22話 幸せを噛みしめて
一応最終話です。
半年経って、俺は高校3年生になった。
能力が無くなった今でも風音さんは謎の実力行使で俺の担任になっていた。
戦争が始まったとき、暴れていた人達もこの中にもちろん居る。
だが、能力を持って戦った者同士だからか、今まで以上に深い関係になっているようだった。
俺はそんな現状に嬉しい気持ち半分、大事な仲間を失った悲しさ半分で何とも言えない状態になっていた。
そんな俺の感情を見破って彼女は聞いてきた。
「どうしたの?浮かない顔して」
「あぁ、風音さん…」
俺は少し間を空けてから言った。
「皆死んだのに俺だけ生きてて良いのかな」
俺がそう言った瞬間、彼女は俺の頬に平手打ちをして、その後俺を抱きしめた。
「そんな事考えちゃダメ。あたしは炎怒くんが生きてて嬉しいんだから…」
彼女は泣きそうな声でそう言った。
「ごめん…」
そう言われて俺も泣きそうになってきていた。
そうだ、これで俺も死んだって仲間の皆は戻っては来ない。
皆の分も幸せになるしかない…
彼等があの世から見て、羨ましくなるくらいの幸せを手に入れるしかない。
そう思った瞬間俺は一つの道を見つけた。
抱きしめられていた俺は彼女の胸から離れて、彼女の前に立った。
「炎怒くん?」
突然動いた俺に彼女は驚いていた。
「風音さん、俺と…結婚してください!」
そう言って俺は頭を下げて手を伸ばす。
少し待っても彼女から返事が無かったため顔を上げて彼女の方を見ると、彼女は気絶していた。
「えっ、ちょ、風音さん!?」
俺は驚いて彼女に近付いた。
彼女は凄い満足そうな顔で倒れていた。
一ヵ月後…
俺は黒いスーツを着て、白くて綺麗なウェディングドレスを着た風音さんとバージンロードを歩いていた。
来ている人の中には兄や母も居た。
「まさか俺の元カノと結婚するなんてなぁ?」
兄がそう言っていたのが聞こえた。
人が結婚するのに元カノとか言うのやめろ。
と言いたかったが、式のために俺は黙っていた。
「本当に結婚出来るんだ…」
腕を組んでいる彼女がそう呟いた。
「どういう意味ですか?」
「実感が湧かなくてさ…」
確かにもう夫婦になるなんて思えないな。
聖壇の場所まで行くと、司式者が喋り始めた。
「炎怒さん。あなたは風音さんと結婚し、妻としようとしています。あなたは、この結婚を神の導きによるものだと受け取り、その教えに従って、夫としての分を果たし、常に妻を愛し、変わることなくその健やかなるときも、病めるときも、富めるときも、貧しきときも、死が二人を分かつときまで、命の灯の続く限り、あなたの妻に対して、堅く節操を守ることを約束しますか?」
俺はそう言われて、彼女の方を見る。
彼女は俺を見てニコっと微笑んだ。
その顔を見て俺は確信した。
俺は彼女と一生を共にすると。
「はい、誓います」
「では風音さん。あなたは炎怒さんと結婚し、夫としようとしています。あなたは、この結婚を神の導きによるものだと受け取り、その教えに従って、妻としての分を果たし、常に夫を愛し、変わることなくその健やかなるときも、病めるときも、富めるときも、貧しきときも、死が二人を分かつときまで、命の灯の続く限り、あなたの夫に対して、堅く節操を守ることを約束しますか?」
「もちろん誓います!!」
彼女は元気にそう答えた。
そこは普通に答えて欲しかった…
いや、でもそんな所も風音さんらしい…な。
「それではここで、一生を共にしていただく、ご新婦のベールをお上げいただき、 永久の愛を込めまして、誓いのキスを交わしていただきましょう」
そう言われて俺が彼女とお互いを見合って彼女のベールを上げて向こう側へやる。
「風音さん…」
「炎怒くん…」
俺は彼女の肩辺りに手を添えて、彼女にキスをした。
少しして顔を離すと、司式者が「ただいま、お二人の結婚が成立しました」と宣言した。
それからいろんな挨拶などがあって、今から新郎新婦退場だ。
彼女と腕を組んでバージンロードを歩いて外へと向かう。
大勢の拍手が胸に響いた。
そして、外に出て俺達を眩しく照らす太陽に目が眩みながらも、空を見上げた。
俺は皆の分も幸せになるからな…
そう心の中で呟いていた。
end
以上で家電戦争Ⅱは終わりです! またいつか今度は別のシリーズを書くつもりなのでその時はよろしくお願いします! 良ければ感想や、評価をして貰えると嬉しいです!




