6-3 第二次東京裁判(2日目 B級対象者)
5月12日、C級対象者の判決終了後、この日からB級対象者の裁判が行われていた。B級対象者には懲役20年以上の判決が下される予定である。
この日B級対象者代表で50人がさいたま地方裁判所に赴いた。。この日裁判長を勤めるのは冨士原広大。彼は数多くの裁判で判決を下してきたかなりのベテランである。
「これよりB級対象者の裁判を開始する。よろしく。」
冨士原裁判長は低い声で挨拶した。裁判長はこの日の裁判官を紹介した。B級対象者の裁判官には日野孝太、アダム・ジーニア、安達圭らがB級裁判の担当となった。
「B級対象者代表に質問します。あなた方は戦争中民間人に対し戦争への参加の呼び掛けや混乱に乗じて秩序と富貴を乱すなど平和に対する犯罪を行いました。間違いありませんね?」
B級対象者は全員うつむいていた。
「番号B-1。質問に答えなさい。」
「・・・・」
B-1は黙ったままだった。黙認をすると追加懲役が連帯責任として下される。
「B-1!質問に答えろ!」
冨士原裁判長は黙ったままのB-1に怒声をかけた。
「・・・私は戦争中自我を忘れるが如く平和秩序を乱してきました。その時何度かこういうことをやってだめだ。そう思ったのですが直すことができませんでした。私たちはいかなる罰も受けます。」
B-1は鼻をつまらせて話した。それに対し裁判長は
「よろしい。では他の者も同じ意見かな?」
B-2以降の代表者は全員首を縦に振った。
「君たちの言いたいことは理解した。しかしやってからでは遅い。それに君たちはまだ20代のように若く見える。今後20年間自分がどのように行きいていきたいか、どのように生まれ変わって何をしたいか。それをよく覚えておきなさい。」
その後、B級対象者の判決がいい下された。
「B級対象者全員を懲役20年以上とする!また、服役中に犯罪等を犯した場合追加懲役10年が言い渡される。連帯責任であるため全員が同罪となる!」
「以上でB級対象者の裁判を終了とする。20年後の君たちがどのような逞しい人間になっているかを期待している!」
この日のB級対象の裁判は終了した。次からはA級対象者の裁判が東京で行われる。また、C級対象者とB級対象者には終身刑等生涯を牢屋で過ごすことはない。しかし、服役後の人生は自分自身で考えることとなるのは確かである。C級・B級対象者にはまだやり直す機会がある。彼らは服役中何を思うのか。
次回は3日目を描きます。よろしくお願いします。




