9-40 小笠原諸島・グアム沖海戦 第1段階
6月6日、小笠原諸島とグアム島の間にて大規模な海戦が勃発した。ボルドー海軍は250隻の艦隊を率いて来た一方で国際同盟はG7主導の艦隊を派遣した。日米両政府はこのボルドー海軍の動きから排除する方針を示し、各国の海軍部隊に派遣を要請した。以下が参加艦隊である。
海上自衛隊(31隻)
・第7護衛空母艦隊(那覇) 旗艦「かが」艦長・小武方悠平 空母1護衛艦6潜水艦2=9隻
・第6護衛艦隊(土佐) 旗艦「いせ」艦長・和栗洋介 護衛艦6潜水艦2=8隻
・第3護衛空母艦隊(呉) 旗艦「あき」艦長・本居穂積 空母1護衛艦6潜水艦1=8隻
・第4潜水艦隊(伊予) 旗艦「さがみ」艦長・橘颯太 護衛艦3潜水艦3=6隻
米国海軍(31隻)
・第7艦隊 旗艦「ロナルド・レーガン」艦長・マイルズ=ローゼン 8隻
・第1潜水戦隊 旗艦「バージニア」 艦長・ルビー=ビエラ 5隻
・第3補給隊 旗艦「ルイス・アンド・クラーク」艦長・アレフレド=マーティン 5隻
・第1艦隊 旗艦「コロラド」 艦長・アンドリュー=マルティネス 7隻
・第5潜水戦隊 旗艦「ミューレ」 艦長・ライデル=クルーガー 6隻
グレーシス海軍(35隻)
・第13駆逐艦隊 旗艦「レビオ」艦長・アストン=マコー 9隻
・第10輸送艦隊 旗艦「ルミナリ」艦長・グラス=ジョバンニ 4隻
・第6ミサイル潜水戦隊 旗艦「パルセル」艦長・マッシュ・サラウン 10隻
・第8空母艦隊 旗艦「ノーブル」艦長・メルサ=ロハス 12隻
武藏連邦海軍(25隻)
・第1艦隊 旗艦「蛉」艦長・衍柳 7隻
・第5艦隊 旗艦「豊栄」艦長・神楽 10隻
・第12艦隊 旗艦「清瀧」艦長・眞貝 8隻
アコースティ海軍(12隻)
・第2支援艦隊 旗艦「ベルファイス」艦長・ロドス=マスク 6隻
・第3潜水戦隊 旗艦「エンデン」艦長・ループ=レンソン 6隻
となっている。合計134隻の艦艇が集結した。この後も国際同盟の支援艦隊が続々と到着する見込みとなっている。
そして「かが」艦長・小武方は敵艦隊をレーダーで確認したことを通達した。
「「かが」より全艦に達す。敵艦隊を小笠原諸島・グアム近海の航行中を確認。これより敵艦隊殲滅を開始する。各自ミサイル発射準備!」
合流地点である硫黄島にて小武方は海戦による殲滅を行わなければならない。領海やEEZ(排他的経済水域)内に入られている以上排除しなければ今後の作戦にも大きな影響を及ぼす。
「小武方艦長、敵艦数はどれくらいですか?」
「およそ500。一度での殲滅は不可能であることから改良された超動力ミサイルと対艦散弾ミサイルを再び使用する。散弾ミサイルの使用制限が解除されたためいくらでも使用可能である」
日本政府はアメリカ政府との合同での対艦散弾ミサイル2型を開発し、連続発射も可能にすることに成功した。対艦散弾ミサイルの威力は計り知れない威力を誇っているため誤作動で誘爆すると一瞬にしてその艦は沈没または大破してしまうのである。
レーダーで確認した地点に行くと前方にはボルドー海軍の大艦隊の姿があった。数えきれない数の軍艦が見えた。
「艦艇レーダー更新!敵艦およそ520!」
「結構いるな・・・いきなり散弾ミサイル使用のシチュエーションか?」
「いえ!まだ使いません。然るべきタイミングまで撃ちません」
すると魚雷発射を確認した。
「敵潜水艦本艦直進方向!魚雷発射を確認!」
小武方は魚雷被弾を避けるため回避行動をとった他、海自側も魚雷を発射した。発射された魚雷を防ぐことに成功した海上自衛隊は各部隊に敵潜水艦の撃沈を命令した。
「「かが」より全艦へ。対潜対空戦闘用意!そして戦闘機の発艦を許可する」
『了解』
各艦の空母から180機越えの戦闘機が発艦した。発艦した戦闘機はボルドー海軍艦艇にミサイル攻撃を仕掛けた。攻撃を受けたボルドーの艦艇は沈む艦や航行不能になる艦で溢れていた。また、海中を航行中の12隻の潜水艦を対潜爆弾による攻撃で7隻の撃破に成功した。
そして、ボルドー海軍との海戦が開始されてから5時間以上が経過した。ここまでは日米側が優位に立っている状況だ。ボルドー海軍側の被害は空母2隻と駆逐艦140、潜水艦7隻の大打撃を与えられた。一方、日米側の被害は4隻の艦を魚雷攻撃で失ったのみである。ボルドー海軍側は劣勢になったことによりとうとう禁止されている兵器を使うことを決定した。
ボルドー海軍 駆逐艦「バーバリ」
駆逐艦「バーバリ」を含めた30隻の駆逐艦には国際同盟が禁止している対艦長距離化学誘導弾を使用することを決めた。この対艦長距離化学誘導弾には文字通り誘導弾に化学兵器を装填し発射後に着弾後、艦艇は航行不能になる他人体にも影響を及ぼす危険な兵器である。
「同志たちよ。これより対艦長距離誘導弾を用いて敵部隊を破壊する」
「バーバリ」艦長・フリークは使用禁止と書かれたボタンに手を掛けた。
「これで少しでも我が軍が優勢になるならば・・・!」
30隻の艦からは60発のミサイルが放物線を描いていった。果たして日米側はこれに対応することが可能であるのか否か。