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VRMMOでアイテムの全自動量産体制を整えてみた  作者: 恵笛
生産の拠点とMPポーション
18/72

装備の新調と新たなダンジョン

 ログインするといつもの宿――ではなくクランハウスに出る。やっぱりここは雰囲気がいいな。俺はさっそく市場に歩いて行った。


 売上金は――60万Gを超えている! これはかなりうれしいぞ。すべての在庫が売れたようだ。だいぶ価格も下げ気味で売ったからなあ。


 このお金でまずするべきことはもちろん、借金の返済だ。


「お! ロージェお帰り! それで金は?? 儲かったのか?」


「ああ、ああ、しっかり儲かったから安心しろって。そんじゃ利子50%付けて返していこっと。」


「あれ? 今回はやけに高いですね」


「そうよねえ! 昔は大体20%? くらいが普通だったのに」


 ベリリーとティウが利子の話をしているがVL時代は確かに20%くらいだった気がする。ゲーム内だとそれくらいでちょうどいい。現実で四日で20%とか超暴利だが。暴利どころか法律違反だ。


 今回みんなに返す分を多くしたのは単純にゲームを始めたばかりで重要な時に装備を整えられななったお詫びと、作ったものがこれから先ずっと膨大な利益を生む可能性があるからだ。


 一日で30万Gと言うのはこのレベルのプレイヤーにしては稼ぎすぎな気がする。まあそれもすべてポーションの相場次第だが。


 みんなは俺からGを受け取り次第クランハウスを出ていった。待ちに待った装備更新タイムだとか。最後にボーロンに渡して、俺も装備と素材を買いにクランハウスを出た。



 明日からいよいよこのハーロブを出て、レメント王都に行く予定だ。そのための準備をしなければならない。



まず初期装備だった防具を更新しなければならない。前衛以外は金属鎧は重くて厳しいので革鎧にすることになる。


魔法職はローブなどでもいいのだろう。取り敢えず俺は全身革装備にした。色などは選べるので適当に選んだ。


βテストの時には革装備は革の臭いがかなり残っていたようだが正式版では臭いはほとんどなくなった。かなり気になるプレイヤーが多いし、上質な革は中盤以降にならないと手に入らない。


武器は鋭いブーメランD+というのを買った。まあ使う機会は少ないだろう。


俺はあまり強い武器を買わなくても魔道具として追加効果を付与出来るためそれをするために家に帰った。


俺は前から気になっていた麻痺3%という効果をブーメランに付けてみる。


毒付与というものもあったがこれは長期戦にしか使えなさそうだ。長期戦では俺はひたすらアイテム補給をすることになる。


装備には全て軽量化2%をつけた。このゲームには重量の概念があり、この重量の値の合計が増えていくにつれて動きにくくなっていく。


といっても歩くだけならあまり差し支えはないが、走るときに重量が多いと大きな枷となる。また前衛職のスキルのクールタイムも装備の重量に影響を受ける。


よって装備を作る生産職はいかに軽く、頑丈な武器を作るかが鍵となる。


革系の装備なら基本的に重量制限には引っ掛からない。



アクセサリーは今はまだ殆ど出回っていない。足首、手首、首に装備することから前作ではアクセサリーが首装備なんて言われていたりした。


 アクセサリーは主にダンジョンの宝箱から出る。と言うかそれしか入手方法は無いただし金の指輪にダイアモンドを付ける、などの加工は出来る。


 そういった事情からアクセサリーは特に決まった職人はいない。各自で加工している。ゲーム内だと難易度も低いしな。


 市場に首装備が出回り始めるのはあと一週間くらいだろうか。中堅組がアクセサリーを持て余して売り始めるころになる。


 そんなこんなでみんな装備を新調し、戻ってくる。騎士のボーロンが重そうな金属のチェストプレートを装備している。


「これ、防御力上昇お願い」


「これ、魔法攻撃力上昇」


「これ、毒属性付与お願いします。」


「弦楽器ってなんかエンチャントできんのか!?」


 ボーロン、ティウ、ベリリーが装備の魔導付与を頼んできた。エリウムは楽器か。


「あー、楽器は……軽量化とがが一番いいかな?」


「おう! それ頼むわ!」


 さーて忙しくなるぞ。まずはボーロンの金属鎧からだ。魔法陣を書いてっと。そして


「魔導錬成」


 詠唱した途端、自分のMPの三分の二が持ってかれた。まじかよ……


 回復するまで宿で休んでいる時間がもったいないので仕方なく詠唱の魔法陣の上に防具と魔法陣を書いた紙、そして魔法陣の端っこに魔石を置いて他の武器防具も錬成していった。


