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家電戦争Ⅱ 《Appliance WarⅡ》  作者: 黒川 想流
炎怒編 (後編)
20/23

19話 母の行方




彼が亡くなったのを確認した後、俺達は家に帰った。


もちろん、兄は兄の家に、風音さんは風音さんの家に。


風音さんは俺の事がまだ心配だったようだが、何かあったらすぐに伝えると言って聞かせた。


それより俺は早く母さんに兄の事を聞きたかった。


何故捨てたのか、何故俺にそれを教えてくれなかったのか。


質問はいくつかあったが、一つも聞く事は出来なかった。


それは母さんが帰ってきてなかったからだ。


いつもなら帰って来る時間だが、帰って来る様子は無かった。


そういえば、ここ最近は母が帰って来て居ない気がした。


もしかして、仕事場に能力者が現れたりして何かあったのではないかと思った。


今すぐにでも探しに行こう…と思ったが、母がどこで働いているのか聞いた事も無かった俺は全く分からなかった。


何か分かる物…


あっ、母さんの寝室に何か手掛かりになる物があるんじゃないか…?


そう思って俺は母さんの寝室に向かった。



母の寝室はいろんな本が置いてあって書斎部屋と言ってもいいくらいのものだった。


こんな中から手掛かりになる物を見つけてたら朝になるんじゃないか…?


気が遠くなりながらも俺は近くの物を見て回った。


探しながら俺はふと疑問に思った。


何でこんなに本があるんだろう?


何かの資料なのか…?


だとしたらどういう仕事なんだ…?


近くにある本はどれもいろんなジャンルの本があって、一つの仕事を特定する事は出来なかった。


ただ本が好きなのかな…?


その結論に俺は至った。


そして近くに母さんが使っているであろう引き出し付きの机があった。


机の上にも本はいっぱい置いてあった。


本を横に除けながら俺は机の上に何かが無いかを探していた。


ふと、一つのノートが目に入った。


それを手にとって俺は中を見る。


そのノートには数学者が書くような数式が長く書いてあった。


俺には到底理解出来そうにないその呪文のような式に俺は目が眩んだ。


尚更母さんの仕事がよく分からなくなってきた。


そう思いながら今度は引き出しを開ける。


するとそこには1枚の写真が入っていた。


ほこりを被っていてよく見えなかったから手で軽くほこりを取った。


その写真に写っていたのは俺に似た小学生くらいの茶髪の少年と若い両親の姿。そして母さんが抱いていたのは恐らく赤ん坊の俺だった。


って事はこの少年は…兄さんなのか。


俺にそっくりだな…いや、逆だ。


俺が兄さんにそっくりだったんだ。


こんな近くに十数年も知らなかった事が隠されていたなんてな…


もっと早く知っていたら兄さんに会えた時嬉しかったかもしれないのにな。


そう思いながら俺は写真を引き出しに戻そうとした。


その時、写真があった下に1枚の紙がある事に気付いた。


写真を置いて、今度はその紙を手に取る。


その紙には住所と電話番号だけが書いてあった。


これがどこの住所なのか何の電話番号なのか全く分からないが、何かヒントになるかもしれない。


そう思って俺はその紙を持って外に飛び出した。



走ってその住所の近くまで行っている最終に俺は周りの景色を見て、前に見たような気がしていた。


そのまま走りながらいつ来たのかを必死に思い出していた。


少し進んだ時、俺はすぐに思い出した。


目の前に大きな建物があったからだ。


「ここは…」


間違いなく、あの場所だ。


俺は左手を見つめた。


この義手を貰った場所、そして父さんと会ったあの研究所だ。


俺はそう分かったと同時にいろんな疑問が頭に浮かぶ。


何で母さんはここの住所が書いてある紙を持っていたんだ…?


離婚する前から知っていた…って事なのか…?


考えていても仕方ない。


とりあえず中に入ってみよう。



中に入って俺は一通り見て回る。


中はいろんな資料が置いてある部屋もあって、如何にも研究所という感じだった。


凄いな…


本当の研究所をこうゆっくり見た事は無かったから少しワクワクしていた。


だが、どの部屋を見ても父さんと会った時から何も変わっていないようだった。


何も無い…か。


そう思って帰ろうかと思った時、近くにある写真が気になった。


そこに写っていたのは驚く光景だった。


父さんが虹色の髪…という事はつい最近だ。


能力が発現してから俺が殺すまでの間だ。


なのに父さんと一緒に写っているのは母さんだった。


何で離婚してもう会ってもないはずなのに最近の写真で一緒に写っているんだ…!?


そう思っていたとき、奥の部屋から光が差し込んでいるのが見えた。


その光は虹色に輝いているように見えた。


何があるのか…


俺は恐る恐る、その部屋に入る。



そこで見たのはその部屋の半分以上を占めている大きな虹色に輝く機械のような箱だった。




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