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15話 彼女の想いと彼の想い



炎怒達と分かれて俺達は来た道を戻っていた。


特に道中何も無かった俺達は黙って歩いていた。


すると、先生は突然「なんかごめんね」と言った。


「何の事…ですか?」


俺は敬語を使い慣れて居ないから言葉に詰まりながらもそう聞いた。


「あたし達のせいで黒山さんが… あんな事になっちゃって…」


そう言われて、俺はまた彼女の姿を思い出して、怒りが湧いてきていた。


右手首に付けている彼女から貰ったブレスレットを見ながら深呼吸をする。


「炎怒や、あんたのせいなんかじゃない。悪いのは…キラーズとかいうゴミ集団だ…」


俺は言葉の汚さなどを気にせずそう言った。


その言葉は俺の怒りを表していると彼女に伝わっただろう。


俺は絶対に彼等を許さない…


彼女は申し訳無さそうに黙り込んでいた。


そんな空気を少しでも良くしようと俺は彼女に少し質問をした。


「そういえば、先生は何で炎怒の事をそんなに慕ってるんだ?」


そう言うと彼女はさっきまでの雰囲気を一瞬で消して、顔を赤くした。


「炎怒くんは、あたしの人生を変えてくれたから…」


彼女はそう言ったが、俺は変な意味でしか捉えられなかった。


炎怒は一体彼女に何をしたんだ…


これは聞いて良い事なのか分からないし、深く考えないでおこう…


「へぇ…」


軽く相槌を打って、俺は周りを見ていた。


近くに公園があったため、休憩ついでにその油断しているところを突いて奴等が来るかもしれないと思った俺は公園に足を運ぶ。


公園の中で俺は適当に座れそうなところに座り、彼女はブランコに座って休憩していた。


すると、目の前から銀髪の男性と赤と青に髪の色が半分ずつ違う女子が歩いてきていた。


俺はもちろん覚えていた。


さっき会った奴等だと。


そして、杏奈を殺した奴等の仲間だと…


俺はもう抑えられなかった。


「うおおおおおおお!!」


彼等にすぐ俺は駆け寄って光を飛ばす。


その時、後ろでブランコから彼女は立ち上がっているのが分かった。


前に出ていた赤と青の髪の少女は炎と水を出して、光を防ぐ。


だが、俺は構わず何発も光を飛ばす。


相手に攻撃を隙を与えず何発も。


俺はまともに狙いが定まってはいなかった。


それでも怒りを体現するように何発も光を飛ばしながら、時々、目を焼いてやるつもりで指を鳴らして光を出したり、殴りながら光を出したりする。


彼女は冷静に全てを受け止めていた。


だが、それに限界が来ると信じて俺は只管攻める。


その時、何か異変に気付いた。


後ろに居た銀髪の男性は動いて居ない。


そして、後ろに居る先生も何故か何もしていない。


何か嫌な予感がする。


俺はそう思って横に避ける。


その瞬間、俺の顔ギリギリを木の枝が横切った。


後ろを見ると、風を操って木の枝を飛ばしてきた先生が居た。


「何してんだ!?」


俺は怒りと動揺で敬語を忘れて彼女にそう聞いた。


だが、彼女は黙ったまま更に木の枝を飛ばしてきた。


俺がその木の枝を弾こうとしたとき、彼女は距離を詰めてきて殴りかかってきた。


それに気付いた時、俺は一瞬で、弾いている余裕は無いと分かって、両方を避ける。


彼女の後ろに回りこむようにして俺は下がった。


俺の前にはキラーズの2人と先生が居るという状態だった。


俺はすぐに気付いた。


彼女は本能で動いて居ない。


まるで操り人形のようだった。


そして、もう一人動いて居ないやつ…


あの銀髪の男に何かがある。


恐らく彼が動かしているんだ…と。


そう考えていると彼女は更に突撃してきた。


落ち葉を飛ばしながら、殴りかかってくる。


小さい光で落ち葉を焼きながら、殴りかかってくる彼女の拳を避ける。


恐らく、この状況ならあの少女が俺の隙を突けば俺は防げない。


だが、その少女は俺を殺すのが目的では無いようだ。


なぜなら俺と先生が戦っているのを黙って見ていたからだ。


恐らく、仲間割れするところを見て楽しみたいんだろう。


「クソが…!」


俺は傍観する少女に気が立っていた。


仲間割れが望みかよ…?


じゃあしてやるよ…!!


そう思って先生の動きの隙を突いて光を当てようとした。


だが、その時炎怒の言葉を思い出した。


『風音さんを守ってくれ』


それと同時に彼女の動きは防ぐ気が無い事に気付いた。


危うくあいつらの思い通りになるところだった。


そう気付いた俺はすぐに先生と少女の目に光を当てる。


もちろん先生の方は少し目が眩む程度に。


そして俺はすぐに銀髪の男性に近付いた。


この距離なら当てれる…!


と思ったが俺は大事な事を忘れていた。


こいつが操ってるならこいつの目を潰さないとダメだったんじゃないか…?


そう思った時、銀髪の男は不敵な笑みを浮かべた。


もう遅かった。


目を閉じている先生は彼に操られて木の枝を俺に飛ばしてきた。


完全に攻撃を当てる気で居た俺はそれを避ける事は出来なかった。


木の枝は後ろから俺の胸を貫いた。


それと同時に血が少し吹き出して、俺は吐血した。


刺さったのは真ん中よりほんの少し左… ちょうど心臓の位置だった。


俺はそのまま仰向けに倒れこむ。


前まで飛び出していた木の枝は倒れこんだ衝撃で後ろに抜ける。


それでもっと血が吹き出した。


俺は視界が暗くなっていく中、右手首のブレスレットを見た。


痛みと悲しみで自然と涙が流れた。


倒れている俺の涙は目の横から地面に流れ落ちた。


でも、少し嬉しい気持ちが何故かあった。


『杏奈、今お前の所に行くからな… 炎怒、後は任せた…ぞ…』


心の中でそう呟いて俺は目の前が暗くなった。



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