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日米転生   作者: 照山
第8.5章 国家間演習編
165/500

9-6 強襲 1

日本国 新大湊~横須賀海域


現在この海域では海上保安庁第2,第3管区の巡視船、海上自衛隊の第1護衛艦隊、第1揚陸艦隊、第7護衛艦隊、第4護衛空母艦隊、第2潜水艦隊の計35隻が航行している。ボルドー海軍の領海侵犯に対処するためである。


第4護衛空母艦隊 護衛空母「りゅうほう」


「警戒行動中の全艦隊へ通達。どんな些細な事でも報告を行え。不審船及び敵艦隊を発見次第速やかに報告し、対処にあたれ」


『了解。警戒行動を強化する』


「司令、敵戦艦発見の事態に陥った場合はどのような対処を致しますか?」


護衛空母「りゅうほう」艦長の新保英は監視レーダーを見ながら言った。


「敵艦隊を捕捉後、敵駆逐艦の無力化を完了するため米軍から給与された対艦散弾ミサイルを使用し、まとめて一掃する。可能であれば敵兵士の救出及び手当てを行え」


「了解です」


敵艦隊の一掃排除のため米軍は3年かけて開発・研究した対艦散弾ミサイルは目標の艦艇に対する攻撃の際、命中後に他の艦艇にもミサイルが命中するミサイルとなっている。また、護衛空母から爆撃機の発艦を予定していたが収容スペースの都合上不可能となった。


「この対艦散弾ミサイルの威力ってどれくらいです?」


「以前米軍が廃艦となった駆逐艦数十隻を並べた後に対艦散弾ミサイルを使用した結果、10秒もしない内に全艦が沈むくらいの威力だそうだ」


「というと使用のタイミングは全滅間近もしくは敵の抵抗が激しい際に使用する感じでしょうか?」


「そうだな・・・だが味方が全滅するまで使用しないと言うのは避けたい事態である。敵艦艇の数次第では開戦開始から使用する可能性もある。この兵器を使用するにはある程度の覚悟がいる」


「分かりました」


米軍の対艦散弾ミサイル発射試験の際、数十の廃艦の駆逐艦に使用した結果あっという間に駆逐艦は無力化及び沈没した。国際同盟は緊急時の自衛の時以外の使用を禁ずることを条件に対艦散弾ミサイルの所持を認めた。


しばらくして緊急通達が入った。


「敵艦隊を千葉・茨城・福島・宮城の遠洋域で多数確認!この事態に伴い航空自衛隊百里基地、松島基地からF15戦闘機、F22戦闘機、F35戦闘機が離陸しました。また、全艦に戦闘許可を命じます」


『了解。全艦に告ぐ。千葉・茨城・福島・宮城の遠洋域にて敵艦隊を多数確認。航路から東京に向かうと思われる。全艦は所定の海域に集合し、本土を死守せよ!』


ボルドー海軍が千葉・茨城・福島・宮城の遠洋域に出現した。この報告を受け航空支援として空自百里基地、松島基地からF15,22,35戦闘機が離陸した。敵軍の本土上陸を阻止するため35隻の作戦艦隊が集合する。


35隻の作戦艦隊が合流後、ボルドー海軍の航路を妨害するかのように立ちはだかった。


「敵海軍艦艇およそ1300!司令、いきなりかもしれませんが対艦散弾ミサイルの発射許可を願います」


「まだダメだ!今は通常の対艦ミサイルと百里基地と松島基地からの航空支援に頼ることにする」


「了解。総員!目標敵駆逐艦隊!敵の無力化を行い、敵軍本土上陸を阻止せよ!」


「目標敵駆逐艦。SM-4発射用意!撃て!」


35隻の護衛艦からSM-4が発射された。SM-4はSM-3の後継ミサイルである。射程距離が長いため後方の艦艇にも攻撃が可能である。


「目標に多数のSM-4命中!以前敵他の艦隊行動可能!」


『こちら航空自衛隊航空支援部隊、まもなく所定の海域に到達する』


「こちら作戦艦隊司令、支援感謝する」


数分後、航空自衛隊の航空支援機85機が到着した。また、これに先立ち護衛空母「りゅうほう」から15機のF35Bが発艦した。これで合計100機となった。


空自到着後、上空からの敵殲滅は順調に進んでいるものの35対1020となったものの空自戦闘機のミサイル発射可能数にも限りがある。また、8機の戦闘機が撃墜されたため救助活動を行った。


『支援戦闘機のミサイル残弾数残り僅か。一旦基地に帰投する!』


77機の航空支援機が各基地に戻っていった。撃墜された8機の乗組員の内2名が脱出時に敵側に捕まった。ボルドー海軍側はこの2名の海上自衛隊員に防寒対策及び食事の提供を行った。


「敵艦艇残り1020!艦長、対艦散弾ミサイルの発射許可を!」


「・・・」


「艦長!」


「・・・対艦散弾ミサイルの発射を許可する!」


「了解!全艦目標に照準を合わし対艦散弾ミサイル発射用意!撃て!」


35隻の護衛艦から放たれた対艦散弾ミサイルは猛スピードで敵海軍艦艇に突っ込んで行った。2発ずつのため合計70発が撃たれた。敵艦も迎撃に入り、30発以上落とせたものの40発が10隻同時に命中し大爆発が起きた。それと同時に周囲にいた艦艇にも被弾し、それが次から次へと被弾した。


「とんでもねぇ威力だ!一瞬にして敵の数が減ったぞ!」


発射後、1020隻もいたボルドー海軍艦艇は370隻程度となっていた。


「敵艦隊後退を確認!敵軍人の救出救命活動に移行します」


「了解。救助者を発見次第速やかな防寒対策と応急手当を実施せよ」


その後、200名以上のボルドー国軍人を捕虜として救助した。また、試験運用していた海上自衛隊の救命艦隊が到着し、日本本土の収容施設に移送した。この救命艦隊は秘密裏に置かれており、全国に7個艦隊が配備されている。この艦隊の役割は主に海上救助の際、海上保安庁との連携時に大量の要救助者がいることが判明した場合速やかにこの救命艦隊が出動する。


「救助者の保護完了!これより本国に移送します」


「了解。助かった」


「いえいえ。当たり前のことをしたまでです」


その後、ボルドー海軍は司令艦を失ったのか日本領海から出ていったことを確認した。この海戦で日本側の損害は護衛艦の損害なしであった。しかし、作戦失敗に終わったボルドー海軍強襲艦隊は第2段階に移行する。


次回もよろしくお願いします。不備なところがありましたら教えていただけると幸いです。

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― 新着の感想 ―
[一言] ボルドー国、そろそろ気が付きそうなものですが。日米の軍隊は、少なくとも質的に、自国の軍より強いと。 もっとも、ここで戦争を止めたら、自分たちの愚かさを認めることになる。自分たちの方が弱いと、…
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