 ボーロンによると錬成にかかるコストは対象の装備品が強いほど高くなるそうだ。装備以外はコストがほとんどないようだ。


 ノブラックの杖に消費MP減少5%を付け終えたところでとりあえずすべて終わった。


「おい! ロージェは今あいているのか?」


「ああ、あいているが」


「なら初めて六人でダンジョン行こうぜ!」


「いいぞ。ただ俺はまだLv3だがいいのか?」


「問題ない。それじゃとっとと行こう!」


 突然エリウムに誘われたかと思ったら2分後にはクランハウスを出ていた。


 おれは冒険者ギルドに行きいくつかクエストを受けた。


 向かう先はレメント丘陵。ここに比較的難易度の高いダンジョンがあるという。シャロウ森林を抜けレメント丘陵に入った。


 といっても内容はシャロウ森林と同じように木が生い茂っているだけである。しかし地面が若干坂になっていたり、急にへこんでいたりとシャロウ森林とは違うところが多い。


 ここで出てくる魔物はシャロウ森林にもいたフォレストウルフと、キラービーと言う蜂だ。


 しかしどちらも出てきた瞬間ティウがファイアランスで攻撃し、ベリリーが斬りつけて討伐完了である。


 みんなが言うには、魔石はいくらとっても俺が買い取るから積極的にフィールド上の魔物を狩っているという。


 そしてダンジョンに入った。敵の数が複数体になり、ドロップアイテムも蜂蜜Dなど種類が増えるがどの敵も俺が何もする間もなく倒れていく。エリウムも何もしていない。


 三階のボス戦だ。ボスはキラー・クイーンビーだ。かなりでかく、このボスの特徴は2分ごとにキラービーを召喚することだ。


「フォルテ・ディソネンス」


 エリウムが詠唱し、不気味な音を弦楽器から鳴らす。すると相手の動きが止まった。やっぱり最初はこれなんだな。


「下突き!」


 そうベリリーが言うと、敵の真下から短剣で相手を突いた。しかしなぜあんな何の変哲もない木の短剣なんかを使っているのだろうか。もっといい短剣も買えただろうに。


 と思っているとなぜかベリリーは短剣を相手に突き刺したまま下がってきた。するとなぜか相手のHPバーがみるみる減り始めた


「全員下がれ!」


 エリウムの指示通りに全員で下がった。


 しばらく待った。


 あっけなくクイーン・ビーストが倒れてしまった。


 え?何が起きたんだ?


 みんなが無言で歩き出した。俺もついてく。


「ここからはロージェは絶対前に出るなよ」


「私が罠の探索をしますので安心してくださいね。」


 ああ、そうか、これからはダンジョンは5フロアに一回ごとにボスが出てくるんだった。ここからは罠と宝箱が出てくるのだとか。


 まだアクセサリーは攻撃力が上昇する「レッドアンクレット」しか引き当てていないという。ぜひとも宝箱を見つけたいものだ。


 道中に出てくる魔物は特に変化はない。今までと同じ敵だ。だがLvは徐々に上がってきているようでたびたび神官のノブラックがバフをかけ、エリウムがそれをアシストしている感じだ。


 俺はただついていっているだけである。


「あ! 微妙に倒せていないです!」


 ようやく俺の出番のようだ。すかさずナイフを投げ――――


「任せろ!」


 ボーロンが大盾をキラー・ビーにぶつけ、強引に倒した。


 待って俺おいて行かれているんだけど。


 どんどんパーティーは進んでいく。ダンジョンの中の構造は変わることは無い。ただしトラップや宝箱などの位置は都度変わっていく。


 また、一度の挑戦で出現するモンスターの量は決まっているようだ。


 少しだけ苦戦した様子はあるものの難なく10階のボス部屋に到達した。


 ボス部屋にある扉を前にしてみんなの顔が一気に強張る。


「俺はどう動いたらいい??」


「とにかくポーションで回復に努めてくれ。あと解毒だ。神官一人じゃ追いつかなくなる。」


「分かった。」


「いくぞ!!」


 エリウムの掛け声と共にボーロンがボス部屋を開いた。



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