7-6 焦り
日米連合部隊がアコースティにてミサイル攻撃を受け、半数以上の隊員が死傷してから一夜明け、日米防衛相会談が緊急で開催され、今後の作戦や停戦などについて話し合われた。
「まず、昨日の経緯を説明します。ご存知の通りアコースティ第7特殊海軍基地を制圧し、首都攻略部隊が本土に上陸しゲリラとの交戦の後、敵首都から大規模なミサイル攻撃を受け壊滅状態に入り、司令部から撤退許可が出ました。これであってますか?」
「合っています。」
「今後我が国は以前向こう側から出された停戦合意を呑もうかと思っています。いかがでしょうか。」
「それはダメだ!以前出された時には我々はそれを突っぱねた。もし合意してしまえば相手の思う壺になる。ここは慎重に行かなければならない。」
「すみません。考え直します。」
加藤防衛大臣は呼吸を整えた後、このように言った
「今後の作戦や計画はどうなりますか?」
「そうだなぁ昨日のことみあったし・・・」
米国防長官は考え込むように
「今後5日以内に再上陸を行い、迎撃体制を整えて任務を行うという計画だ。どうだ?」
「5日!?少し早すぎませんか?それだと部隊の疲労が半端なくなりますよ?」
「敵はしつこく攻撃してくる。もし5日以内に出来なければ敵軍は戦力を結集させ、再び我々を殲滅するかもしれない。」
アコースティ軍は以前在日米軍撤退時に第7艦隊との交戦中速やかに破損箇所の修理などを行なっていたため再生能力は高いと推測される。
「なるほど・・・総兵力はどれくらいにするのです?」
「8万人で半数以上がやられたとすると・・・」
国防長官は再び考え込むとある数字を導き出す
「ざっと30万人だ。」
「30万?!多すぎません?」
「カトウくん。君は何人だと思ったんだい?」
「私はてっきり2倍の16万人かと思いました。」
アメリカは異世界転移後、不測に事態に備えるため米軍総兵を300万人から400万人にしてきた。
「16万ねぇ・・敵残存兵力は何人だ?」
「ざっと150万人程度かと」
「150万なら30万人じゃ足りないな・・・よし80万人にして」
「せめて35万人にしましょう!それだと時間がかかり、敵の目に見つかってしまいますよ?」
「確かにな・・ではカトウくんの通りに35万人にしよう。」
35万人派遣が決定し、作画概要や行動範囲や武器の無制限使用、敵の無力化などの計画網を記した書類が完成した。
ーー自衛隊 新たに6万人派遣へーー
ーー日米合同作戦 35万人になる見通しーー
などとミサイル攻撃を受け、大規模な被害が出たというニュースは報じられなかった。理由としては報じた場合に反戦デモによってこれ以上の派遣が不可能になるため米政府から報道しないようにと通達があった。
新渋谷 新スクランブル交差点
新渋谷の新スクランブル交差点は世界戦争で攻撃を受けた渋谷区は壊滅的被害にあった。まだ未完成の場所はあるものの、渋谷駅やスクランブル交差点周辺を復興させ、新渋谷区の完成・新渋谷駅・新スクランブル交差点など新しく生まれ変わった渋谷がここにある。
街頭掲示板を見ている人は
「見てあれ自衛隊6万人派遣だって!すごくない?戦地で何かあったのかな?」
「分からない〜でも自衛隊の人は頑張ってくれてるから応援しなきゃね。」
2人の女子高生はそう言いながら新渋谷駅に向かって歩いていた。すると新ハチ公前でデモをしている人がいた。小規模だが言葉が荒い。
「政府は何か隠している!隠していなかったら6万人も自衛隊を派遣していない!苦戦してるなら正直に言ったほうがまだ早いぞ!」
などの声が上がっていた。このアコースティとの戦争はどのような結末を迎えるのか。アメリカは密かに強固な攻撃処置を取る計画を立てていた。
すこし遅れましたがよろしくお願いします。
 




