序盤のレアMOBのドロップは後々考えると大したことない
ジャイアントクローバーを倒した俺は疲労感から即ログアウトしたい衝動と高ぶっている脳を抑え、とりあえずドロップアイテムを拾う事にした。
『ジャイアントクローバーの眼球』
ジャイアントクローバーの目。
ビックローバーよりも優れた視力をしていた。
ポーションの素材として使用可。
『ジャイアントクローバーの蔓』
ジャイアントクローバーの体を形成していた蔓。
打撃耐性は高いが、斬撃耐性が低い。
『四つ葉のクローバー』
持ち主に幸運を呼び込む四つ葉のクローバー。
それは迷信か、それとも…?
発動条件??? 効果 LUC+1
etc...
なんかレアドロップっぽいのあったな。
効果は表示されてるけどどうやったら発動するか書いてねぇの?
まぁいいや。
「あいつぶっ殺したけどこれでいいすかね?」
「あっ、ありがとうございます!でござる!」
「というかなんであんなの出てきた?」
「心当たりはあるのでござるが…」
その後エセサムライから聞いた話によると、このエリアのレアエネミー『ラックローバー』(四つ葉のビックローバー)なるものからドロップするアイテム「四つ葉のクローバー」をとってくるクエスト《四つ葉のクローバーを貴方に》を受注して、四つ葉が出るまでビックローバーを狩っていた所、インベントリが圧迫されるからとドロップアイテムを放置していると四つ葉が出た瞬間に回りのビックローバーのドロップアイテムが絡みついてジャイアントクローバーになったという事らしい。
「三つ葉のクローバーを踏みながら探す四つ葉のクローバーなんていらない。」って奴?
エセサムライ達から貰ったGとジャイアントクローバーのドロップアイテムで懐が暖かいので街に帰ってログアウトする事にする。
春の草原は街から四方に伸びる大通りの脇にあるので大通りまで歩く。すると何かが見えたのでそこまで行ってみる事にした。
大通りの端にあったのは風化したバス停だった。
『──前』とバス停の名前が書いてあるがほとんど錆びていて読めない。看板の下のコンクリートには街の中心のオブジェに似たマークが書かれている。町のシンボルのようなものなのだろうか。他には何も無かったので俺はバス停を後にした。
街に着いた。
俺はセーブしてログアウトする為にホテルへ向かう。
ホテルと言ってもほぼ賃貸のようなもので、食事は出ないし内装も自分でいじれる。1ヶ月単位でGを支払うため、ほぼというかモロ賃貸住宅だ。
当初は小さいビルだったのだろうが、人が増えると共に増築を繰り返したようで、ビルの上にいくつもの建物が無理やり乗っかってるような印象だ。
というか街全体的にそんな感じの造りで、地上に降りずともビルとビルの間に架けられている道を通って移動できるようになっている。違法建築も甚だしいが景観自体はかなりいい。
俺は自室のベッドでログアウトした。