5-17 函館奪還作戦【終】
日本国 首相官邸 記者会見場
9月22日、大島総理は記者達に現在の世界の状況と函館奪還の件や戦中・戦後の体制について説明する。
「現在我が国は米国との共同作戦においてアズール社会主義共和国含めた連合国との戦闘において敵戦力の大幅な低下に成功しました。しかしこの戦争で殉職された自衛隊員に深い哀悼の意を表します。そして、現在函館奪還作戦が行われています。これは戦後初のアメリカの間接統治以外での都市占領が行われてしまいました。これは指揮を執る私の責任もあります。また、延期された総裁選は終戦後に行われる予定です。それから、連合国とは無条件降伏を受けるまで自由を守るために戦います。以上です。何か質問あるかたはいらっしゃいますか?」
数人の記者が挙手をした。総理は日本新聞の明日記者を指名した。
「日本新聞の明日です。ご指名ありがとうございます。2つ質問があります。1つは終戦後に総裁選を行うとおっしゃっていましたが次の総裁選も出られますか?」
「もちろんです。私は国民の自由と財産そして領土領空領海全てを守るためには手段を選ばない所存です。」
「分かりました。ありがとうございます。2つ目なのですが戦後はどのような体制を取っていきますか?」
「仮にこの戦争に負けた場合は相手方の指示のもと新たな日本国を目指し、勝った場合はアメリカと協力していきます。」
「なるほど。ありがとうございます。」
その後大島総理への質疑応答は5人行い会見は終了した。大島総理は終了後、奪還作戦司令部と電話会談し奮闘を祈った。
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9月23日 函館山と函館港奪還の合同作戦が開始した。第1空挺団や第1艦隊やグレーシス共和国航空陸戦軍その他5ヵ国の空挺部隊が参加した。第1空挺段などが函館山、奪還地上部隊が函館港となった。
『これより函館奪還作戦のphase3を発動する。今日の1200(ヒトフタマルマル)と同時に訓示と開始合図を出す。』
「了解。正午に滑走路に集合!」
「おう!」
習志野から三沢基地へと移動した同盟国空挺団の士気はMAXだった。海老名副隊長は
「昼飯はしっかり食べろ!腹が減っては戦は出来ぬというからな。同盟国の方々も食事しといていください。」
「分かりました!エビナ副隊長!」
11時に昼食をとった。各隊員はこれが最後の食事になるかもしれない。または明日は生きているだろうか。そんな気持ちが込み上げてきたが挫けてはいけないと思い米と肉をかきこんだ。そして11時40分
「全員集合!出発まで20分あるが訓示が来たから聴くように!」
『君たち空挺団はこれから地獄の地へと踏み込むことになる。諸君も分かっていると思うが同盟国軍の一員として国民を精一杯守ってもらいたい。そしてこれは訓練ではないこと、簡単には生きてかえってはこれないこと。それをしっかりと肝に命じておいて欲しい。以上を訓示とする。』
「よっしゃー行くぜ!」部隊の士気は落ちるどころか急上昇だ。
「よし。全員搭乗!15分くらいで着く。」
C17輸送機に乗り込んだ空挺部隊は大空へと飛び出した。
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同時刻 函館
空挺団が出発した知らせを受け同盟国軍は戦車100両、ドローン150機、攻撃機他まもなく到着する同盟国海軍の大型戦力で函館港へと進軍を開始した。
「総員に告ぐ。対空及び前後左右の警戒を超厳とせよ。敵はどこから来るか分からない。」
無線で攻撃部隊に命令を出した。
「隊長。ドローンが港停泊中の敵艦隊を補足しました。攻撃を開始しますか?」
「うむ。攻撃開始!」
150機のドローンには小型機銃が搭載されている。その全てが敵艦隊に放たれた。
「目標に命中。隊長敵は混乱している模様。襲撃をかけます。」
「了解。全車・全機目標停泊中の敵艦隊を総攻撃せよ!」
同盟国軍は停泊中の敵艦隊を攻撃した。待ち伏せもされていて被害が出たが敵の海軍司令官を捕らえた。
「艦内の司令室を制圧せよ!船を動かさせるな!」
戦車部隊は敵艦の船体を砲撃。ヘリコプターは機銃掃射で敵を一掃した。
「敵兵力の殲滅完了。これより甲板に着陸する。」
攻撃ヘリコプターは敵艦隊の甲板に着陸、戦車部隊は敵の攻撃を受けながらも周辺を制圧した。
『こちら艦内占拠チーム。司令室の制圧完了。』
『こちら輸送艦制圧部隊。艦内の敵排除。』
続々と良い報せが来た。しかしまだ函館港は奪還できていないのであった。それは周辺に潜伏中の可能性と函館沖にまだ敵艦隊がいるからだ。また、遠くから輸送機の音が聞こえてくる。空挺団なのだろう。山の奪還に苦戦していたら援護すると通信を送った。
まもなく函館奪還作戦終わります。よろしくお願いします。