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日米転生   作者: 照山
第9章 新戦争編
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9-16 八丈島攻防戦

4月24日、ボルドー軍が日米方面に向けて動きを再開した。9日間弱日米に向けての動きを見せてはいなかったものの日米に味方する6か国に対して厳しい攻撃を加えていた。そのため自衛隊と米軍は研究を行っていた超動力対地制圧ミサイルの対処訓練を実施した。


この対処訓練では実際に護衛艦から試作品の超動力対地制圧ミサイルを発射し、廃艦予定の護衛艦にぶつける際に周辺の護衛艦から新型ミサイルのS-M9対空誘導ミサイルによる迎撃をボルドー軍の活動が停止している間に行った。


海上自衛隊八丈島基地


「S-M9発射用意!目標上空敵ミサイル撃て!」


日米の艦艇4隻から迎撃用の対空ミサイルを発射した。このミサイルはレーダー検知を行い正確に目標に命中させることが可能となるミサイルである。


「敵ミサイル命中!これによりミサイル命中率98%に上昇」


「そうか!だが100%にしないと国民の安全をゼロにすることは不可能だ。2%の確率だとしても要注意なのだ」


「了解です!」


その後も訓練を行っていたその時、砲撃音が聞こえてきた。何の音か確認を取ると八丈島を攻撃しているのが分かる。


「訓練中止!訓練中止!八丈島が攻撃を受けているのを確認!総員大至急現場に急行せよ!」


ボルドー海軍からの砲撃により住民生活区域に被害が出た。また、敵艦隊の発見が遅れたため指揮系統施設が破壊された挙げ句、更には護衛艦にまで敵ミサイルが着弾し航行不能となってしまった。


「ボルドー軍です!基地攻撃を行っています!」


「まずいな・・・動かせる艦はここにいる4隻だけ。通信妨害も受けているため本国との連絡も取れない状況だ。死ぬ気で防衛せよ!これは訓練ではないことを意識せよ!」


「了解!」


基地の状況は不明であるものの現状動かせることができるのは海自護衛艦「みかわ」「るもえ」米海軍空母「ニューヨーク」駆逐艦「オハイオ」が防衛行動に入った。しかし通信不良が起きているため本土との交信が出来なくなっている。


「通信施設から黒煙を確認!通信不良はこれが原因かと思われます!」


「了解!」


八丈島を砲撃中のボルドー海軍艦艇は18隻である。初動が遅れた日米は艦4隻を島の裏側に停泊し350名程度の隊員を上陸させ島防衛を開始した。また、基地に臨時に所属していた海自隊員600人と第3哨戒隊の自衛隊員40名と合流した。攻撃を受けた基地の護衛艦は航行可能であるものの出航時に攻撃を受ける危険性があるため待避した。


「第一作戦目標として通信施設の復旧を行う。これが出来ないと我々は敵に上陸され袋のネズミとなり、捕虜になるか死ぬかの二択となる。


「ゲンダ隊長」


「どうした?」


玄田は米軍兵士に声をかけられた。


「イオウジマの戦いみたいな死闘にはなりたくないですね」


「あぁもちろんだ。この島は今後の本土防衛に影響のある島だ。万が一占領された場合伊豆諸島付近まで撤退を余儀なくされる」


「分かりました」


小一時間歩いた所でレーダー・通信施設に30人が到着した。他の300人は周辺の警戒を行っていた。


「隊長!敵の上陸を確認!およそ2000人規模です!」


「くっ・・・ゲリラ戦開始!」


「了解!」


こうして八丈島における攻防戦が開始された。ボルドー軍上陸部隊2000名と日米側1050人程度が交戦を開始した。ボルドー軍と交戦している隙にレーダー・通信施設の復旧が完了し、本土との通信が行えるようになった。遠くで銃撃が聞こえるなか通信隊長の籠原は必死に呼び掛けた。


