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日米転生   作者: 照山
第9章 新戦争編
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9-31 米本土戦線 part 2-ワシントンD.C-

ワシントンD.C.に空挺完了後、マーズ団長はある「違和感」を感じていた。


「副団長、何かおかしいと思わないか?」


「えぇ団長。敵の姿がありません。何を企んでいるのでしょうか・・・」


マーズ団長、モルソ副団長共に米軍兵士が一人もいないことに疑問を抱いていた。


「敵はいったいどこへ・・・行ったのでしょう」


「分からん。嫌な予感がするな」


「嫌な予感とは?」


「上空からの襲撃だ。我々が持ってきた装備品は対空兵器を持ってきてない。つまり空から爆撃など受けたら部隊は全滅だ」


マーズ団長は人の気配がないワシントンD.C.を見ていた。


「全部隊へ通達。こちらマーズ。敵兵視認を報告せよ」


『こちらB1部隊のヒューリ。敵兵の影すらどころか一般人の姿もありません』


報告によるとどこも米軍部隊は確認されなかった。少し安心したがマーズ団長の嫌な予感は的中した。空挺降下方面から数えきれないほどの戦闘機や爆撃機が飛来してきた。


「総員!敵空軍戦力を確認!待避せよ!」


「団長!直ぐに待避を!」


「分かっている!しかし、腰が抜けてしまった!」


「何やってるんですか!」


あたふたしていると先頭の爆撃機が降下地点のコロンビア島に小型爆弾を投下した。拠点のある方向である。


「これは・・・どうすれば良い!どうすればこの状況を切り抜けられる!まだ着いてから30分も経ってないぞ!」


「背負いますので逃げましょう!」


「助かる!」


コロンビア島にある拠点に爆弾投下後、そこからは待機兵士であろうか。大量の悲鳴が聞こえてきた。引き返すことは可能であるが巻き込まれる可能性もある。


「ここからどうします?団長!」


「くっ!奴ら民間人は待避させてやがる!」


「我々は罠に引っ掛かったのでしょう」


「かもしれないな・・・」


米軍の無人戦闘機やF22戦闘機の攻撃によりボルドー軍空挺部隊は袋のネズミ状態となってしまっている。この状況を覆すことは不可能である。


「さぁどうするよ。走って走って走りまくって少しでも生き延びるかここで爆弾の火薬のように弾けるように死ぬか」


「脱出手段でもある小型ボートは港にあるがどうなっているか分からない。また、走りまくっても死ぬのは嫌ですし、この場で死ぬのなら共に・・・」


団長の腰の抜けが解消されたため並行するように走っていた。走りまくって少しでも長く生き延びたいと思っていても現実はそう甘くない。


「建物のビルに隠れましょう。さすがに建物の間なら爆弾は投下できないでしょう」


「さすがにな」


しかしそれを成し遂げるのが米軍である。ワシントンD.C.のビルとビルの間のピンポイントに投下した。


「まじかよ」


走馬灯が見えた。ここで二人で一緒に死ぬのか。


「ありがとうございました団長。自分は小さい頃から共に行動していてとても楽しかったです。来世いやどこかでまた」


モルソ副団長はマーズ団長を突飛ばした。突き飛ばされたマーズは死から逃れたがモルソ副団長は爆発に巻き込まれてしまった。


「くっそぉぉ!」


幼い頃からの友人をこのような場所で失うとは思ってもいなかった。モルソの遺体は原型を留めていなかった。


ビルとビルの間か出るとワシントンD.C.は掃討爆撃によって火の海になっていた。これから私はどうすればいいのか必死に考えていた。爆撃機や戦闘機は燃料補給もかねてかいなくなっていた。


「団長!ここにいましたか!速く待避を!」


「あぁ・・・」


「副団長は・・・?」


「私を突き飛ばして爆撃に巻き込まれて死んでしまった」


「そうですか・・・それと拠点の話なのですが・・・」


「分かった。聞こう。いつまでも引きずってはいけないしな。盟友のために頑張らなくては」


A1部隊長のベンジが団長と共にワシントンD.C.から脱出するように伝達を受けた。この爆撃により1600名のうち1590名が死亡した。10人しか生き残ることしか出来なかった。また、港は無傷であったため10人乗れるかくらいの小型ボートに乗り込んだ。


「(また戻ってくるモルソ。我々は絶対に負けない)」


涙を拭った後、マーズは基地に伝達した。


「これから作戦を展開する全部隊へ緊急連絡。敵軍による上空からの奇襲を受けた。これにより私含め10名しか生存できなかった。直ちに作戦停止!」


『了解。副団長は?』


「副団長のモルソは私の代わりに命を落としました。自分は彼のためにも精一杯任務に全うして参ります」


『・・・しっかりな・・・』


小型ボートは青い海を渡っている。


「団長、これから10名でどうして行きましょうか。基地到着まで数時間はかかるかと・・・」


「安心しろ。今海軍にも救難要請を出しておいた。いずれ来てくれるだろう」


「了解です」


最大の親友であり、盟友を失ったマーズ団長は覚悟を決めた。あいつのためにも頑張らなければいけないと。


数時間後、海軍の救難艦「セルギエ」に回収された。


「マーズさん!お気持ちは辛いでしょうが今が踏ん張りどころです!頑張っていきましょう!」


「あぁ。そうだな!」


救難艦に乗艦後、5時間程度で母基地に到着した。到着後、怪我などが無いかなどの治療を受け、マーズ団長はモルソの部屋の前に立ち敬礼した。


「米国攻略の要としてあなたのためにも精進して行きます。どうか天国で・・・」


彼の目には溢れんばかりの涙が浮かんでいた。



アメリカ合衆国 シカゴ臨時大統領府


「大統領、ワシントンを徘徊していた敵軍部隊を一掃しました。一部取り逃がしましたが壊滅的打撃を与えられたに違いありません。ですが建物などが・・・」


「それは仕方ない。今後修復を行っていってもらう」


「了解です!」


大統領や国防相らはボルドー軍への攻撃に成功したと報告した。


「今後はどうするつもりかな?」


「今後、奴らの拠点である基地に乗り込む予定です。ですが再び戻ってくる可能性が大です」


「あんなに爆撃させられてまだ戦う気かね?」


「あくまでも予想ですが、首都を陥落させて『我が軍はこんなに強いんだ!』とアピールしたいのでしょう。無理ですが」


「そうだなw。次来たらもっと厳しい攻撃をしてあげようではないか。二度と我が国に手を出させないようにするために」


米軍の攻撃はまだ始まったばかりである。今後6日間程度、ボルドー軍の動向に注目していかなければならない。

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