表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/61

3:シュウジ、異世界に歓喜する

短めです。

 シュウジは漫画の「異世界」にひときわのめり込んでいた。

 実はアヤカに話した少年漫画以外にも、彼は数々の「異世界」関連の漫画を所持している。

 中でもお気に入りは、「一般的な日本人が、異世界へ転生、もしくはトリップし、その世界で活躍する」といった内容のものだった。


 最もシュウジが憧れるのは、「勇者、聖女、その他なんらか重要な役目を担った主人公が、異世界の人々に手厚く迎えられる」という設定だ。

 彼は、ずっとそんな世界を望んでいた。

 そのため、神殿でウモウジールに「聖人」と言われた際、渡りに船とばかりに彼の厚意を受け取ったのである。


 日本でのシュウジは、息苦しさにもがき苦しんでいた。

 有名私立高校に進学したものの成績の振るわない自分。内弁慶のシュウジは、外に友達がおらず、クラスでも浮いている。

 過保護な母親は、そんな息子に過度な期待を寄せていた。


 そして、家に帰れば嫌でも顔を合わせる自分と正反対の双子の姉の存在も憂鬱だった。彼女は、家で孤立しているものの、外に大勢の友人がいたのだ。

 そんな姉の存在が、さらにシュウジを追い詰める。

 彼は、「異世界」をテーマにした漫画を読むことで現実逃避をし、心の均衡を保っていた。


 今回の異世界転移は、シュウジにとって願ってもいない話である。

 憧れの世界に来ることができた今のシュウジに迷いはなく、一緒にこの世界へ来た双子の姉のことなど、すでにどうでもよくなっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