5-20 NSC ~国家安全保障会議~
11月、世界戦争が開戦してから6か月弱が経過した。アメリカはアズールに核をちらつかせている。国際同盟に申請を出した。
国際同盟 原子力系兵器議会
「合衆国はなるべく使いたくはないが核を使い、敵の士気を下げる選択肢もある。皆様はどうでしょうか。」
「我が国はまず貴国の核の威力を知りたい。どれくらいの犠牲があるのです?」
「我が国は昔日本と戦争した際、広島と長崎に原爆を投下しました。約80年前のことです。その時点で約15万人の方が亡くなられました。」
場内がざわついた。無理もない。一発の爆弾で10万以上も犠牲になるなんてこと
「80年前の時点でその威力ということは今の技術力だとどうなるんだ?」
「そうですね~今の威力だと1つの首都が吹き飛ぶくらいですかね。」
さっきよりもざわついた。
「それでは議長殿。核戦力の使用の許可を求めます。」
「今回のアメリカ合衆国の提示案に反対する。」
「何故ですか?」
「使って速く戦争が終わるのは良いに越したことはないが、無関係の民間人を全員殺すのはさすがにやりすぎだと思う。それが理由だ。意見はあるかね?」
「いえ。大丈夫です。」
「いい忘れていたけどその核とやらの使用は慎重に扱うように。」
「はい。」
この日アメリカの国同大使は神妙な面持ちで退出した。
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日本国 首相官邸
この日、国家安全保障会議(NSC)が開催されていた。この日加藤防衛大臣は2035年末までに行う長期防衛力の整備と今後の国際情勢について話が行われていた。
「この世界戦争が始まって6か月。200万を越えた死者。我々はこの苦境に立ち向かわなければならないのです総理。そして中田財相、是非とも防衛費20兆円を2035年度までにお願いしたい。」
「20兆円ですか。それは厳しいかもしれません。何せ現時点での日本の防衛費は14兆円です。残り6兆円上げると国民に更なる負担がかかり厳しい経済になるかもしれません。」
「分かりました。すみません。」
加藤防衛相は早期の終戦を願い、そして多くの国民が救えるならと思ったがさすがに早とちりしすぎだと感じていた。
「では次に、今回の世界戦争で我が国の弱点が浮き彫りになりました。それは対空装備です。現在自衛隊が使用している12式や89式、20式など非常に強力ですが敵国からしてみれば弱い方だと思われがちです。敵は火炎系ミサイルを用いて陣地を破壊します。その威力はMALSの2倍の威力かと思われます。総理はどのように考えておられますか?」
大島総理は腕を組み、難しい顔をしてこういった。
「私からすると航空戦力の回避能力の向上を優先すべきかと思います。いくら対空ミサイルを増やしても味方戦闘機が敵の対空ミサイルの餌になったら元の子もありません。」
「言われてみれば確かにそうですね。一度これは防衛省に持ち帰らせていただきます。」
その後、1時間半程度で終了した。この世界戦争で日本の未来はどのように変わっていくのか。
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