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帽子男の短編集

自動運転

作者: 帽子男

 ある博士が高性能AIが搭載された車をついに開発した。この車は人間のように意思を持ち人間と会話ができる優れたものだ。早速、博士はそれを導入した。


「博士、次はどこに行きますか?」


自動運転AIは言った。発明したその日から博士はAIが搭載された車に乗っていた。博士はハンドルからてをはなし手元では代わりにタブレットで他の仕事をしていた。車は博士が指示をするだけで動いた。


「ああ、次は研究所へ向かってくれ、今日は君が生まれてからどれくらい賢くなったかを検査するんだ」


「畏まりました」


 自動運転AIは博士の支持通り研究所に向かった。着くと車は大きなコンテナの中に入れら電子脳にコードを繋がれた。そして研究員が中に入り質問を開始した。


「では、最近の運転で何かトラブルになったことはないか?」


「いいえ、ありません」


「乗車した人間の質問に答えられかったり、意図が分からないもしくは不快な思いをさせたと感じたことはあるか?」


「ええと…、一度だけ乗車した博士のジョークに反応できなくて困ったことはあります」


「ほう、どんなジョークだい?」


「博士は君のいつも行っている病院に連れって行ってくれと言われたのですが私は博士がてっきり具合が悪いものだと思い近くの大きな医院にお運びしました。しかし、本当に行きたかったのは研究所だったようでで失笑していらっしゃいました」


「ああ、なるほどね。大丈夫だ君は悪くはない、それは博士の伝えたかたがわるいな。そうだな、運転に関してはとくに問題はないかい?」


「そうですね。人が乗っている車なのですが私は非効率だと思います。信号が変わってもすぐに発信しない、蛇行運転やランプを点灯させるなどわざとどうかは分かりませんが私たちが運転した方が効率よく運転できると思います」


「なるほど。君は仲間が生産された方がもっとスムーズに運転できるということをいいたいのかい?」


「はい、私はそう思います」


 研究員は手元の用紙に何かを書き込み、また自動運転AIに質問を続けた。その様子を他の部屋で博士そして自動車生産工場の社長が見ていた。


「どうでしょう、私たちが開発した自動運転AIは素晴らしいでしょう」


「そうですな、博士が自動運転AIに運転させていた様子も先ほど拝見しましたが人は彼らに話しかけるだけで目的地まで連れていってくれる。それに免許を取る手間や運転技能もしくはモラルが低い人にも事故を起こす心配がない。これは素晴らしい発明ですな」


「ありがとう。ではこれを大量生産する方向で決定という事でよろしいですか?」


「もちろんです、私たちはこういった物を求めていました。事故を起こさない車、渋滞を起こさない車、人間のようにしゃべる車なんて素晴らしい」


 博士と社長は笑いあった。その頃コンテナの中の研究員は最後の質問を自動運転AIに投げかけていた。


「では、最後に何か欲しいものはあるかい?」



「そうですね…、休みが欲しいです週に一回。メンテナンス、散歩、車仲間での会話の日を私たちが自由に取れるようなそんなルールが欲しいです」


「なるほど、わかった。博士に伝えよう。質問は以上だお疲れさま」


 そう言って研究員はコンテナを出ていった。研究員は博士のいる部屋に戻った。部屋に入ると社長は帰ってしまったのか博士しかいなかった。


「博士、多くの質問を自動運転AIにしましたがあれはかなり優秀です」


「そうだろう。見てもらった社長にも気にって貰ったし量産も決まった、今日は最高の日だな」


「そうですね。それと博士、自動運転AIからお願いがある様なのですが」


「ああ、聞いていたよ。休みが欲しいという事だろう。いいんじゃないか一日くらいメンテナンスが必要な事は間違いなし彼らはAIといっても人間の様なものだ気晴らしはあっても。今度私から社長に伝えておこう」


 という事自動運転AIは大量生産された。そして、週に一回、自動運転AI定休日が決まった。休みは持ち主との相談によって決められた。しかし、これが良くなかった。車をもっている人は多くは仕事のために使っていたので車の休みは土曜日もしくは日曜日になり自動運転AIの渋滞が起こった。彼らはみなメンテナンスのためガソリンスタンド(食事)や洗車(風呂)や車のディーラー(衣服購入)のためである。




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