5-21 弱点
アズール社会主義共和国 副首都 ニフレル
ここには連合軍のミサイル関連の主力が大量に駐留している。
「隊長。依然敵航空機は確認されていません。」
「分かった。このまま上空に警戒せよ。」
「了解です。」
連合軍のミサイル連隊には日本やアメリカから奪ったミサイルや自国のミサイルを配備した強力部隊である。この日、派遣したスパイによると11月27日にニフレル攻略を行う文書を手にいれた。
そして今日11月27日。文書通りになれば我々の予想通りになる。
「総員に告ぐ!敵航空機を補足次第速やかに攻撃を開始せよ。」
数時間後、部隊の一人が大声を上げ、
「敵影を確認!その数およそ100!」
「迎撃開始!撃て!」
数百発の迎撃ミサイルを発射した。同盟国側は混乱したのか編隊構成がぐちゃぐちゃになっていた。
「敵戦闘機にミサイル命中!どんどん落ちていきます!」
「素晴らしい!そのまま集中攻撃だ!」
同盟国軍は劣勢となった。100機いた戦闘機や攻撃ヘリは残り30機となった。F35機内では
「くそ!どんどん撃墜されている!全機ミサイルを一発ずつ撃ち、撤退を開始する!司令部に通達。こちらニフレル攻略部隊。敵の集中攻撃にあい、全滅間近。撤退する。」
『こちら司令部。報告を受け取った。もう少し早く報告し撤退してもらいたい。全滅を避けるため撤退せよ。』
「了解。報告が遅くなり申し訳ございません。全機に告ぐ!撤退を開始せよ。」
撤退に成功したものの撤退中に撃ち落とされたのが12機。無事に同盟国軍基地に帰投できたのが18機。全滅寸前であった。
「司令。申し訳ございません。報告が遅れたことによる私の責任です。」
「そうだなぁ。報告遅延による敗戦だ。しかしあの状況で通信できたから仕方ないのかもしれない。しかし、これは私も調査不足による責任もある。お互い様だ。」
「ありがとうございます。」
しかし、今回の件で情報不足による装備の損失と報告遅延によってグジャラ司令官と福田空自隊員は2か月の停職となった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
同盟国空軍の撤退後のニフレルでは喜びに包まれていた。しかし同盟国軍の撤退時に放ったミサイルは陣地に数ヶ所命中し被害が出た。
「死亡者数の確認を急げ!」
「今回のミサイル攻撃によって死亡した同志は約450人です。敵のミサイルの威力が少し強かったからと思われます。」
「分かった。報告ありがとう。では皆の衆。今回の戦闘で勝ったことを大いに喜び、そして亡くなった仲間に深い哀悼の意を示そう!黙祷!」
全員1分程度の黙祷が行われた。この国でも黙祷があるようだ。
「黙祷終了。では今回の作戦成功に乾杯!」
11月27日。この日は連合国にとって良い一日となった。一夜明け、撃墜させた戦闘機の回収と研究が行われた。また、撃墜させた戦闘機からは死体も発見された。司令官は墓場を作り、数百人を埋めた。
研究の方では
「この日の丸がついた青い戦闘機とは始めてみた。おいこれ見たことあるか?」
「以前見たことがあります。爆弾のようなものもたくさん積んでいました。」
「そうかこれを直せば奴等が持っているものと同じものを操縦できる。直そう!」
同盟国軍は今回の作戦失敗で久しぶりの敗戦となった。日本はあの時(ミッドウェー海戦)みたいにならないことを祈った。
次回もよろしくお願いします。