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間違って転生させられた俺は、不人気のリスキージョブ「魔法狂戦士」とユニークスキル「デッド・オア・アライブ」で無双してスローライフを満喫する その1

「だっ!」


青白く煌めく刀身を、目の前の異形の怪物に向かって一閃する。

怪物の赤黒い皮膚が切り裂かれ、毒々しい緑の体液が勢いよく吹き出した。


「ガアァアッ!」

「はあっ!」


それでも倒れることもなく、手に持った巨大な斧をふるう怪物。

横なぎの斧の斬撃を、腰をかがめてかわした俺は、相手の懐に深くもぐり込み、必殺の一撃を放った。


「スキル発動、強閃フル・スラッシュ


スキルによって速度と威力を大幅に増した一撃が、相手の胴を真っ二つに切り裂いた。それでもなお、二つに分かれた上半身と下半身は、もがくように地面でのたうち回っている。


「まったく、なんてタフさなんだ。さすがは突然変異で稀に生まれるという、ゴブリンの上位種、ドレッド・ゴブリンだな……」


その生命力と腕力はトロルの上位種にも匹敵し、しかも素早さは並の人間の戦士をはるかに上回る。熟練の冒険者ですら、一対一で勝つのは難しいといわれる強敵なのだ。


「おいおい、なんて数だよ。しかも、後ろには魔法を使うメイジ・ゴブリンまでいるじゃないか。ったく、あの報酬じゃ、割に合わないぜ。あの村長、適当なこと言いやがって。帰ったら倍はふんだくってやるからな。覚悟しとけよ!」


俺の名前は「石動いするぎ 日弥輝ひびき

一年前、この世界に転生した、元社畜だ。S E(システムエンジニア)としてブラック企業でこき使われていた俺は、この世界を司る「神」とやらの手違いで、命を落としちまった。


まったく、ふざけた話だぜ。


そのおわびに、ということで、俺はその神から普通はもらえないという特別なスキルを授かった。その力で冒険者として名を売った俺は、今ではかわいいロリシスターとツンデレ猫耳娘と巨乳エルフと一緒にスローライフを満喫するかたわら、たまにこうして他の冒険者の手に負えない怪物退治を請け負っている。


連鎖する稲妻チェイン・ライトニング!」

(オール)方位からの(・ディレクションズ)氷の矢(・アイスアロー)!」

「ちっ、やるなっ」


メイジ・ゴブリンたちから、次々と魔法が放たれる。前衛のドレッド・ゴブリンを相手にしながら、これだけ魔法を受け続けるのは、とんでもないピンチだ。


「普通の冒険者なら、な。ステータス、オープン!」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

石動 日弥輝 属性:聖 26歳 男 レベル:123

JOB:魔法狂戦士マジック・バーサーカー

HP:1620/2250

MP:1580/1600

STR:777

DEF:42

INT:666

RES:42

AGI:555

LUK:0


特殊スキル:血の代償(ベルセルク) 発動中

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「へえ、血の代償(ベルセルク)発動中とはいえ、今の間に600ポイント以上のダメージか。こいつら、本当にやりやがる」


血の代償(ベルセルク)は、俺のジョブ、魔法狂戦士マジック・バーサーカーだけが使えるスキルだ。物理・魔法防御力を犠牲に、自分の攻撃力、魔法力、素早さを大幅にアップすることができる。

効果は絶大だが、あまりにもリスクが大きすぎるせいで、普通はこのジョブを選ぶ奴はいない。最初、ギルドで自分のジョブを言ったら、周りから頭がおかしいと大笑いされたくらいだ。


血の代償(ベルセルク)、ブースト!」


重ねがけによるブースト。今、俺の防御力はほとんどゼロになっている上に、ブーストによる効果で、HPまでが徐々に減っているはずだ。だが、俺にとっては関係ない。


「はあっ」


血の代償(ベルセルク)のブーストのおかげもあって、一撃でドレッド・ゴブリンを屠る俺。だが、その間にもメイジ・ゴブリンの魔法攻撃は続き、みるみるうちにHPが削られていくのが分かる。


そしてついに、俺のHPはゼロになった。


「キキーッ!」


倒れ込む俺をみて、歓喜の声を上げるゴブリンたち。


だが、次の瞬間、俺の体から赤いオーラが立ち昇る。


連続する生と死デッド・オア・アライブ、発動」


手に持った聖剣ロードグラムが、魔剣ミストルティンに裏返った。刀身の青白い輝きが、どす黒い赤いものへと変わっている。


「さあ、ここからが本番だ。たっぷり楽しもうぜ、ドレッドちゃん、メイジちゃん」


これこそが、俺が「神」からもらった、この世界で俺だけが持つユニークスキル、連続する生と死デッド・オア・アライブだ。HPがゼロになった瞬間発動し、その直前の一定時間に受けたダメージの二倍をHPとして自動復活する。

属性が反転してしまうこと以外の弱点は、「痛み」までは消せないことだ。圧倒的に力の差がある相手にリンチされて、地獄の拷問を味わうリスクがあるわけだが、血の代償(ベルセルク)発動中は痛みが消えるので……




「……って、長いわ!」


 突然、日弥輝の横っ面になにかが叩きつけられた。「パコーン」という乾いた音とともに、きれいに数回転しながら、洞窟の壁面まで吹っ飛ばされる日弥輝。


「前フリに何文字使ってんのよ、あんた! もうここまでで半分は脱落してるわよ、きっと」


 ライトグレーのパンツ・スーツを着た、おそらくは日弥輝と同い年くらいであろう女性が、金属バットのようなものをもって仁王立ちしていた。


「え、なに? どういうこと? あれ、神様じゃないですか」

「よっ、久しぶりー」


 パンツスーツの女性の隣には、日弥輝が転生した時に会った神様が、ふわふわと浮かんでいた。

 


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