カリギュラ
私たちはとかく温かいものを生きてると思っているけど、
それならば、しゃけは、クマムシは、死んでしまっているのだろうか。
手でそうっと触れて、ぬらぬらとしたうろこの奥にある命は、
本当は無いんだろうか。
詩人がひとり、死んでしまって、
散文ばかりを書く僕だけど、
それは進歩かもしれないと思っている。
進歩かもしれないし、頭がよくなったしょうこなのかもしれないけど、
何か失ってしまった。と、思う。
ずきずき頭痛をごまかして、
すきすき熱愛も嘘のこと。
一人残らずぶっ殺したはずの子供の僕が、
君の前だと生き返ってしまうのだ、
君のことが好きなのだ、
どれだけ生を切り捨てても、
どれだけすかした顔しても、
君の前では一人の少女だ、
今年十五になる、子供だ。
愛だと呼ぶのが怖いのだろう。
浮かれた青春に成り果てたくないのだろう。
ひとのふりみて、僕をなおして、
そうしてふざけた僕になる。
恋も答えも、わからないから、
ただただ眠って夢になろう。