9-7 強襲 2
ボルドー海軍日本強襲上陸艦隊が海上自衛隊からの対艦散弾ミサイル攻撃を受けてから7時間後、司令艦「バジェ」は作戦計画を立て直すことにした。
ボルドー海軍日本強襲艦隊「バジェ」
「司令、作戦計画の見直しが完了しました。燃料艦にて補給後、再侵攻を開始する予定であります」
「ふむ・・・君はあの大規模なミサイル攻撃を想定できたかね?」
「いえ。あのようなミサイル攻撃手段を保持しているとは想像できませんでした。件の攻撃で艦艇約1000隻、兵員3万4000人が死亡、敵側に240人が捕虜にされました。これは大損害でもあります」
7時間前、海上自衛隊の対艦散弾ミサイル攻撃によってボルドー海軍日本強襲艦隊は艦艇1000隻以上も失う壊滅的被害を被った。この件をアスキー指導にはまだ伝えていない。
「それでこの計画案なのですが本国からの増援を求めますか?」
「不要だ。残存艦艇数は370隻だとすると二手または三手に分かれて侵攻するべきだと私は思う。仮に増援要請を出したとしても時間がかかるだけだ」
「分かりました。攻撃地点の変更を行います!」
侵攻計画変更によって、攻撃地点は東京以外に名古屋・大阪となった。
「全艦に告ぐ!3個艦隊に分かれて敵都市無力化及び軍事施設の占領を開始する!」
『了解。周辺海域に移動する』
日本強襲艦隊370隻は東京・大阪・名古屋周辺海域に123隻ずつに分かれて攻撃することを決定した。東京無力化のため横須賀基地の制圧を決行した。
アメリカ合衆国 国防総省
「国防長官、現在第4、第6、第13艦隊が西海岸で、第1、第2、第3艦隊が敵海軍と交戦中であります。出撃した海軍42隻に対し敵艦艇数1500です。その内3隻が無力化されました」
「敵側は?」
「報告によりますと現時点で敵艦600隻を無力化に成功しました。ですが空軍戦闘機5機が撃墜、そして6機のF16が制御不能状態になり、敵の手に・・・」
「600隻撃破は良いが敵にF16が渡ると厄介だ・・・敵空母にあるのなら空母を無力化し、可能であれば奪還を行えと命令せよ」
「了解です」
出撃したF16戦闘機6機が敵側から何らかの手段により制御システムを奪われ敵側の空母に着陸した。ボルドー海軍の新艦艇に電信艦隊が米強襲作戦に参加した。
アメリカ西海岸海域 第4艦隊
「艦長、日本にも供与した対艦散弾ミサイル使用許可を願います」
「海上自衛隊はすでに使ったのか?」
「7時間前、千葉・茨城・福島・宮城遠洋域にて海上自衛隊は敵海軍と交戦、現場司令官の判断によって対艦散弾ミサイルを使用しました。今が使用のタイミングです!」
「分かった。全艦、対艦散弾ミサイル発射を許可する。敵艦を海に沈めるのだ!射撃用意!撃て!」
21隻の艦艇から3発ずつ合計62発が発射された。
「敵艦ミサイル発射を確認!相討ちの可能性が高いです!」
「近接戦闘ミサイル起動!全ての敵弾を排除せよ!同時に衝撃に備え!」
発射された対艦散弾ミサイル57発が敵側に超弾道迎撃ミサイルによって排除された。残り5発が敵艦艇に命中し、400隻の撃破に成功した。ギリギリの所で敵空母被弾は避けられた。一方、ボルドー海軍側のミサイル50発の内44発を迎撃した。
「6隻被弾!15隻で対応するしかありません」
「了解!対艦散弾ミサイルの残弾数は?」
「各艦残り3発残ってます」
「全艦に告ぐ。全ての対艦散弾ミサイルを用いて敵艦艇を排除せよ」
しかし発射前にボルドー海軍側から先程よりも速いミサイルが発射された。このミサイルは対艦貫通ミサイルである。
「何だあのミサイルは!総員再度近接戦闘システム起動、迎撃ミサイル発射用意!」
「撃t」
その瞬間閃光が走った。司令艦長の乗った駆逐艦に貫通ミサイルが命中した。それ以外に4隻が被弾した。
「大丈夫ですか艦長!」
「大丈夫だ・・・いてて、動ける艦は至急対艦散弾ミサイルを発射せよ」
『了解』
10隻の艦艇から3発ずつ再び散弾ミサイルが放たれた。その結果西海岸展開中の艦艇380隻の撃破が完了した
「敵艦隊撤退を開始!ですがF16を奪われました!」
「敵艦の撤退は出来たがF16は貴重な戦闘機だ。F16は後日回収します」
「艦長!レーダーにF16の反応!」
「何!?脱出に成功したか!」
「かもしれません!」
その後、制御不能になったF16戦闘機が脱出に成功し、帰還した。パイロットに怪我は無かった。だがしかし
「敵艦隊、ハワイ方向に航行中!ハワイ攻撃かと思われます」
「大丈夫だ!全艦に命令する。敵艦隊は現在ハワイ方面へ進行中。警戒監視、第7艦隊に侵攻中と報告せよ!」
「了解」
海上自衛隊、米海軍、ボルドー海軍、そしてG7同盟軍の海での攻防はまだまだ続くことになる。
不備がありましたらよろしくお願いします。




