5-22 赤き聖夜
12月下旬。多くの人々が一年で最も楽しみにしている行事クリスマス。しかし、世界で戦争が起きているためいつ空爆があるか分からない状況であるため政府は外出禁止令を出し、屋内で過ごすようにと言われた。また、期間は12月20から12月31日までとなった。
「我が国上空では現在空自による警戒を行っています。国民の皆様にも是非ともご協力願いたいです。」
大島総理は記者会見でこのように発言した。多くの国民は反対派が多いかと思ったが案外にも賛成派が多くいた。
12月25日。日米ともにクリスマスになった。しかし、
「こちら百里基地。未確認飛行物体が我が国の防空識別圏に接近中。防衛省に報告中。」
『こちら防衛省。報告を受け取った。総理に指示を仰ぐ。』
「了解。スクランブルを行う。」
百里から離陸した20機のF2は目標地点へと向かった。
政府対策室
「総理、未確認飛行機が我が国の防衛識別圏に入り、百里からF2が離陸しました。」
『こちらF2。これより未確認機との接触を試みる。』
F2では
「あのマークは・・・!『こちらF2の木ノ下。未確認飛行機は連合国軍のもの。機体に花のマークあり。指示を求む。』」
「こちら政府対策室。警告を行い、従わない場合は武器の使用を許可する。」
「総理?」
「武器を使わないと国民に更なる犠牲が出る可能性がある。これも自衛の1つだ。これより武器の使用を許可し、迫り来る敵をあらゆる手段で排除せよ。」
『了解。警告を開始する。』
F2は警告を行った。
「貴機は我が国の領空を侵犯しようとしている。直ちに退避すべし。」
以前敵戦闘機は警告を無視していた。
「撃墜する。」
F2からミサイルを撃った。また、敵戦闘機から威力がすごいとされる火炎ミサイルを首都圏方面へと撃った。F2のミサイルは敵戦闘機に命中し撃墜した。
「政府対策室に報告。敵戦闘機警告を無視したため撃墜。さらに敵戦闘機からミサイルが発射され関東方面に発射された。迎撃求む。」
「了解。任務ご苦労。後は我々が対処する。」
大島総理はJアラートの発令と市ヶ谷のミサイル部隊に迎撃を命じた。
「Jアラート発令とミサイル迎撃を命じる。」と司令した。
ーー政府 Jアラート発令 直ちに屋内へーー このようなニュースが流れた。外出禁止令が出されていたため人手は多くなかった。しかし各テレビ局は一斉にミサイル情報を報せた。
ーー防衛省 自衛隊にミサイル破壊措置命令ーー
東京市ヶ谷の第1防空隊ではPAC3が迎撃体制を整えていた。
「ミサイル接近次第迎撃せよ!」
「了解。」
「防衛省より通達!後10分で関東上空に入ると。」
10分後、15の敵ミサイルが関東上空に入った。
「ミサイル補足!迎撃開始!」
PAC3は20発発射した。パトリオットミサイルは12発命中し破壊した。しかし残り3発が渋谷・横浜・千葉に命中した。また、迎撃した破片が防衛省や首相官邸にも降ってきて小規模爆発が起きた。
「全撃墜に失敗!渋谷・横浜・千葉市に着弾!」
「くそ!防げなかった・・・」
ニュースでは
ーー渋谷・横浜・千葉にミサイル着弾か 被害甚大ーー
ーー敵ミサイル12発迎撃 破片が関東全域にーー
「我々は報復を行い、米軍他全同盟国で連合国の首都を占領する。作戦開始は1月。オペレーション【piece】と並行して行く。」
12月26日、被害が明らかになった。死者7万人 行方不明者14万人という最悪な事態となった。警察・消防・各自治体は復旧作業に努めたものの二次災害の危険性が高まることから渋谷区・横浜市・千葉市の閉鎖を行った。しかし、捜索は続いた。この日日本人にとって最悪なクリスマスとなったことから【赤き聖夜】と呼ばれることになった。
次話から第5章の終盤です。よろしくお願いします。




