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いつものことよ
やわらかな陽射しの差す森の中。
可愛らしいレンガ造りの家、そのそばの白いテーブルと椅子に座っているのは、三時のおやつに紅茶とクッキーを食べる女の子であった。
「うーん、今日のクッキーは甘すぎたわね」
失敗したとでもいうような顔をした少女は、そのままぺろりとクッキーを平らげ、紅茶を飲み干した。
ここは普通の人々が暮らす集落から少し離れた森の中。そんな所に住むこの少女は、普通の人々からは少し恐れられながらも頼りにされている存在であった。
この少女の元には、なにか困り事のある村人がたまにやってくる。少女はそれを解決してやり、報酬をもらって生活していた。
この物語は、そんな少女の過ごす日々のお話。