プロローグ
タイトルは仮なので変えるかもしれないです!
初小説!よろしくお願いします〜!
「誰…?」
俺がそう呟くと、1人の女性が泣き始めた。
周りを見渡し、ここが病室なのだと理解した。長い間ベットに横たわっていたせいか身体中が痛い。
一息ついて、なんで泣いてるのか、と一瞬考え、察しがついた。
横たわる自分と体につながる管、周りにいる見慣れない人たち、そして、思い出せない自分の名前。
「何も、思い出せない」
震える声でそう呟いた。
すると顔の整った若い男が「心配しなくて大丈夫だよ」と、軽く肩と叩いた。男は貼り付けたような笑顔をしていた。
周りにいるのは、涙を流す黒い髪の女性、医者らしき髭の生やした渋い男性、そして肩を叩いた若い男性だ。
「痛いところはないか?」
「…いや特には、少し体が重い感じはするけど」
「そうか、良かった、これから少しずつ検査していくからな」
近くの鏡を覗くと、そこには少し頬のやつれた少年が映っていた。これが自分か。
名前も思い出せないのに、鏡に映る自分の姿には何となく見覚えがある気がして安心した。
「君の名前は白銀圭人。事故に巻き込まれて、今このような状態になっています。私は君が入学する高校の教師の市川アリサです。」
「俺は医者の日比谷だ。基本的に医務室にいるからな。体調悪くなったりしたらすぐ来いよ」
女性は如何にも真面目そうな雰囲気が出ている。凄く綺麗な人だ。
医者の方は、よく見ると胸ポケットからタバコが顔を出していて、今にも吸いにいきたそうにムズムズしている。
そして若い男性はいつのまにかいなくなっていた。
なんだよ!純粋に心配してくれてるの女の先生だけかよ!と思いつつ、美人な女の先生が心配してくれるのは普通に嬉しいし、医者の飄々とした雰囲気が逆にさらなる謎の安心感を生み出した。
「俺は、白銀圭人…、これからどーすんの?」
「うちは全寮制の学校だから、色々と検査をして問題なければこのまま寮生活をして学校に通ってもらうわ。記憶が戻るよう、尽くしていきましょう」
魔法学校で寮生活。入学前に事故に巻き込まれて記憶喪失。なんて、せっかくの学生生活が残念すぎるでしょうよ…
俺って、どんな人なんだろうか。どんな気持ちで入学しようとしていたんだろうか。
窓の外を眺めると、立ち並ぶ赤煉瓦の校舎とアホみたいな広さの運動場に圧倒された。
俺の魔法生活が始まる。