・民間人の救助が完了して初めて作戦成功と言える。この空挺降下だけでは一概には作戦成功とは言えない。これは前段階とでも言うべきだな」


「了解です」


降下地点に近づくにつれて機内に緊張感が漂ってきた。民間人救助・占領地域の解放、そして第1空挺団は第2空挺団が来る前に終わらせたいと思っていた。


「降下地点に接近!全機降下準備!」


「1番機行くぞ!」


「おう!」


「降下用意!立て!」


「装具点検!」


「点検よーし!」


「位置につけ!」


『コースよーしコースよーし!降下降下降下!』


「降下!」


第1空挺団隊員が空挺降下を開始した。6機のC130から360名の完全武装の隊員が降下した。余裕があれば戦車なども下ろしたかったが島でありかつ山間部への投下は天候や降下地点への降下失敗による破損または鹵獲の恐れがあることから無しとなった。しかし、軽装甲車の降下は可能であった。


「反対扉よし!ありがとうございました!」


一番機の上本団長が最後に降下した。数分後、目標降下地点に着陸し全員がいることを確認した。上本団長はここから第1から第6までの部隊に分けられた。


「これより諸君らは第1第2第3と第4第5第6で行動してもらう。第1第2第3は八丈小島展望台を経由し八丈一周道路に出て水陸機動団の第1第2大隊と合流してもらいたい。第4第5第6はふれあい牧場方面から八丈島空港へと向かってもらいたい。ここまでで何か質問はあるか?」


「団長!質問がございます!」


「何だ?」


「n第2空挺団はいつ頃来るのでしょうか?戦況に応じて早く来てもらわなければ全滅も考えられます」


「第2空挺団は9時頃離陸する。後少ししたら来るだろう」


「了解です!」


「それでは総員!移動始め!敵を発見次第速やかに無力化せよ!」



八丈島空港


「隊長、報告します!敵による上陸作戦が敢行され上陸され、我が軍と交戦。120人の死亡がこの1時間程度で確認されました!」


「そうか・・・空からの攻撃に備えよ。陸が洋裁だからとしても空が無防備では無意味だ。最終的にはここに閉じ籠り、1ヶ月を目標に耐えるのだ」


「分かりました」


ボルドー軍はこの八丈島空港に1ヶ月以上最終的には籠城する計画である。現在ほとんどの部隊が八丈島空港に集結しているため民間人に犠牲が出さないように心がけている。


「この辺りを全て覆うことが出来て良かったですね!」


「あぁ。この作戦は上手くいくと思うね」


ボルドー軍の空港道路や滑走路などを大きく取り囲み巨大かつ対ミサイルバリケードを敷き、万全の態勢を取った。この対ミサイルバリケードはボルドー国の軍事拠点制作時に使用され、文字通り小型・中型ミサイルでは破壊できない頑丈なバリケードになっている。手を加えれば大型のミサイルにも対応可能である。


また、この空港にはボルドー空軍戦闘機や対空兵器等が配備されている。さらにヤケンヶ浜海水浴場付近には日米から鹵獲した艦船もあり、ボルドー海軍が指揮官として捕虜の自衛官や米軍人が操縦している。


「例えここ以外が全て陥落したとしても我が軍の圧倒的な拠点防衛システムに腰を抜かすだろうな!」


「ですね隊長!今までの戦争でこのバリケードを突破した軍隊は過去にいません。敵も必ず苦戦するでしょう」


「あぁ。あいつらがどんな面下げてやって来るか楽しみだな!」


彼らはまだ知らない。上陸してくるのは自衛隊だけではなく米軍や国際同盟軍の部隊も来ることを。



第2空挺団 C130輸送機1番機


「一番機より全機へ!まもなく降下ポイントに到達!降下準備を開始せよ!」


第2空挺団が降下ポイント付近に到達した。この飛行編隊には空挺隊員を乗せたC130と物資を乗せたC1の編成である。C1には島内にいる隊員を含める食料や高機動車が積まれている。


「装具点検完了!いつでも行けます!」


「了解!第2空挺団、降下せよ!第1空挺団に遅れを取るな!」


第2空挺団はその後、無線中継所に降下した。前の計画では鉄壁山司令部壕付近の予定であったが降下するには難しい技術を要すると判断され無線中継所に変更となったのである。


「全員いるか!」


「います!」


「了解。たった今我々は戦地に到着した。この作戦は敵の殲滅が主な目的である。気を緩めるとあの世行き。しっかりな!」


「おう!」


第2空挺団の降下が完了後、速やかに八丈町内にいるボルドー軍の殲滅にかかった。第2空挺団長は着陸後第1空挺団の上本団長と連絡を取り合った。


「こちら第2空挺団団長の平田。上本第1空挺団長へ。どうぞ」


『第1空挺団長上本から平田第2空挺団団長へ。用件を』


「第2空挺団全員無事空挺降下を完了。現在乙千代ヶ浜海水浴場方面の敵部隊殲滅に向けて下山中。オクれ」


『了解』



日本国 防衛省


「総理、新たな情報です。水陸機動団と第1第2空挺団の八丈島内に入ることに成功しました。作戦開始から数時間しか経っていませんが順調に進んでいると思われます」


「そうか!だが油断は禁物だ。気の緩みによって戦局は一変することもある。警戒しなければ・・・それと自衛隊の被害状況は?」


「現時点で分かっている情報によりますと水陸両用車AAV8の2両の隊員10名と別動隊で行動していた水陸機動団員9名が殉職しました。合わせて19名です」


作戦開始からこの数時間で19人の犠牲者が出ている。順調に行けばの話だが相手側の出方次第では全滅だってあり得るのである。もしくは長期戦となり戦力が足りなくなりどんどん部隊を派遣し、多くの命が失われることになりたくはないと総理は考えた。


「分かった。それと米軍と国際同盟軍の動きはどうなっている?そろそろ着いても良いはずだが・・・」


「現在、彼らは八丈島周辺海域にてボルドー海軍と交戦中のため到着が遅くなるかもしれません。第3海上師団による後方支援を今は頼るべきでしょう」


「あぁ。そうだな・・・」


米海軍第7艦隊と国際同盟軍第18・19軍団は八丈島に向かう途中にてボルドー海軍駆逐艦と交戦することとなったのである。そのため、到着が遅れることから今頼れるのは第3海上師団と第4海上師団で輸送中の第2水陸機動団のみである。

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