マナタケ栽培
なんと! 実はエタっておりませんでした。
毎度のことながら信じられないほど遅れてしまって申し訳ありません。
どこかの菌のせいで若干時間ができたのでなんとか執筆時間をとることができました。
2週間ほどですが毎日投稿していきます。
このゲームではそもそも薬草と料理の素材となる野菜以外の栽培をすることはできるのだろうか。
学校帰りに携帯端末で調べてみるとどうやらMPポーションの材料になるマナタケは栽培することができるらしい。
これも全自動で栽培することができればMPポーションまで原価を相当抑えて栽培することができるわけだ。
最近、なにかサブ職業に関してわからないことがあったらその師匠のところに聞きに行けばとりあえず解決しそうだから、明らかにジャンルが違う気がするもののとりあえず農夫さんのところへ行ってみるとしよう。
「あの、すみません! キノコ栽培ってどうやってやったらいいのでしょうか」
「むむ? キノコ栽培の方法? それなら、なにか一つキノコが生えている原木を持ってきてくれたら教えてやろう。」
なるほど、要するにマナタケの生えた原木を持ってくればいいわけだ。
しかし、どうやったらマナタケが生えている原木なんてものが手に入るのだろう。
普通にマナタケを取るときはフィールド上にある採集ポイントで木に生えているマナタケを摘む、という作業をするわけだが、このときマナタケの生えている木ごと切り落とすといったことはできない。
基本フィールド上にある一定以上の大きさ・重さのオブジェクトは変形させたり、壊したりすることはできないようになっているのだ。
ただし、例外もかなり多く、例えば木の枝は低いところにあるものなら折って持っていけるし、宝を探すクエストが発生する場所では地面を数メートルまで掘ることができる。
マナタケの生えた原木もなにかそうした例外的な場所で採ることができるのかもしれない。
フィールドにでて探す前に、一応チームのみんなにも聞いておくか。
「おーい、誰か、マナタケが生えた原木のとり方知らない?」
「マナタケ本体を採るんじゃなくてそれが生えている原木ごとってこと? 掲示板で存在するのは知っているけどとり方はわからないな。」
「残念ながら、私は全く知りません。」
ボーロンとべリリーは知らないか……
ひとまずマナタケが生えているレメント丘陵に行ってみるか。
……一時間いろいろと試してみたがやっぱりマナタケの生えている原木は手に入りそうにない。
木の根元に火を付けてみたり、爆発させてみたり、風魔法で切り倒そうとしてみたり、転移魔法で強引に移動させようとしたり……
爆発させてみたとき近くにいたプレイヤーに冷たい目で見られてしまった。
そりゃ普段は静かな森で突然うるさい爆発音なんかが聞こえたら迷惑なのはよく分かる。
おかげで少し騒ぎが広がって周囲にいた人たちが集まってきて、人々の喧騒がうるさくなってさらにそこに人が集まって――俺はとっさに逃げたので煙以外何もなかったと思うが――結構な人数の人溜まりができてしまった。
人気で人口密度の高いRPGほどなにかがあるとその情報がすぐに近くの人に伝わって、更に伝わって……と伝染するからなあ。
……ん? 伝染?
そういえばキノコは胞子で増えるから無理に木を取ってこなくても健全な原木を買ってきてそれにキノコを近づけて繁殖させられたりできないかな?
本来農夫のひとがそういうことを教えてくれるはずなのだがもしかしたら教えてもらっていなくてもできるのかもしれない。
試しに材木屋で原木を数種類買ってみる。現実だとどうやってキノコの胞子を木に植え付けるのか分からないが、一先ずテキトーに木の上にマナタケを置いてみればいいか。
暗いところに一日放置しておいたらいつの間にかマナタケがマナタケの菌が伝播したようだ。
買った原木のうちの一つ、「乾燥させた原木」が「原木(マナタケ発生)」に変化している。生の原木のほうが水分が多くて育てやすそうなイメージがあるが、乾燥させたヤツのほうがいいのか……。
その後条件を変えて検証したところ、乾燥させた原木以外ではうまく育たなかった。さらに、一度マナタケの発生した原木からは10個近くのマナタケを収穫することが出来る。
そしてマナタケの発生した原木の近くに別の乾燥した原木を置いておくことで自然に伝播するようだ。
要するに、なんの機構もなしに植物で言うところの植え付けが終わるわけだ。何というイージーモード。
収穫も風の魔法陣を使えばできないことは無いかもしれないがただ手で摘み取るだけで終わる作業だ。
わざわざ自動化しなくても定期的に見に来て自分で摘み取ればいい。
乾燥した原木を1000本ほど買ってきて、地下室の一角に設置した。これで暫くはマナタケ、しいてはMPポーションが作り放題になるだろう。
……今ここに置いた原木全部にあの紫色の毒々しいマナタケが生えたら見た目がとんでもないことになるな。
このエリアは立入禁止にでもしておこう。まあ興味本位で入っても本人が後悔するだけだが。
後でエリウムにでも「入るなよ!! 絶対に入るなよ!!」とか言っておこう。
おっと、ボーロンからメッセージが飛んできた。
ボーロン:なんか、掲示板見ていると今回のイベント、どうぐ使いの人かなりみんな困惑しているみたい。なんせスキルで攻撃手段をほとんど持たないし、消費アイテム一切使えないからね。多少魔法は使えるけど、そこまで威力は出ない。
ボーロン:いくら多くの種類の武器・防具を装備できるとはいえスキルで強化できない、回復アイテムも使えないとなるとただ武器と防具の性能差で殴り合う単調な試合になりそうってことらしい。ロージェ、なんか変な魔道具とかで攻撃できないの?
ロージェ:まあ、そうしたら盾とかプレートアーマーに適当な魔法陣を付けてやってみるか
そうだ、明後日イベントなんだった。忘れてた。エントリーは前日までに済ませば大丈夫なんだったかな。
このバトルトーナメントは同じ職業同士でしか争うことはない。
俺はは全くPVPができないが、どうせ他のプレイヤーも武器で殴るくらいしかやれることが無いのであれば案外勝ち進むことが出来るかもしれない。
早速自分用にミスリル合金の防具を用意して、いやらしい仕掛けをいくつか作っていこう。




