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家電戦争Ⅱ 《Appliance WarⅡ》  作者: 黒川 想流
炎怒編 (前編)
3/23

2話 最悪の事態

本編に関係ないけど、学校が無くなったらそれはそれで平和かもしれないけどね!!



学校を見ていると急に横から炎が飛んできた。


反応が遅れて避けれなかったが、早くそれに気付いた風音先生が風の力で弾く。


「大丈夫?炎怒くん」


風音先生は俺の顔を覗き込むように見て、そう言った。


「大丈夫です、助かりました」


俺はそう言いながら炎の飛んできた方を見る。


そこに居たのはおそらく同じクラスの奴だ。


赤い髪だから咄嗟には分からなかったが、顔で分かった。


「お前、風音先生の何なんだよ!死ね!!」


彼はそう言って炎を出す。


俺がそれを止めようと思ったが、黒山さんが闇の空間を作り出し、その炎を吸い込んで無くす。


そして金剛が「ちょっとだけ動けなくさせて貰うぞ」と言うと指をパチンと鳴らして彼の目に光を浴びせて目を眩ませる。


「うわあぁぁ!!目がぁぁぁあ!!」


クラスメイトの彼はそう叫んで目を押さえながら倒れて蹲っている。


俺はもう一人じゃないんだとその時気付いた。


こんな逞しい仲間が居る…


本当なら涼もここに居てほしいけどな…


そう思っていると今度は電気の弾や水の弾が飛んでくる。


頼堂と俺がバリアを張るように炎と電気の壁を作る。


「このままじゃ危険だな… 別の場所に行こう」


俺がそう言うと皆は黙って頷いた。


そして俺が炎で守りながら皆で学校から離れた。



「ここまで来れば大丈夫か…?」


俺はそう言いながら後ろを確認する。


見た感じ、もう誰も付いて来てないようだった。


「はぁ、寝てる間に何が起きたんだ…」


金剛は溜め息交じりにそう呟いた。


誰もが恐らくその気持ちだっただろう。


誰も何も言わずに下を向いていた。


「何でまた能力が発現したのかは分からないが、ただ今分かってる事はただ一つ」


俺がそう言うと皆は俺の顔を見る。


「このままじゃ世界は終わる」


そう言うと皆の顔色は急に変わった。大変な事態だと皆も分かったんだろう。


学校が壊滅状態になる程の数の能力者。


もし、それが学校だけじゃなくこの世界全体なら…?


世界の各地があんな事になっているとしたら…?


間違いなく今の世界は無くなる。


だが、それは最悪の場合の話だ。


そんなに酷い自体になってるとは思いたくない。


そんな時、トントンと何かを突いている音が聞こえた。


音の方を見ると、頼堂がスマホを見ていた。


「こんな時にアプリゲーか?」


違うとは思うが冗談混じりにそう聞くと「な訳無いでしょ」と言われた。


「炎怒… 君の予想は合っているようだね…」


頼堂はそう言ってスマホの画面をこちらに見せる。


そこに映っていたのはネット掲示板をまとめている記事だった。


『【速報】ワイ異能力者になるwwwwwwww』


そんなタイトルでそこにはいろいろ書いてあった。


『俺もなった』とか『強盗してくるわwwww』とか。


そしてその関連の記事には、能力による犯罪がもう何千件も起きているだとか…


「嘘だろ…」


俺は声にならない声でそう呟いた。


まさか本当にこの世界は終わってしまうのか。


一体どうすればこの事態を収められるのか…


俺はそう考えた時、前の事を思い出した。


前は父さんが開発した技術によっての出来事だった。


って事は今回も誰かがやった事なんじゃないか…


でも父さんは俺が殺したから居ないはず…


じゃあ一体誰が…?


「これからどうする?」


黒山さんが沈黙を切り裂いた。


「どうするって言ったって俺達に何が出来るんだ…?」


金剛は彼女に聞き返した。


「いや、この戦争を終わらせることは出来る…」


俺は二人の間にそう割り込んだ。


「どうやって?」


黒山さんはそう聞いてくる。


「この能力は前と同じで絶対自然現象では無いはず。 だから犯人を見つけれて止めさせれば元に戻る」


俺はそう言うが、金剛に反論される。


「自然現象じゃない証拠は?」


「それは無いけどな…」


確かに証拠は無いが、そうだと信じたいからか俺はそうだと確信している。


「自然現象だった場合はどうしようもないけど、もし誰かがやってる事ならあたし達に止める事は出来るはず… だからそれを信じてみよう?」


風音先生が俺達の言い合いに仲裁するように入ってきた。


それを聞いた金剛と黒山さんは黙り込んだ。


だが、頼堂は違った。


「風音先生がそう言うならそうします」


風音先生への想いからか彼女の言う事に従うようだった。


「俺はもちろんそのつもりで行く」


と俺は金剛達に向かって言う。


「まあ、道がある可能性を信じるしかないか…」


金剛はそう言って俺達を見た。


黒山さんもそれに頷いて賛同していた。


こうして俺達はこの戦争を止めるために戦うと決めた。



俺達はその後、話し合った結果、今すぐにはどうしようも出来ないと思い、まずは家で落ち着いて考えてくる事になった。


そして家に帰ってきた俺だったが、すぐに驚かされる事が起きた。


テレビでニュース番組をつけていると驚くニュースがあった。


ニュース番組のキャスターはこう言った。


「現在発症している能力は○×地区在住の成瀬 星斗の犯行であり、何とその成瀬 星斗は息子の成瀬 炎怒に殺害されているようです。これがその時の映像です」


そう言って俺が父さんを焼いた時の映像が流れ出した。


あの研究所に監視カメラがあったのか…


「警察は今回の犯人は彼で間違いないと彼を指名手配している模様」


…えっ?


俺がこの能力をばら撒いた犯人…?


「何でそうなるんだよ!!!」


怒りが抑えられなくて声に出す。


こっちも迷惑してるんだが!? 現在進行形で大変な事になってて俺が助けて欲しいくらいなんだが!?


と誰にも訴えられないから心の中で必死に訴える。


だが、すぐに冷静になる。


この家に居たらまずいんじゃ…?


そう気付いた時には遅かった。


ピンポーンと家のチャイムが鳴った。


警察を殺したら尚更罪が増える… だが逃げる事も出来ないだろうし… 抵抗せずに出て行って能力を配ったのは俺じゃないって言っても信じてもらえないだろうし…


そう考えていると何度もチャイムが鳴る。


その後、ドアを開く音が聞こえた。


急いでいたせいで鍵を掛けていなかったのか…


玄関から人の影が入ってきているのが見えた…



家に入ってきたのは誰なのか…

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