9-5 空戦
ボルドー国 国防委員会
「国防相、開戦から一週間が経過して戦況はどうなっている?」
「この7日間の出来事を説明いたします。4月5日現在武蔵連邦海軍垣基地に駐留していた武蔵連邦海軍第9艦隊と日本国海上自衛隊第15護衛艦隊を攻撃して撤退させるのに成功し、垣海軍基地を占領しました。武蔵連邦人16人と日本人20名の捕虜も獲得しました。また、破壊した海上自衛隊の2隻の戦闘艦のうち1隻を持ち帰ることに成功しました」
「そうか・・・捕虜に対しては適切な対応をしているのだろうな?」
「もちろんです。捕虜36人に衣食住抜かりなく与えています。今後日本人・武蔵連邦人捕虜は出身国に返還します」
捕虜に関する条約は国際同盟が定めた戦争中及び戦後の捕虜返還に関する条約があり、敵対国の兵士の捕虜の扱いは人道的に扱わなければならない。
「分かった。だが一昨日敵空軍からの爆撃があり、陸海空軍基地とミサイル基地の一部の基地が破壊されたのは知っているか?」
「知らないわけありません。一昨日アメリカ空軍の爆撃攻撃がありました。我々の基地の一部が破壊され、多くの死傷者を出してしまいました。しかし敵航空機40機のうち19機の撃墜に成功、間一髪脱出に成功したアメリカ人兵士1人を捕虜と認定し、捕虜収容施設に収容し、衣食住の提供を行いました」
米空軍爆撃飛行隊側は墜落隊員全員死亡と予想していたものの一命をとりとめたものがいた。捕虜となった彼はボルドー国軍に発見され、手当てを施した後に収容所で衣食住を与えた。
「次の作戦はいつ決行するのかね?国防相」
「次の作戦実行日は4月11日にてG7本土強襲上陸を開始します。上陸拠点は日本国トウキョウ、ナゴヤ、アメリカ合衆国のニューヨーク、ワシントンなどに同時強襲上陸を行い、敵政府の無力化を実行します。また国際同盟への攻撃を計画しています。いかかですか?」
「国際同盟への攻撃は決してならない。国際機関への攻撃は全ての国を敵に回すことになるからそれだけはしない」
国際同盟などへの国際機関に対する武力行使は国際同盟安全保障条約第1条の国家間での交戦中にて国際同盟本部などに対する攻撃は加盟国すべてに対する攻撃だと認められ、国際同盟軍を編成することが可能となる。ボルドー国はG7のみを攻撃しているため他国まで相手には出来ないとアスキー指導は考えている。
「分かりました。ですが国際同盟の本部や支部が日本やアメリカ等にあります。一ミリでも被弾した場合国際同盟軍が編成される可能性があります。攻撃対象変更しますか?」
「いや、強襲計画地点は変更しない。国際同盟内の職員は非武装であるため我々にとっての驚異ではない」
「なるほど・・・では職員の安全を確保して出身国に移送しますか?」
「あぁ、そうしてくれ」
国際同盟軍編成の際、攻撃を受けた国と支援している国は同盟軍の指揮下の元作戦行動を行う。また、国際同盟の職員は非武装のため安全な場所への移動を行わなければならない。
その時、敵航空機接近報告が入った。
「国防相!緊急です!敵航空機70機が接近中です!」
「何!ミサイル軍と空軍に迎撃を命令せよ!」
「了解です!」
敵航空機と言うのは航空自衛隊F15戦闘機25機、米空軍B4無人爆撃機30機、グレーシス空軍J8T戦闘機10機、アコースティ空軍AF-2戦略機5機が接近中である。ボルドー空軍とミサイル軍は撃墜命令を受けて100機超えのうX-2制空戦闘機を緊急発進させた。
「敵戦闘機約70機を確認。迎撃開始!」
「敵戦闘機からミサイル発射を確認!総員回避行動!」
「マリーン!避けろ!」
ボルドー空軍戦闘機は日米航空部隊と空中戦を展開した。70対100の戦力差があるものの数時間経過しても均衡していた。
「くそ!奴らしぶといな・・・」
「隊長!ロックオンされました!」
「了解、援護する!」
味方も敵も次々と撃墜されていくなか、戦闘機隊長のサワーは味方の援護についていた。空中戦開始から6時間で15機の戦闘機を撃墜していた。
「機隊長!敵戦闘機が撤退を確認!」
「了解!全機に告ぐ!敵戦闘機部隊の撤退を確認!各機は基地へ帰投せよ!」
その後、ボルドー空軍38機の帰投が完了した。この本土空中戦にて62機の戦闘機を失った。また、各空軍基地爆撃や戦闘機被撃墜により135人の軍人が死亡した。一方の日米側の損害は70機の内28機の戦闘機を失った。F15戦闘機12機、B4爆撃機14機をボルドー空軍とミサイル軍は撃ち落とした。空中戦終了後から2時間後アスキー指導と国防相に報告した。
「アスキー指導、先程の空中戦にて空軍作戦機62機が撃墜されました。また、敵爆撃機の爆弾投下によって空軍基地とミサイル発射基地所属の軍人を含めた135人の死亡を確認しました。また、負傷者1000人と被害甚大です。一方敵戦闘機は28機しか撃墜できませんでした。以上で報告を終わります」
「うむ。報告を見る限りこの空中戦闘は我々の負けで良いのかな?」
「そうかもしれません・・・」
「分かった。爆撃による死傷者の手当てを行え。今回の空中戦闘での捕虜はいるか?」
「敵戦闘機撃墜後に脱出に成功した日本人8人とグレーシス人2人の捕虜を獲得しました。現在手当てと食事を与えています」
「分かった。捕虜は丁重に扱えよ?」
「もちろんであります」
開戦から一週間、ボルドー国側も被害が出ているもののアスキー指導は打倒G7のため更なる作戦実行を決意する。
至らない点がありましたらよろしくお願いします。




