9-35 戦争犯罪調査委員会
国際同盟 戦争犯罪調査委員会
ワシントンD.C.での戦闘が終了後、国際同盟は5月21日に戦争犯罪調査委員会を開催した。戦争犯罪調査委員会は安全保障会の傘下委員会である。ここでは戦前または戦中、戦後までの間に戦争加害国の非人道的行為に対する処置として【戦争犯罪指名手配】と【非人道的行為に対する逮捕状】が発効される。
「これより戦争犯罪調査委員会を開催する。ボルドー国と開戦から約2か月、我々は多数の犠牲を出しながらも我々は彼らの行動を食い止めています。それゆえ双方において3万を超える捕虜がいることが確認しています。捕虜の扱いにおいて捕虜の殺害及び暴行を加えるなどの人道に反する行為があった場合は国際条約違反と断定します。本日、航空母機撃破の際に保護された日本人を本会議に召喚しました」
戦争犯罪調査委員会アメリカ合衆国代表のケンブランは航空母機墜落で保護された日本人の早島直之・福野翔弥を日本政府の許可を得て召喚した。
「戦争犯罪調査委員会の委員長のセベーニャです。まずハヤシマさんにお聞きします。ハヤシマさんは元捕虜の立場としてボルドー国の捕虜の扱いはどのようなものでしたか?思い付く限りのことを教えてください」
早島はグレーシス人のセベーニャから質問を受け答える。
「自分は元捕虜の立場から言わせていただきますと航空母機内では暴行などの行為は行われませんでした。がしかし収容施設の一部では不当な扱いを受けるものもいました。その瞬間は見ていませんが殴る蹴るなどの暴行が行われていたのかと思われます」
「分かりました。フクノさんはどうでしたか?」
「自分自身良くも悪くもなかったです。早島さん同様に不当の扱いを受けているような声、そして新兵器開発のための被験者を捕虜で使っているなどを見ました。以上です」
委員会内がざわついてきた。ボルドー国は一貫して捕虜に非人道的行為はしていないと声明を出してきたがこれがジェノサイドやプロパカンダであることが分かった。
「お二人の意見ありがとうございます。皆さん今の話を聞いてどう思われましたでしょうか。日本国代表のスギモトさん」
戦争犯罪調査委員会日本国代表の杉本は発言し始める。
「我が国の立場としては暴行などの報告があることが予想されることから一部の捕虜であろうと全捕虜であろうと関係なくボルドー国の捕虜の扱いの対し強く非難します」
「意見ありがとうございます。皆さんもこれを聞いて同意見だと思います。よって戦争犯罪調査委員会の名においてボルドー国政府及び指導者・アスキーに対して戦争犯罪指名手配と非人道的行為に対する逮捕状を出します。何か意見はありますか?無いようでしたらこれにて委員会を終了します。ありがとうございました」
戦争犯罪調査委員会が終了した。元捕虜の早島と福野から重要な情報を手に入れたことによりボルドー国政府などに声明を出した。
* ボルドー国 指導部
「指導、国際同盟が我が政府及び指導に対して戦争犯罪指名手配と非人道的行為に対する逮捕状が出されました。どうなさいますか指導」
白髪が生え始めてきたアスキーには覇気が感じられなかったが口を開いた。
「私は指名手配になろうとも国外逃亡は一切考えていない。私は国民のために絶対にここから逃げないことを誓う。また、非人道的行為をしたというのは一方的な当て付けだ。断じて許されない声明である」
「そうですそうです!奴らを許してはなりません!」
「捕虜収容施設から何か報告はあるか?暴行などを受けたまたはしたという報告は」
「まだありません。現在調査中です」
「分かった。戯言を吐かぬようしっかりと見極めろ。これで捕虜に対する非人道的行為がなかった場合は圧倒的武力による処置を取る。ミサイル部隊にも通達せよ。命令があった場合はすぐに発射できる準備をせよ。と」
「了解しました」
ボルドー国側は非人道的行為を否定する方針となった。アスキーは調査報告次第では厳しい処置を取ることを決めている。処置の内容は国際同盟の全参加国の首都へミサイル攻撃を開始を決定した。国防相と所定の部隊に対して準備命令を出した。
2日後の23日、調査報告が出た。報告では捕虜収容施設の地下で尋問や拷問を受けていた捕虜がいたことが分かった。アスキーはこの報告を聞いて口を開いた。
「どうしたものか・・・馬鹿な監視員のせいで面子が丸潰れだ。とても不愉快だ。発射準備中のミサイル部隊の中止を命令せよ」
「了解しました。それと今後の方針はどうなさいますか?監視員の処遇などお聞かせください」
「捕虜収容施設地下での非人道的行為をした監視員は何人だ?」
「10人です」
「ではその10人を国家反逆と断定して厳罰に処す。すぐに準備を始めよ」
「了解です」
その後、非人道的行為をした関係者10人は逮捕され、監獄に入れられた。暴行などを受けていた捕虜は医療施設にて治療を受けた。この報告によりアスキー及びボルドー政府は窮地に追い込まれた。