5-19 函館奪還作戦【終ー終】
函館 五稜郭内
ここには連合軍4万人の生き残りがいる。エミュ将軍は
「明日10月1日にこの五稜郭という所で籠城を行う。気を引き締めていけ!」
「はい!」
同盟国軍は15万人、連合国軍は18万人が死亡した。エミュ将軍はここまでの負けっぷりに怒り心頭だった。
「全力で守りを固めるのだ。すでに半分は完成しているが更なる強化を行うぞ!俺も手伝うからしっかりやるぞ!」
将軍の掛け声に連合軍兵士の士気がMAXに上昇した。しかし五稜郭外は同盟国軍が蔓延っているため迂闊に外にいけない。
同日 札幌市
「司令部。明日からの作戦はどのように始めますか?」
「いよいよ明日だ。部隊のトップ全員を集めろ。」
数分後、司令部通信室に10人の部隊のトップが集まった。
「明日以降の任務を説明する。まず、爆撃部隊が五稜郭及び周辺を爆撃する。そして敵の数がある程度削れたら第2段階に移行する。予想作戦終了日は10月10日とする。それ以降は空港の奪還を行う。以上だ。」
司令の「以上だ」という言葉に全員すぐに立ち上がり、敬礼した。
「明日からの作戦に備え休め。」
「了解。」
翌日から始まる作戦は山場を迎える。両陣営とも苦戦が強いられている。
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10月1日、五稜郭攻撃が始まった。爆撃機の他に攻撃ヘリが秋田や三沢、千歳から出撃した。
「目標は五稜郭。集中していくぞ!」
「了解!」
15分後、五稜郭付近に接近した。
「まもなく現地到着です。敵の対空ミサイルに注意してください!」
「機長。敵対空兵器が接近中です。」
「全機散開せよ!」
しかし上空攻撃部隊は0機編隊のうち、18機が連合軍の餌となった。
「全機爆撃及び五稜郭を攻撃せよ!仲間の死を無駄にするな!投下!」
攻撃部隊による攻撃で五稜郭には大損害となったが、敵部隊が全くいなかったことから地下にいると予想された。
「敵影ここから見ても全くいません!地下に潜伏している可能性があります。米国の貫通弾搭載の爆撃機を要請します。本土からだと数日はかかると思います。ここからは地上部隊に任せましょう。」
「そうだな。全機対空ミサイルに警戒し、各基地に帰投せよ。」
「了解。」
爆撃から4時間後、敵兵器から避けるため迂回して各基地に帰投した。
「地上部隊に通達。爆撃は成功した。しかし敵は地下で籠城している模様。警戒を怠らず攻略せよ。」
「了解。航空支援感謝する。」
報告を受け取った攻略部隊長は各隊員にこう告げた。
「各隊員に警告。敵は五稜郭の地下にて籠城を行っている模様。攻略中に攻撃を受けたら元の子もないからな。これより、対空・対地・前後左右の警戒を厳とする。そして今日は天候が不良なため作戦は明日からとする。各自休息をとり、敵の動向に注意しろ。」
「了解。」
天気が不安定であったため各隊員は休息をとり、明日からの戦闘に備えた。
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翌日、昼食後に攻略部隊が五稜郭に攻撃を開始した。
「敵を見つけ次第撃ち殺すのだ!」
何時間もの間銃撃音が響き鳴りやむことはなかった。ただひたすらに地の臭いがプンプンと漂っていた。
「衛星兵!こっちも頼む!」
「隊長!戦車の援護要請を求めます!」
「ダメだ!なるべく五稜郭の被害を抑えたい。ましてやここで戦車を走らすならば破棄されて肉片だけになるぞ。だからここでは戦車は使わない。ほら敵がわんさか来たぞ!」
「撃て撃て撃て!敵を残さず片付けるのだ!」
数時間したのち敵の姿が見えなくなっていた。おそらく地下に戻ったのだろう。これ以上は被害が増えるだけであるためこの日の戦闘は終了した。
10月4日、作戦開始から3日が経ったものの互角の戦いを繰り広げている。また、米空軍の貫通弾搭載型爆撃機が三沢基地に着いたことを受け、攻略部隊はここにいると貫通弾の餌食になるため外に退避した。
「全員一時外に退避だ。第二次爆撃が始まるからな。」
攻略部隊は五稜郭から少し離れた。6時間後、第二次爆撃が開始された。
