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お菓子

ブックマークしてくださる方が増えていてびっくりしました!嬉しいです!ありがとうございます!

一日1ページ更新できるよう書いていきたいと思ってます!

自分の好み全開で、拙い文章ですが宜しくお願いします!



夕食後、リュリアーナは一人、厨房に立っていた。



せっかくお菓子作りのスキルが最大レベルで付いているのだから試すしかないでしょう!

さて、何を作ろうかしら・・・。

ショートケーキ?チョコレートケーキ?それともシュークリームかしら?

うーん、何にしたら良いかしら・・・。



というのも、もし魔の森に行くことができて運良く魔王の息子に会えた時のために一応作っておこうと思ったのだ。

惚れた相手を落とすには胃袋を掴むことも大事でしょう!

わたくしには無限収納スキルもあるみたいだから、たくさん作って仕舞っておいても良いと思うのよね。


それに、わたくしも食べたい。

記憶を思い出すきっかけになったケーキは、前世で味わったケーキよりだいぶ劣るものだった。

もっと舌触りが滑らかでくどくないケーキが食べたいわね。


よし、それならパウンドケーキとシフォンケーキ、クッキーを作りましょうか!

あと、マドレーヌもいいわね!

それと・・・いちごたっぷりのいちごタルトも作りたいし、チョコレートを使ってガトーショコラも作りましょうか!


んー!早く食べたくなってきたわ!


垂れてはいないよだれを拭う仕草を見せ、材料や調理道具を準備する。


この世界には前世と同じような機能の調理用具がある。

なのでオーブンや泡立て器がない、などで困ることはない。

さすがに電気での稼働ではないが。


それにいちごやチョコレート、他の果物なども問題なく手に入るし、名称も同じだった。

日本で作られた乙女ゲームの世界だからかしら?

分かりやすくて助かった。

一つ一つ材料を確かめなければいけないなんて、すごく時間がかかりそうだし。


薄力粉、卵、バター、砂糖を用意してクッキーを作る。


バターをたっぷり使ったクッキーが良いわね。

形はもちろんハート型ね!


よし、次は・・・



黙々とお菓子を作り続ける。

パウンドケーキはせっかくだからと、バターたっぷりのプレーンと紅茶入り、レモン入り、バナナ入りのものを各2本ずつ作った。


シフォンケーキはプレーン、いちご、チョコ、紅茶の4種類を2つずつ作り、マドレーヌはプレーンのみを100個ほど作った。


いちごタルトは18cm型で5つ作り、いちごをたっぷり使わせてもらった。

ガトーショコラもチョコレートをたっぷり使って5つ作った。

ちなみにこちらは15cm型にしました。



そして作り終わった今、思うことがある。

すごくたくさんの量を作ったはずなのに全然時間が経っていない。

作り過ぎかなー、そろそろ寝る時間よねー、と思いながらもお菓子作りに夢中になってしまった。


たくさんのお菓子を前に首を傾げる。


なぜなら、作り始めたのが19時で今は20時を少し過ぎたところである。

作り始めてから1時間しか経っていないのだ。

たしかに前世でお菓子を作っていた時よりスムーズに作れるなぁ。と思ったし、何よりどこにそんな筋肉が!?と思うくらいすごい速さで泡立てが終わった。

この世界に電動ミキサーはない。

手動の泡立て器で、だ。

なぜかしら?これもスキルのおかげ?最高レベルだから?

一日でこんなにたくさんのお菓子を作ったのは前世を入れても初めてだというのに、リュリアーナは少しも疲れていなかった。


まぁ、考えても仕方ないわよね。

こんなに作っても疲れないし、早く作れるなんて良いことだわ!

予定よりも早く作り終えたことだし、お菓子作りの醍醐味である味見をしましょうか!


頬が緩んでしまうのを止められず、にやーっとした笑みを浮かべながらフォークを手に持ち、何から食べようかしら?と考えていると後ろから声をかけられた。



「そこで何をしているんだい?リーナ」



ビクッと肩を揺らし、恐る恐る振り返る。

と、そこには厨房の入り口にもたれかかるように立っているレイフォードお兄様がいた。


「お、お兄様!?ど、どうして、こちらに?」


まさか厨房にいるところを見つかるとは思っていなかったリュリアーナは動揺しているのを隠しきれなかった。


「ん?リーナの部屋に行ったけれどいなかったから家中を探してみたら、ここにいるのを見つけたんだよ。それで?リーナはここで何をしているの?」


にっこりと微笑みながらお兄様が近づいてくる。

リュリアーナは頬を引きつらせながら、少しずつレイフォードから距離を取るように後ずさる。


「リーナ?」


ついに壁際まで追い詰められてしまい、リュリアーナはギュッと目をつぶる。


「あ、あの!お、お菓子を!お菓子を作っていたのです!ず、ずっと!作ってみたかったのですわ!」


作り終えたお菓子の方を指差しながら、叫ぶように理由を話す。


「お菓子?どうしてお菓子を作りたかったの?」


レイフォードは不思議そうに首を傾げているが、その顔から笑顔は消えていない。


お菓子作りのスキルを試したかったから、と言うべきかしら?

いえ、でもそれだとなぜスキルを知っているのかということになって鑑定スキルのことも話すことになるわ・・・。

それはだめね。


素直に言うべきか考えたあと、やっぱり本当のことは伏せることを決めたリュリアーナはレイフォードの目を見ながら話す。


「そうですわ。ずっとわたくし自身でお菓子を作ってみたいと思ってましたの!それで今日【新作】のケーキを食べ、これより美味しいものが作れないかと思い今に至りますの!」


色んなところを端折ったが、嘘は言ってないと思う。

本当のことも言ってないけど・・・。

レイフォードの反応を伺うと「ふーん、そう」と呟いてレイフォードがお菓子を指差す。


「それで?作ってみた結果があれかい?初めて作ったにしては量が多いみたいだけど。リーナは食べてみるところだったんだろう?僕にもほしいな。」


くれるよね?と笑顔で首を傾げるレイフォードお兄様。


うぅ、これは食べてもらうしかないわよね・・・。

仕方がないわ!それなら存分に味見していただこうじゃないの!

わたくしの渾身のスイーツたちを!


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