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VRMMOでアイテムの全自動量産体制を整えてみた  作者: 恵笛
始まりのHPポーション
9/72

魔法陣の真相

PKのリスクについての記述を追加 1/05

 再び宿に戻ると、ボーロンとエリウムがいた。


「よし! またいつもの作戦会議だァ!」


「おう」


「……」


 ボーロン、こんな時まで情報漁るなって。いつもの事なので今更何とも思わないが。


「まずは今日行ったシャロウ森林にあるダンジョンだが、簡単に言うとあれは無理!


 まあ二人で、しかもバランスの悪い組み合わせってのもあるだろうが、恐らくロージェが入ってきても結果は同じだと思う。」


「具体的には何がきついんだ?」


「ほとんど全部!! 火力も足りない回復も足りないバフもデバフも足りないぃ! オレは基本広範囲のバフやデバフだから多い数の敵がいる時にしか活躍できん。」


「じゃあPTメンバーが集まれば解決しそうってことでいいのか?」


「まあそう……じゃね?」


 なぜかエリウムが疑問形で終わらせると、ようやくボーロンが口を開き始めた。


「ダンジョンは人数に比例して強くなっていくけど相手の連携はほとんどない。それに対してこっちは人数が増えれば連携によってさらに戦力を強化できる。だから思っているよりも六人が集まれば難易度は高くないだろうね。」


「ちなみにだが……ティウとべリリーは恐らく明日からログインできる。」




 それはよかった。VL時代からの女子の仲間でティウは魔術師、べリリーは盗賊をやっていた。べリリー、一見するとめっちゃおとなしいのに盗賊……またあんなことやこんなことをするのだろうか。まあプレイヤーネームがオレンジにならない程度ならいいだろう。


 このゲームでもPKは可能でプレイヤーを倒すとそのプレイヤーの所持金五割から九割と、消費アイテム、素材アイテムを二割から五割ほど盗ることが出来る。割合は相手とのレベル差やスキルに応じて変わってくるそうだ。


 また、それとは別に盗賊の上級スキル、「ピックインベントリ」を使うと相手の体に触れただけで数個のアイテムを盗むことが出来てしまったりする。高レベルの盗賊が出始めたら注意しなければならない。まあべリリーはスリまくっていた気が……



とは言ってもこのゲームはプレイヤーに対しては自分より低いレベルの人を襲うと各地の冒険者ギルドに手配され町に入った途端捕まる上、財産も没収される。まただからと言って町に入らなくてもプレイヤーネームは赤だ。


 また自分より8Lv以上低い人を襲うことは出来なくなっている。世界観的にはどうなのかとも思うがこのシステムが無いとやっていられない。


 そして自分よりも高いレベルのプレイヤーを襲った場合、すぐにプレイヤーネームが赤にはならないがカルマ値が上昇し、それに応じてプレイヤーネームがオレンジから赤になっていく。


 PKを倒すと本人の財産は冒険者ギルドに没収され、その中から懸賞金を受け取ることが出来るため、そういう目的でPKKになる人もいる。




 その後も俺たちは何分間かアイテムやお金について話し合いをした。



「さて、明日の計画だが、若干複雑だ。まずその二人が準備でき次第、二人がログインする。そしてその30分後にオレがログインして一緒にハーロブの平原のダンジョンを攻略する。Lv1だと何もできないに等しいからな。特に後衛のティウは辛いだろう。


 そこまでに大体一時間かかる計算だ。だから女子二人が入ってから一時間後にボーロンとロージェが入ってくれ。そしたら五人でシャロウ森林のダンジョンを攻略する。終わったあとどうするかはまた後で決めよう。」


 エリウムが丁寧に説明してくれた。明日は日曜日なので全員6時間ログインすることになるだろう。その時はいつもこうして最大限無駄のないように計画する。



「じゃ! 今日は落ちよう!」


「ちょっと待って、あ、エリウムは帰ってもいいか。魔道具の話だから。ロージェは少しくらい伸びても大丈夫?」


「ああ。今日はさっきしっかり休憩して飯も食ってきたから問題ない。」


「よかった。じゃあ、分かったことを整理して話すね。」





 ボーロンの情報収集能力は他を逸脱しているといって全く問題はないだろう。ログインしているときはゲーム内の掲示板をあさり、学校ではSNSや外部の掲示板、攻略サイトを漁る。やっていることは廃人のそれだ。


 ボーロンが話してくれたことを整理すると、まず魔道具の魔法陣は自由にカスタマイズ可能、だという。これは少し前からてきとうに書き換えて、違う効果を得たという報告が多数あったようだ。


 そして一番わからない文字についてだが……


 なんとこの暗号に使われている文字、数えると26文字ある。そこまでボーロンが分かったのだがそこから先は俺が考えた。というより思いついただけだが。


「この魔法陣に使われている文字は26種類あるらしい。だがそこから先はよくわからない」


とボーロンが言った瞬間俺は疑問で一杯だった。26文字の言語と言ったら、英語しかないじゃないか!




 俺たちはさっそく魔法陣の文字の解読に挑んだ。ゲーム内のスクショなどを外に持っていくことや、外からデータを持って帰ることは出来ないため、残念ながら解読はゲーム内でしなければならない。


 ゲーム内でも既に日が落ちているが構わず俺が雑貨屋で羽ペンを二本買ってきた。


 まずは英文字と魔法陣の文字との対応表を作る。初級魔導書とのにらめっこだ。だが、英語だと思って見ればなんとなくそう見えてくる。Aは……このスラッシュに横棒が付いている奴だろうか。


 Zはこの砂時計みたいな形のやつか? とこんな感じでボーロンと一緒にわかるやつを一通り埋めたら次は分からないやつをなんとなくで埋めていく。






 ようやく全部埋まった。厳密には明らかにカッコの形をしている文字があったから28文字あったわけだ。


 そして魔法陣の解読をしてみる。初めは魔法攻撃力上昇3%の魔法陣だ。一番内側からこのくさび形文字を英語にして……



 出てきた文章は LOWER() GRADE() MAGIC(魔法) CIRCLE()


 俺らの考えは正しかったようだ。おそらくこの後に効果などの記述があるのだろう。どんどん解読していこうと思ったが……


「うわ、『【警告】残り10分で強制ログアウトとなります。ご注意ください』っていうウィンドウが出てきた。もうこんな時間か。続きは明日にしよう。」



 ボーロンの方が先にログインしてたな。俺たちはさっと装備やアイテムを整理し、ログアウトした。



 


 

ようやく話の本筋に入る事が出来ました。

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