「こちら八丈島方面第3哨戒隊通信郡所属の籠原!八丈島にボルドー軍上陸!大至急援軍の派遣を求める!応答してください!」


『こちら陸上自衛隊第1師団司令部から八丈島通信隊の籠原へ。敵の島上陸報告を受け取った。増援部隊の派遣を開始する。身の安全を確保し、到着まで抵抗を続けよ』


「繋がった!了解!」


その後籠原はゲリラ戦に参加した。敵は日米戦闘員の潜伏地点が分からないためどこから攻撃してくるのかわからなくなってしまっている。そのため2000人いた上陸部隊は1700人まで減少した。


「落ち着いて・・・一人・・・二人・・・三人・・・」


「お前上手だな・・・」


「元特殊作戦群だからな」


「そういうことか」


彼は元特殊作戦郡隊員で精密射撃に優れている。そのためゲリラ戦は得意である。


「次来たぞ!」


「了解!」


「まずい見つかった!痛って!」


籠原は肩に銃弾がギリギリかすった。そのため痛みが伴い出血したものの致命傷ではなかっため衛生隊員に手当てしてもらった。


「これでよし!気をつけろよ?」


「分かりました!それと皆聞いてくれ!さっき通信が本土と繋がり救援を出した。数時間で到着するそうだからもうしばらくの辛抱だ!」


「良い報せだ!絶対に死ぬなよ?」


「「「おぉ!」」」


ここに来て日米側の士気はMAXに上昇した。交戦から4時間が経過した。遠くから自衛隊戦闘機が見えた。


「F15だ!来たぞ!俺らの勝ちだ!」


しかし自信の程も裏腹にいち早く自衛隊戦闘機に気づいたボルドー海軍は対空ミサイルを発射した。F15戦闘機も応戦した。


「待て陸自は来ないのか?」


「どうしたんだろうか・・・」


この時第1師団の陸自部隊は首都圏各地で救助活動を行うため大幅な人数削減をしていたため実際に集まった数が足りなかったため航空自衛隊戦闘機からの航空支援を行うことを決定したのである。


「味方が来てくれるなら何でもいい!敵を駆逐してやれ!」


その後8機編隊のF15戦闘機はミサイル攻撃を避けながら敵駆逐艦を攻撃した。しかし急接近してからの攻撃であるため危険が伴い3機が撃墜され撤退した。


「もう終わりか・・・そうか俺たちはここで死ぬのか?・・・」


「見つけたぞ日米軍人ども!降伏せよ」


「くそ!ここまでか・・・」


日米戦闘員は敵上陸部隊人数を1200人まで減らせることに成功したが味方は残り人数320人となってしまったためこれ以上の抵抗は無意味と判断し八丈島はボルドー国の手に渡ってしまったのである。


「君たちの今後が決まった!君たちは・・・」


「(どうなるんだ俺たちは・・・)」


「君たちはここで働いてもらう!もちろん私の支配下で」


「(安心した・・・しかし腹が減ったな)」


司令官と思われる人物が話を続ける。


「君たちは捕虜となって働いてもらう。役目として基地の復旧と怪我人の治療である。そのため一方的な支配にならぬよう君たち捕虜には衣食住を与える」


「(マジかよ!捕虜に衣食住と自由を与える代わりに労働せよか?それくらい出来るかもな・・・)」


「何か反論はあるか?無いようだったら基地と艦の修繕に勤めろ!始め!」


このようにして八丈島はボルドー軍によって占領され、捕虜となった戦闘員は労働の対価として衣食住と自由が与えられた。この世界では人道的観点から捕虜に対する扱いは丁寧でなければならないのである。


「そうか・・・捕虜に衣食住と自由か・・・不思議だな」


また、八丈島がボルドー軍によって占領されたことは防衛省・内閣総理大臣にも伝えられた。捕虜はいるものの丁重に扱われている報告もあることから奪還作戦は機会を伺った上で作戦を開始する計画を立てた。

まもなく4月での出来事が終了します。よろしくお願いします

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