「地上部隊。応答せよ。こちら第二次爆撃部隊。退避完了の報告をしてください」
「こちら五稜郭攻略部隊。全員の退避が完了しました。」
「了解。これより爆撃を開始する。」
その後、地上貫通弾を投下した。
「地下貫通弾投下!投下!」
数発の地下貫通弾を投下した。着弾後、大爆発が起きた。
「目標に着弾。基地に帰投する。攻略部隊に報告。攻撃は成功した。明日から攻略することをおすすめする。」
「了解。」
翌日、攻略部隊は再攻撃を開始した。
「これはすごいな。地下までいってるなぁ。
目の前にあるのは大きく抉れた五稜郭があった。これは本当に敵はいるのか?と考えた。
「隊長。敵司令部への入り口と敵の死体を多数確認しました。敵は全滅かと思われます。」
「報告ありがとう。生存兵を発見したら人道的に扱え。」
「了解。」
あのような爆撃で生存者がいると思わなかった同盟国軍兵士も多いだろう。しかし、5名の生存者がいた。この5人は負傷していた。
「生存者を発見。隊長。生存者がいました!至急手当てを開始します。」
「了解。手当て完了次第函館病院に搬送せよ。」
衛星兵が手当てしたあと救急車とドクターヘリで函館病院に搬送された。この5名以外は全員死亡していた。
「作戦司令部に報告。五稜郭の奪還に成功。敵の生存者5名を確認。函館病院に搬送させました。以上が報告です。」
『報告感謝する。生存者に関しては人道的に扱うように。次の作戦開始日は11日だ。休息をとるように。』
五稜郭戦闘は激しいものだった。次なる任務は空港の奪還である。この任務が終了すれば函館奪還作戦が終了する。また、その間に予定されていた東富士で行われる敵兵器の実弾訓練が来年になった。
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10月11日。空挺部隊と地上部隊による空港奪還が開始された。空挺部隊は降下時に地上から攻撃を受け半数以上が犠牲になった。その後に地上部隊が空港ターミナルに突入し交戦した。
「飛行機内に逃走。飛行機を爆発させる!」
「了解。」
ウクライナ侵攻や台湾・尖閣侵攻で役にたったジャベリンを用いて敵車両を破壊した。
「敵車両を撃破。また、滑走路の敵航空機を破壊する。」
数時間の間滑走路でにらみ合いが続いた。12日の午前10時に攻撃が始まった。
「敵航空機を集中的に狙え!」
数時間後敵航空機を全破壊させ、敵兵力を半壊させた。
「敵戦力の削減に成功!空港の制圧を開始する。」
制圧が開始され、敵の抵抗もあったがことごとく敵を撃っていき捕虜を得ていった。13日、空港の事務所に敵残存兵力が潜伏していたため殲滅した。13日の正午、連合軍の函館占領部隊の降伏を受理した。
「こちら函館作戦部隊。連合軍の降伏を確認。函館奪還作戦の終了を報告します。」
『こちら作戦司令部。任務完了報告を受け取った。敵の捕虜は警察の護送車に乗せ収容所に移送させよ。』
「了解。」
「全員終わったぞ!!!今日のビールはきっと上手いだろう!」
函館奪還作戦成功を受け、隊員は歓喜した。
函館奪還作戦の開始から2か月。同盟国軍死者19万人、連合国軍23万人が死亡した。敵の捕虜は2万近くとなった。
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首相官邸
「総理、函館奪還成功しました。」
「よくやった!本当によくやった。」
この日日本中いや同盟国中が喜んだ。速報では
ーーー速報 函館奪還に成功 防衛省ーー
このニュースが流れた際、日本のトレンドには奪還や戦勝など喜びのコメントが相次いだ。例えば
ー函館奪還おめでとうー ー部隊の皆さんゆっくり休んでくださいー などのコメントが多かった。
翌日、同盟国軍は函館から撤収を開始した。隊長らは固く手を握りこれからもよろしくお願いします。と誓いあった。函館には自衛隊が最終的に警備を任された。こうして2か月におよぶ奪還作戦は終了した。
しかし、まだ世界戦争は終わらない。各隊員はこれからも戦い抜くことを誓った。
函館奪還作戦ようやく終了です。まだまだ世界戦争編は続きますのでよろしくお願いします。