8.5-6 第2期地上演習 インフィニティ 2
1月29日、この日の演習は午前が輸送支援演習、午後が第2回紅白戦となっている。輸送支援演習は戦闘地域への弾薬補給や物資・人員の輸送など重要な役割を担っている。
「今日は輸送支援演習だ。戦闘地域がこの演習場だと想定し、戦闘員への弾薬補給や物資の援助、食料の補給など今後に生かすことの出来る演習である。それでは各員配置に着き次第、演習開始する」
戦争・紛争での輸送任務は戦況の変化に大きく繋がる。第二次世界大戦では日本海軍の輸送艦が米軍に潰され、物資が届かない状況が長く続き、苦しむことになった。
そしてまず最初に銃撃が飛び交う中での輸送支援任務である。参加車両は自衛隊の弾薬補給車、米軍の人員輸送車、グレーシス共和国の輸送戦闘車、エルヴィス軍の食料貯蔵車、アズール民主国軍の護衛戦闘車、武藏連邦軍の輸送偵察車、アコースティ軍の無人輸送車である。この中でも強力なのがグレーシス軍の輸送戦闘車で、輸送中に攻撃を受けた場合、上部と後部に武器を装備している。また、アズール民主国軍の護衛戦闘車は物資輸送中の車両と並行に護衛して攻撃があった場合に反撃する優れた車両である。この車両は日本政府も配備を検討している。
「まもなく交戦地域に到達。交戦中の味方戦闘員の物資支援を行う」
「了解。怪我人の確認も怠るな」
「こちら弾薬補給車1から司令部へ。交戦地域に到着。弾丸が車体右側に着弾。負傷者2」
「司令部から弾薬補給車1へ。負傷者の応急手当を行い、援護射撃と共に迅速な物資・弾薬補給支援を実施せよ」
「了解」
交戦地域に到着後、敵勢力からの攻撃があり、負傷者が出たという設定で訓練は進んでいる。負傷者役は血糊を使って演技している。
「これ演技だけど何かやだな・・・」
「実戦だとガチの血を目にすることになるかな。真面目にやるんだ」
「了解」
その後、護衛戦闘車、輸送戦闘車の援護射撃の元戦闘員の弾薬補給を行った。今回扱う弾薬はゴム弾でも実弾ではなく空砲を用いている。
「援護射撃中の護衛戦闘車2両が敵の攻撃で走行不能。破損部位を見る限り車内全員負傷している可能性が高い。至急救急戦闘車を」
『こちら司令。ここまでの動きとても良い。至急救急戦闘車を派遣し、救護活動にあてる』
「了解」
物資輸送中に護衛戦闘車等が攻撃を受け、走行不能となり、車内で負傷者が多数確認されたという設定で進んでいる。担当司令のアドバタイはここまでの動作等スムーズであるため好評であった。
「味方戦闘員への物資・食料・弾薬補給任務遂行。これより撤退を開始する」
『了解。戦況を伝えよ』
「味方戦闘員への支援での負傷者は約30名、走行不能車両は2両。走行不能車両に対して牽引戦闘車を手配を求める」
「状況報告感謝する!」
その後、輸送支援演習が終了し皆疲れきった顔をしていた。
そして昼食を挟み第2回紅白戦となった。前回とは別の組み合わせとなった。紅組に自衛隊、アコースティ軍、エルヴィス軍、白組に米軍、武藏連邦軍、アズール民主国軍、グレーシス共和国のグループ分けとなった。さらにルールの一部が変わり、空砲の使用が許可された。
「これより第2回紅白戦を開始する!疲れているかもしれないが楽しんでもらいたい!それでは始め!」
その後の紅白戦の流れは午前中の疲れを吹き張らすように紅白戦を楽しんだ。今回は白組が優勢であるものの紅組も抵抗を見せている。その結果白組の勝利となった。勝敗は50試合やり31勝19敗となった。
「これにて第2期地上演習2日目の演習を終了する。今日の動きはとてもスムーズで素晴らしかった!皆紅白戦でリフレッシュはできただろうと思う。第三回もあるので頑張ってもらいたい。また明日は休みである。ゆっくり休むように!では解散」
2日目の演習が終了した。次の日は休みであるため全隊員は疲れがかなりとれるだろう。しかし休みの日の翌日はレンジャー演習となる。
次話もよろしくお願いします。何か不備がありましたらよろしくお願いします