5-12 函館奪還作戦【中】
9月2日、作戦開始から1ヶ月が経過した。同盟国側は翌週の8日に海上作戦で港の奪還行う。ここを奪還すれば同盟国側は優位に立つ。
北海道札幌市 奪還作戦司令部
「今日で大体1ヶ月ですね司令。そろそろ大規模な爆撃を行いませんか?」
「いやまだだ。俺は機会を見計らう。それまでは待っててくれ。」
この小山作戦司令官は転移前の台湾侵攻でも沖縄奪還作戦で司令官として部隊の士気をとっていた。信頼できる司令官なのである。転移前当時小山の同僚であり沖縄奪還作戦隊長の御室幸哉は那覇市で中国軍と交戦して殉職した。後に小山は御室のためにも頑張らなければならないと誓った。
「どうしましたか司令。」
「いや何でもない。少し前のことを思い出していた。気にしないでくれ」
「分かりました。」
小山司令は神妙な面持ちでマイクに声を当てて指揮していた。
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航空自衛隊 秋田基地
この基地には自衛隊唯一の大型爆撃機部隊が駐機している。その数15機。世界戦争が始まってから新しく編成された部隊で、第1爆撃隊という名称である。日本政府は第2爆撃隊を2027年に奈良県の大和に新設する計画である。
「全員今日の訓練を開始する!指定の場所に集まれ!!」
「第1班点呼完了です。」
「第2班点呼完了です。」
その後第3・第4・第5班の順に点呼が完了した。
「いいか今函館では大規模な戦闘が起きている。秋田から函館まで爆撃機ならすぐだ。そしていつ出撃するかは我々も分からない。本番だと思ってやれ!」
「おう!」
9月5日、この日の訓練は秋田沖に出て実弾を目標に投下する訓練を行う。
「全員搭乗!これから秋田沖に出るが函館出撃命令が出されたら直で向かう。いいな?」
「はい!」
搭乗後機内は緊張感が漂っていた。何分かした後、投下目標のある秋田沖に到着した。
「投下目標まで500m。投下準備を開始せよ。」
「目標到達!爆弾投下!投下!」
15発の爆弾を投下した。何発か命中しなかったが目標の破壊に成功した。
「目標破壊!良い投下だったぞ!」
「ありがとうございます!」
その時基地司令から通信が入った。
『こちら秋田基地第1爆撃隊司令部。訓練中の爆撃隊に通達。函館に出撃要請が入った。至急基地に戻り補給を整えて出撃せよ。』
「了解。基地に一時帰投する!」
隊長の言った通り出撃要請が出た。出撃機は6機編隊と決定した。基地到着後燃料や爆弾装置を設置し、6日に出発することが決まった。この爆撃は後ぼ作戦にどのような影響を及ぼすのだろう。
次話もよろしくお願いします。




